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高校数学の参考書・問題集ひたすら解いてみる(その13)一次不等式(1)

さて、ではその13始めましょー。
今回から一次不等式をやっていきます。

なお、章節は基本は以下の書籍をベースとしています。
増補改訂版 チャート式 解法と演習 数学Ⅰ+A

数学Ⅰ
第1章 数と式

4 一次不等式

この章節は「超」厄介です。
たかが一次不等式だからといって侮ってはいけない…と思います。
基本事項の説明だけで記事2回分でも良くね?と思ってます。
(でも1回でやっちゃいます)

まぁ、見ていきましょう。

基本事項1 不等式の性質
0 $${A < B, B < C ならば A < C}$$ まぁ、これは良いですよね。
1 $${A < B ならば A + C < B + C, A - C < B - C}$$ まぁ、これも良いですよね。
同じ数を足したり引いたりしていますが大小関係は変わらないですね。
2 $${A < B, C > 0 ならば AC < BC, \dfrac{A}{C} < \dfrac{B}{C}}$$ まぁ、これも良いですよね。

0より大きい数を掛けたり割ったりしていますが大小関係は変わらないですね。

はい、次、次ですよ次!
3 $${A < B, C < 0 ならば AC > BC, \dfrac{A}{C} > \dfrac{B}{C}}$$
…よ~く見てくださいね。不等号の向きが<から>に変わってます。

これ、絶対見落とすでしょう。
参考書ももう少し強調して書いたほうが良いんでないかと
思うんですけどねぇ…どなんでしょうかねぇ…。
これ、前にも書きましたけど一般化して分かりづらくなっている箇所ですね。

少し具体的に見てみましょうか。
Aを1、Bを3、Cを-2として見てみましょう。
$${A < B, C < 0}$$は$${1 < 3, -2 < 0}$$となります。当たり前ですね。
で、ACやBCを求めてみましょう。
$${AC = 1 \times (-2) = -2}$$
$${BC = 3 \times (-2) = -6}$$
$${-2 > -6}$$なので
$${AC > BC}$$で合ってますね。($${A < B}$$から不等号の向きが変わってます)

では割り算もやってみましょうか。
$${\dfrac{A}{C} = \dfrac{1}{-2} = -0.5}$$
$${\dfrac{B}{C} = \dfrac{3}{-2} = -1.5}$$
$${-0.5 > -1.5}$$なので
$${\dfrac{A}{C} > \dfrac{B}{C}}$$で合ってますね。(こちらも$${A < B}$$から不等号の向きが変わってます)

なので0より小さい数で掛けたり割ったりするときは要注意です。
こうなると等式の計算のほうが符号の向きを気にする必要がないだけ
楽だと思いませんか?(私はそう思いますが…)

基本事項2 不等式と式の値の範囲
$${k < x < l, m < y < n}$$ならば
①$${k+m < x+y < l+n}$$
②$${k-n < x-y < l-m}$$
こうやって並べてみるとよく分かるのですが、
左側、足すときは$${m}$$を足していますが
引くときは$${n}$$を引いています。
一番右も足すときと引くときでは値が違います。

ここも間違いやすい。ややこしい部分です。
なぜこうなるか、②を具体的な数字で見ていきましょう。
$${k < x < l}$$を$${1 < 2 < 3}$$とします。
$${m < y < n}$$を$${4 < 6 < 8}$$とします。
$${k-n < x-y < l-m}$$を確認する前に
$${k-m , x-y , l-n}$$ではどうなるのかを見ていきましょう
$${k-m = 1-4 = -3}$$
$${x-y = 2-6 = -4}$$
$${l-n = 3-8 = -5}$$
$${k-m , x-y , l-n}$$の結果は
$${-3 , -4 , -5}$$
となり-5が一番小さいので不等号の向きは>です。
この場合は、$${-3 > -4 > -5}$$となり、
不等号の向きが<にはならないということです。
$${k-m , x-y , l-n}$$のパターンは上記のように>の関係になったり、
等号(=)の関係になったりいろいろな組み合わせがあるんです。
($${k < x < l}$$が$${1 < 2 < 3}$$で$${m < y < n}$$が$${4 < 5 < 6}$$とか)
なので基本事項にはあてはめられないのです。

じゃあ、②の$${k-n < x-y < l-m}$$について見ていきましょう。
まず、$${m < y < n}$$($${4 < 6 < 8}$$)に先ほどやった基本事項1の3の
$${A < B, C < 0 ならば AC > BC, \dfrac{A}{C} > \dfrac{B}{C}}$$
すなわち0より小さい値をかけて符号を反転させます。
符号だけを変えたいのでー1をそれぞれに掛けます。
具体的には
$${m < y < n}$$
(具体例は$${4 < 6 < 8}$$)←-1掛ける前
$${m\times(-1) > y\times(-1) > n\times(-1)}$$
(具体例は$${4\times(-1) > 6\times(-1) > 8\times(-1)}$$)←-1掛けた後
符号の向きをよぉ~く見てくださいね。変わってますよ。
では計算しちゃいます。
$${-m > -y > -n}$$(具体例は$${-4 > -6 > -8}$$)
ここまでは良いですね。

では
$${k < x < l}$$(具体例は$${1 < 2 < 3}$$)と符号の向きを合わせたいので順番を入れ替えます。
$${-m > -y > -n}$$(具体例は$${-4 > -6 > -8}$$)←入れ替え前
$${-n < -y < -m}$$(具体例は$${-8 < -6 < -4}$$)←入れ替え後

最後に$${k < x < l}$$(具体例は$${1 < 2 < 3}$$)のk、x、lのそれぞれに
$${-n < -y < -m}$$(具体例は$${-8 < -6 < -4}$$)の-n、-y、-mを足します

$${k+(-n) < x+(-y) < l+(-m)}$$
(具体例は$${1+(-8) < 2+(-6) < 3+(-4)}$$)
それぞれを計算します。
$${k-n < x-y < -m}$$
(具体例は$${-7 < -4 < -1}$$)
確かに正しいですね。

今回は問題を解かず、基本事項を目一杯やってみました。
一般化されている事項について解りづらい内容があった場合、
今回やったみたいに簡単な具体例で確かに基本事項どおりであることを
確認した方が良いと私は思います。

基本事項や公式って理屈を分かっていた方がなぜそうなるのかが
分かるので丸暗記で頭に叩き込んだ内容よりも
理屈として(理解して)覚えているので頭の中に定着すると思います。
(うーん、もう少しうまい書き方できないかなぁ、自分)

あとは理屈を覚えた上で問題をやりこんだ方が
身につく(忘れづらくなる)と思います。
これは記事書いてるおっさんが今でも問題解けることで
多少は証明できているのだと思います。(怪しい…)

実際には問題解いてみて計算ミスを結構してますけどね。
(ノートに打ち消し線がいっぱい書いてありますわ。笑)

では長くなりましたので今回はこれで終わりたいと思います。
でわまた。

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