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LE装備とは?

この記事は2015年に私が執筆した記事をリライトしたもので、「LE装備」という言葉を大きく普及させました。
今一度、きちんと知りたい「だが、情熱はある」という方に精一杯お応えします。

※ 本記事はLE装備とはどういうものなのか、きちんと知りたい方向けに解説したものです。
※ こうあるべきと主張するものではなく、本気でやりたいと思う方に、なるべく正しい知識を提供するためのものです。

※ 内容はアメリカを中心にした話となります。


そもそもLEとは?

LE装備の『LE』とは、“Law Enforcement”の略で、法執行機関という意味の英語です。
「治安維持を目的とした機関・組織 / 警察権を持つ軍隊以外の機関・組織」の全てを基本的に指します。
(例外として、軍の憲兵等は法執行を業務とするためLEに分類されます)

簡単に言ってしまえば、警察(POLICE)などの
『法に基づいて』仕事をする組織のことですね。

そして、これらの「実在する組織」に従事する警察官や捜査官らの装備を『LE装備』と言います。

NYPD
LAPD SWAT
FBI SWAT

LE装備という言葉自体は、あくまで
装備の『カテゴリー』を示す言葉であり、
装備スタイル自体を指すわけではありません。

あえて軍隊の装備で同じように言うならば、
「MIL装備」といったところです。

「MIL装備 ≒ LE装備」であり、米軍や自衛隊の装備をしている人や迷彩服を着ただけのサバゲーマーが、自らを「MIL装備してます!」という表現をしないのと同じように、実際は「陸自装備」、「米 Navy SEALs装備」など、国や地域、部隊の数だけ細分化されていきます。

なので、正確には
『国名』のLEの『組織名』の『役職』装備
という言い方になります!

例:「アメリカ」の「LAPD」の「SWAT」
例:「イギリス」の「ロンドン警視庁」の「警官」


実在するLEの装備を集めるとなると、一定の装備知識が必要となるため、近年は『架空LE装備』というオリジナル装備も流行っていますが、それらはあくまで架空(オリジナル)装備であり、LE装備とはまた異なります。また、架空であるにせよ、「◯◯警察」等の設定を上記のように練られている方も多いです。
※そちらに興味ある方には、本記事はあまり参考にならないかもしれないので予めご了承下さい。

ここで言いたかったのは、
POLICEパッチをとりあえず貼っておけばLE装備
というわけではなく、それは「LE風装備」である
ということです。

装備とは、わざわざサバゲーには不要・邪魔なアイテムにお金をかけていくことです。
せっかくお金を使うなら、まずは「LE装備」の中に、どんな組織やスタイルがあるのか調べ、興味を深めるところから始めましょう!


アメリカの警察と系譜

LE装備の最終着地点としては、先程の通り「アメリカのFBIの特別捜査官装備」といった具合に、特定機関における特定役職の人々の装備スタイルになりますが、そこに至るまでには様々な系譜があります。

国によってLEの在り方は様々ですが、アメリカが日本と大きく異なるのは、アメリカが連邦国家であることです。そのため、警察機関の仕組みも日本とは大きく異なります。

国の成り立ちから、自分たちの土地は自分たちで守るという自治意識が強いアメリカでは「市/郡/州/国それぞれが定めた別々の法律を、それぞれの地域や機関が保有する警察が、それぞれの管轄で取り締まり」しています。
市町村の警察を州警察が統括しているわけではなく、それぞれが別々の組織として存在するのです。

別々と言っても、容疑者が管轄をまたいで逃亡した場合には、逃亡先を管轄する機関が捜査を引き継いだり、組織規模が小さく、自分たちでは対処が困難な事件には応援を呼んだり、州の機関が市の機関に情報提供を求めるなど、別々の組織でも互いに協力をし合っています。

全て別々のLE

日本は「どこに行っても、国が定めた同じ法律を取り締まる警察が、都道府県ごとに管轄」しているため、仕組みがかなり違うと言えます。

わかりやすくアメリカを日本に置き換えて例えるなら、国全体の法律に加え、各地方、各県、各市それぞれに独自の法律が存在するようなイメージです。
(日本では “条令” といった形で存在しますが、アメリカの場合は “法” なので拘束力がより強いです)

東京では合法なことが埼玉では違法なことがあり、その行為を埼玉で行うと、警視庁(東京)とは異なる法律を取り締まる、埼玉県警の警官に逮捕される場合があるというようなものです。
また、警視庁の部署ではなく、完全に別の機関として、首都高で発生する犯罪だけを取り締まる警察がいたり、さらに別機関として東名高速だけを取り締まる警察がいるようなものです。

東京から大阪に引っ越す場合、大阪府警には異動ではなく転職になるといった具合に、仕事内容は同じでも、地域が変われば機関も代わり、制服から銃まで身につけるものも変わります。


このように管轄が細分化された法執行機関が、アメリカには1万8000以上存在しています。
つまり「アメリカのLE装備は1万通り以上」あり、使う装備も異なるので、集める装備も異なるのです。

もしアメリカのLEについて、きちんと知っておきたいということであれば、以下の本はLE初心者の方にも読みやすくまとめられており、非常にオススメなので、ぜひ読んでみてください。

自分がわざわざお金をかけて集めている装備がどういうものかくらいは、聞かれて答えられるほうが良いですよね!


さて、それを踏まえた上で、アメリカのLE装備はざっくりと以下の2つに分けることができます。

  • 地方系LE(Local law enforcement)

  • 連邦系LE(Federal low enforcement)


地方系LE

地方系(ローカル)LEは、主に市警察/州警察/郡保安官などの地域単位を管轄とするLEを指します。

LASD

地方系LEのほとんどは、日本でいう「交番のお巡りさん」に近いような役割です。
制服を着用し、POLICEやSHERIFFと装飾されたパトカーに乗り、交通違反の取締や巡回などを行う、人々にとって最も身近なLEといえます。
ただし、前述の通り管轄は非常に細かく分かれており、例えばハイウェイパトロールならハイウェイ(高速道路)のみを管轄します。
管轄が細分化されすぎて機関(種類)の総数としては最も多いです。

POLICE(ポリス)は、日本の警察と組織的には似ており、ある程度の規模の都市ごとに存在します。

SHRIFF(シェリフ)は、仕事はPOLICE同様ですが、広大なアメリカにおいて、都市と都市の間から離れた村や小都市をまとめて管轄しており、トップであるチーフが、昇進ではなく選挙で決まるというのが異なります。

また機関によって「警察官」にあたる英語の呼び方が異なったり、特殊部隊も必ずどこの警察にもいるという訳ではありません。

連邦系LE

連邦系(フェデラル)LEは、国や州レベルの広範囲を管轄し、司法省(DOJ)などに属する、いわば国家機関(連邦政府)のLEを指します。

U.S.MarshalとFBI

連邦系LEの多くは、統一された制服を持たず、覆面パトカーを使用しており、一般的な犯罪の取り締まりを行うのではなく、より高度かつ専門的な捜査や役割に特化しています。また、地方の警察官がOfficerと呼ばれるのに対し、彼らはSpecial Agent(特別捜査官)と呼ばれています。

国家機関ということもあり、組織形態としては、こちらのほうが日本の警察に近く、各省庁が統括する連邦法執行機関が、米国全土に分局を持っています。

代表的な連邦系LEとして

  • FBI(連邦捜査局)

  • U.S.Marshal(連邦保安官)

  • DEA(麻薬取締局)

  • ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)

などが有名です。(いずれも司法省管轄)

名前を見れば、普通の警察官の仕事はしないだろうなあという察しはつくかと思います。

連邦系LEはその名の通り、地方ごとに定められた法ではなく、国で定められた連邦法の執行を行います。
そのため、スピード違反や窃盗等の警察官が取り締まるありふれた犯罪には出動しません。
また、市民からの通報を受けてから出動するよりも、予め入念な捜査・計画を行い、ベストなタイミングで強制捜査等を行なうことが多いです。
(事件が起きてからの出動でなく、事件が起きる前に未然に防ぐ)

特にテロや麻薬組織の捜査など、国を越えた国際犯罪を扱うこともあるため、一部機関は国外にも事務所を設けており、日本の大使館にもFBIやDEAの「東京支局」があったりします。

このように大別すると、まずは地方系/連邦系
2つの系譜に別れますが、その機関の中でさらに

  • OfficerまたはSpecial Agent

  • 対ギャングユニット

  • 分析官

  • 特殊部隊

などの、役職で分岐していきます。
特に連邦系LEのような大きな機関ほど、中での役職が多数あったりするので、やはりまずは方向性を定めるためにも「調べる」ことが重要です。

特殊部隊

LEの特殊部隊についても念のため解説します。
SWAT」という言葉は聞いたことある人もいるかもしれませんが、Special Weapons And Tactics (特殊兵器及び戦術)の略称です。

機関によってはSRT(Special Response Team)やESU(Emergency Service Unit)という名称になっていることもあります。

通常のピストルを持った制服警官よりも重武装で、ヘルメットやライフル、装甲車等を使って、制服警官らでは困難な状況に駆けつけてサポート・制圧をします。

WCPD SWAT

犯罪の多い大都市ロサンゼルスのLAPDが、凶悪犯罪に対処するために、重武装の警察部隊を編成したところからはじまり、今では地方・連邦問わず、一定規模のLEの多くが保有しています。
今では多くの機関の特殊部隊が「SWAT」を名乗っていますが、同じような役割・名前でも、所属している機関が異なれば、それはまったく違う部隊になるので留意しましょう。

日本にも「SAT」と「SIT」という警察特殊部隊があり、前者は国内ドラマ等で登場することも多く認知度も高いです。
アメリカでは、これらに相当するLE特殊部隊がなんと1000部隊以上も存在します。
なので、ひとえに「SWAT装備」といっても、使う装備も異なる1000パターン以上があるのです。

SWATになるには各機関の定める厳しい入隊試験をクリアしなければならず、一般的な地方警察では20名程度いれば多い方になります。
ほとんどの場合、通常の警察官の仕事と兼務となり、週の何時間かを専門の訓練に充てています。

また、こちらも地方・連邦とで練度や装備の質も大きく異なります。
地方警察では、都市の規模に応じて、SWATの規模も変わってくるため、本当に少ないところでは10人にも満たなかったり、装備品が軍のお下がりだったりすることもあります。

Central Florida Metro SWAT (CFMS)

一例として画像のCFMSは、普段は別々の地域で活動する、田舎の5名程度しかいない地方警察SWATらが、緊急時には互いの町を応援しあうために合わさることで、一つの大きな部隊を構成しています。
(そうしなければ十分な人数を確保できず、より困難な状況にも対処できないため)

一方で、連邦系は予算が圧倒的に多いこともあり、米軍特殊部隊と相違ないような装備品や迷彩服を着ていることが多いです。

USMS SOG

隊員も軍歴や警官歴の長い者が多く、地方警察SWATらがキャリアアップを目的に入隊してくることも多いです。
その分、求められる質も高いので、入隊試験はより厳しく、入隊後も高度な戦術訓練を受ける日々が続くほか、部隊によっては特殊部隊専任の場合もあります。(通常業務と兼務しないこともある)

装備もまとまった数で支給されるため、どの部隊の装備を集めるにしても、ある程度のセオリー(部隊を象徴するセットアップや必須アイテム)があります。
お金があるがゆえに、CRYE等の有名高級軍用品ブランドの装備を使っていることが多く、何を揃えたらいいかは比較的にわかりやすい場合も多いですが、本職がお金をかけているわけですから、例えレプリカで真似るにも相応の金額がかかります。

いずれにしても地方・連邦問わず、特殊部隊になると買うものが途端に増えるので、相応の金額をつぎ込むつもりがないなら、制服警官のほうがもっと安く、なおかつ実物で揃えることも可能な場合があることは知っておいてください。

LE装備のスタイル

LEは「長期間に及ぶ捜査」はあっても、軍のように一回の出動(作戦)で「長時間の任務」となることは少なく、武装犯の人質事件や、銃撃事件でも大抵の場合は数時間で収束します。

また、たとえ特殊部隊であったとしても、あくまで警察なので犯人逮捕による法執行が重要であり、銃撃戦は「最悪の事態」であるため、武装は必要最低限でマガジン携行数も少なく、軍の部隊よりか比較的に軽装な場合が多いです。

補足:近年は相次ぐテロの影響から各国で “警察の軍隊化” (Militarization of Police)が進んでおり、軍のように迷彩服に身を包み重武装する機関も増えています。

素人目には軍隊と相違ない装備の部隊も多い

特に私服を用いたLE装備は、いつかのPMC装備のように流行ってきているサバゲー装備スタイルのひとつです。

補足:一般的に地方系LEは日本の警察官同様に、制服があるため、私服スタイルは連邦系LEのイメージが強いです。(あるいは地方系LEのギャングユニット)
しかし、実際は連邦系LEでも多くが5.11等のパンツやポロを制服として採用していたりするので、私服LE装備というのは「緊急出動で制服を着る時間がなかった連邦系LE」や「潜入捜査中の地方警察官」というパターンがほとんどかと思います。調べてみれば私服姿のLEの多くが、プレキャリに着けているパッチパネルは「POLICE」表記ではないと思います。

ATF

雰囲気を楽しむだけなら、プレートキャリアとパッチパネルさえあれば私服捜査官 “風” 装備や、緊急出動したオフィサー “風” 装備は、比較的に手軽ですし、そこからBDU等で拡張して行けば特殊部隊の装備にも派生させることができます。

軍装の場合、プレキャリを着ただけではとても◯◯軍装備と言い切れないことが多いため、本格的に装備を集めるにしても敷居が低そうにみえるのが流行の理由かと思います。
(私服系はなぜ私服を着ているのか、私服に装備を着て何をするのかまで考えられると、よりリアルな装備になると思います)

しかし、LE装備と言うからには『最低限押さえておくべき重要なポイント』があります!!

結局最後は自分の集めたい機関が「何を使用しているか」にはなるのですが、今回は多くのLEにみられる特徴を抜粋して紹介したいと思います。


所属を表す/それはLEか

警察なら「POLICE」、連邦捜査官なら「FBI」など必ず所属する組織をパッチやバッジ、プリントの施された衣服等を用いてアピールするのがLE最大の特徴で、これは戦場と違い多くの人々が入り乱れる現場で民間人や各機関との区別を図るためのLEならではのものです。

全て違うLEなのは見れば明らか

なので、こうした「所属を表す」という要素はLE装備において、LEであることを証明する “必須要素” と言っても過言ではありません。

特にプレキャリの前後にパッチパネル(所属機関を記した大判のパッチ)を貼る機関は非常に多いため、LE装備の一つのキーポイントとなっています。


とはいえ「所属パッチさえ貼ってあればLE装備」という訳でもありません。

繰り返しになりますが、LE装備とは『法に基づいて法執行する機関』の装備です。
『所属機関のパッチを貼っている人』ではありません。

FBIと救急救命士(EMT)の合同戦術医療訓練

アメリカでは警備員(Security)や救急救命士(EMT)等においても、プレキャリやヘルメットを着用し、「SECURITY」や「MEDIC」等のパッチを前後に貼っていることがあります。

しかし、上の画像でのEMT隊員はあくまでパトカーでなく、救急車に乗ってやってくる救急救命士であり、それがどんなに特殊部隊のような装いで、前後に所属を示すパッチがあっても、あくまで彼らは法を執行できる「警察権を持たない」ので「LE(装備)ではない」のです。


ほかの具体例として、アメリカにはBail Enforcement Agentという仕事があります。

刑事事件などで逮捕・勾留された被疑者は、判決が出るまで拘束されてしまいますが、保釈金を払い、なおかつ裁判の際には自ら出席することを条件に釈放してもらうことができます。
この保釈金はきちんと裁判に出席すれば返還されるのですが、起訴内容によっては決して安い金額ではないため、払うことができない人もいます。

こうした人々の保釈金を立て替えてくれる保釈保証業者(Bail Bondsman)というものがあるのですが、万が一被疑者がそのまま逃亡してしまった場合、保釈金は返還されないため、丸々損益となってしまいます。
この際、逃亡した被疑者に裁判を受けさせるために、被疑者を探し出す人たちを “Bail Enforcement Agent” といいます。(Fugitive Recovery Agentとも呼ばれる)

探し出すといっても、逮捕・勾留を伴う事件の被疑者なうえ、裁判から逃亡するような人物ともなれば、抵抗が予想されるため、州の認可を受けたBail Enforcement Agentには逮捕権や銃の携帯が認められており、バッジ等も交付されます。

Bail Agent

バッジにエージェントのパッチと、まるで連邦系LEのような装いですが、結局彼らも法的に逮捕する権利は与えられたものの、Law Enforcementつまり法の執行そのものはできないため、LEではありません。(言うなれば現代のBounty Hunterです)

LEやBail Agentも「逮捕」というのは、そのあとの裁判や取り調べための「手段」であるため、「逮捕を行う仕事=LE」というわけではないのです。
(法に基づいて、その法を執行する仕事がLE)

このように、きちんとパッチに書いてある英語の意味や、やりたい機関の仕事を理解していないと、「LE装備って言ってるけど、LEじゃなくね?」なんてことにもなってしまうので、せっかくお金をかけて集める装備のことは、お金をかける前にしっかり興味を持ってみることが大事なんじゃないかと思います!


所属はなるべく具体的に細かく!

とはいえ「なるほど、だったらとにかくPOLICEパッチさえ貼っておけばLE装備だね!」……というものでもないのがLE装備の奥深さ。

サバゲー装備として雰囲気を楽しみたいだけなら、それだけでも別に良いと思います。サバゲーで何を身につけるかなんて人それぞれなので、本記事はそれを否定するものでありません。

しかし、それではただのPOLICEパッチを貼っただけの装備です。

もし、より本格的に集めてみたい、最終目標が「装備系イベントにも参加してみたい」ということならば、もう少し所属機関を明確にしていく必要があります。

そこで、さらに重要となるのが「所属の部隊や地域」をより具体的に表すパッチやエンブレムです。

Tampa支局に所属するFBI SWATであることを示すパッチ

先ほどのパッチパネルよりも具体的に所属を示すものとなるので、装備の説得力を出すには欠かせません。

全国共通で各地に存在する地方のPOLICEやSHERIFFなどの場合は「どこの地域を管轄する警察なのか」、FBI等の他に同名の機関がないような組織でも、大きな組織が故に各地に分局がある場合は「どこの分局に所属する職員なのか」を示すパッチなどを必ず用いています。
(日本でも警視庁、千葉県警、愛知県警、大阪府警など同じ警察でも所属や管轄は様々ですよね)

通常こうしたパッチやエンブレムは肩にあることが多く、前後だけでなく左右からもしっかり所属をアピールします。

“ボストン市の” 警察官であることを示す肩のパッチ

例えばFBIのSWATチームの場合、
・FBIであることを示す前後のパッチパネル
・特殊部隊であることを示すSWAT部隊章
・どこの分局のSWATかを示す支局章
・個人ごとの識別番号(コールサイン)
などのたくさんのパッチを一度に使用しています。

しかし、おかげで「FBIの特殊部隊で、Tampa支局に所属しており、B-10番の隊員である」という具体的な情報が一目でわかるわけです。

これほど多くのパッチを使用する理由というのが、「自分がいったい誰か」をいちいち身分証を提示せずとも民間人や別組織の職員、仲間らにアピールできるからです。

特に特殊部隊はテロも想定しているため、人々が逃げ惑うような混乱の事件現場で、敵か味方かを瞬時に識別できるかは重要な要素となります。そこで、パッチを用いて瞬間的な識別を可能としているのです。

このように「所属を表すアイテム」は単に組織を示す物だけでなく、より具体的な情報を与える物でもあり、自分が何処のLEかを具体的にすればするほど、よりLE装備の完成度も高くなります。

要するに「前後で組織を、左右で所属を示す」のが非常に大事なのです! (手錠などの小物は二の次)

ほかにも軍ではタレスのPRC系無線機が一般的ですが、LEではモトローラの無線機が主流だったりと、細かな装備もやはり軍隊とは異なる特徴が多数あります。


Thin Blue Lineとは

LEを示すシンボルとして『シン ブルー ライン』というものがあり、このデザインのパッチや旗が法執行機関の職員やその支援者たちに人気があります。

Thin Blue Line US Flag

「殉職した法執行機関職員への追悼と敬意」を意味するシンボルとして英国からはじまり、今や様々な国で同様のデザインが使用されています。

特に米国では各ストライプに更に意味を与えており、青い中心線は法執行機関、黒い縞の上半分は一般人、下半分は犯罪者を表しています。
犯罪者による暴力と犠牲と犯罪による潜在的犠牲者の間には、法執行機関(青線)がいて、法執行機関における敵は犯罪者であるが、それは国民でもあり、法執行機関にとっての敵は全ての国民とも言えるという皮肉の意味があります。

特定の装備では、このデザインのパッチの使用例があったりしますが、これ自体は所属を表明するアイテムではなく、あくまで「追悼と敬意」を「法執行官への支援」などを表明するアイテムです。そのため法執行機関だけでなく民間の方から軍人の方まで、あらゆる “支援者” が使用しています。

なので、シンブルーラインフラッグのパッチをプレキャリに貼っただけでは、使用例ありきの場合を除き、LEでない人も使うことがあるため、LE装備とは言い難いです。
あくまでLE装備としては「所属機関パッチと組み合わせて使う小物」という立ち位置です。
(実際のところLEで装備に取り入れてる人は滅多にいません)

ほかにも消防の方々を支援する意味の『シンレッドライン』、国境警備隊の『シングリーンライン』等も存在しますが、これらはまた別物のシンボルなので間違えないように注意しましょう。

Thin Red Line US Flag

やはり大事なのは、LE装備をやろうと興味を持った機関が、どんな仕事をしている人たちなのか、使っているアイテムはどんなものなのか等は、お金を使う前によく調べてから買うのが「最短距離で、間違いなく、最安で」装備を揃えるためには重要でしょう。

そのうえで使用されている手錠やラジオ、ホルスター等のギアや小物、その配置を、入念な考察のもと取り入れられれば、それはもう誰から見てもLEの『◯◯装備』に見えるでしょう!

LE装備の集めかた

ここまでLE装備とは何なのか、ざっくり解説してきましたが、とにかく「LE装備」の中には様々な「◯◯装備」があり、LE装備という言葉自体は所詮ジャンルの一つに過ぎません。

「LE装備をやってみたいけど、何を買えばいいかわからない」という方は、まず初めに何を買ったり集めたりするかではなく

  • どんな機関が存在するのか調べる

  • どの組織の装備を集めるかを決める

ところからはじめてみましょう。

どんな装備を買ったらいいか、どんな銃を使えばいいかは各機関それぞれです。
何を買ったらLE装備とかはありません。強盗が使っているイメージのAKも、中東の警察なら正式装備です。

結局、方向性を定めないと装備をどれだけ買っても納得できず、無駄な買い物を際限なくしてしまいがちです。
そして、中途半端が故に飽きてしまい、次なる装備収集のために全て売るということを繰り返し、実物である程度しっかり形に出来ていたであろう金額を、レプリカにつぎ込んでしまっていた……なんてことにも。(筆者経験談)


とりあえず迷ったら、以下に筆者が個人的に「国内に集めている人がある程度いる」と感じる機関を並べておくので、そこから選んでみるのも良いでしょう。
先駆者がいる装備のほうが、名前のわからないアイテムが何か教えてもらえたり、装備イベントで大勢で “装備合わせ” をやれる可能性が高いです。

  • NYPD

  • LAPD

  • FBI

  • ATF

  • DEA

  • U.S.MASHAL

以下にオススメの参考資料も紹介しておきます。

こうした雑誌は使用している装備品の名前を知ることもでき、「装備の形を見れば、どこのメーカーの何かまで、大体はわかる」というレベルでない人には、1から装備を調べるよりも手っ取り早いと思います。

このほか、SNSに興味あるLEの装備をすでに集めている方がいれば、フォローしてみるのも装備知識をいち早く身につける一助になりえます。

ちなみに集めてる人の少ないマニアックなLEを攻めるのもいいですが、その場合は、一通り集めながら知識をつけて、しっかり布教して人を増やさないと、リアルな写真撮影が難しくなります。
なぜなら、事件現場に一人しか来ないLEなんて、滅多にいない(オフィサーならまだしも)ですし、人数が多いほうがも迫力もありますからね。

筆者はFBIの装備(特にSWAT)に関しては、世界で他にいないというレベルには調べ尽くしているので、私やnoteの記事が何か力になれるかもしれないので、今後ともご覧頂ければ幸いです。

コレクションの先には「LE装備に情熱を注いで、はじめて見られる景色」が待っています。
LE装備に興味を持って、この記事をご覧頂いたのであれば、いつか一緒にLE装備を楽しめる日が来るのを楽しみにしています。

2017:LE Wars 2
2019:LE Wars Final
2020:LE Confidential
2020:LE Confidential 2.0
2021:FBI Training Day
2021:LE Confidential 3.0
2022:LE Confidential 4.0
2023:Operation Hanover


ご覧頂き、そしてLE装備に興味を持って頂きありがとうございました!

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