ウェストサイドストーリーを観た


ウェストサイドストーリーを見た

情熱と音楽とリズムと、情熱と。

憎しみや感情は時に人を殺す。けど、人を一番生かす。


チノ→ダサいやつ、隠れている、隠している、表現できないやつの表現。心の兄のような存在を殺されて、復讐に目醒める。一時的なモノではなく、復讐を成し遂げるまで心は取り憑かれたまま。

成し遂げた瞬間、復讐の怒りが消えていき、不安と葛藤と、虚無に襲われる。手足は震えていて、復讐心と憎しみが自分から乗り移った相手から向けられた感情を前に、動けない。




きっかけになった、心の兄の死。の直後、ジェッツのリーダー、リフが持っていた銃を逃走間際拾う。



心に何か柱をもつ彼にとって、環境や大きな、抽象的な存在が必要だったのかも?
具体的でかつ、代えられない、失い難いものが柱だったから、それを失った瞬間からの落下で感情をコントロールできなくなった。
着地する寸前、最も加速していて、身動きは困難を要する。

その瞬間。最も鋭く、危険な武器は牙を剥く。

大きな音を立てて、地に足をぶつけたら、もう落ちない。速度0。

いつもなら、このままなら、その武器は危ないと知っていたのに。

もう、柱に支えられている自分には戻れない。
落ちている自分にも、戻れない。
遺るのは、地面に付けた落下痕と、牙を仕舞ったガラクタな武器、握り締めて忘れない手の感触。





19××年代かは、よく知らないが、粋でかっこいい・苦悩に狂う若者が、居たんだ。
また、今の世界も姿を変えただけで、変わらぬ構造。


チノが、リフが、ベルナルドが、トニーやマリアも、今もどこかにいる。
お互いが、-チノにとってのベルナルドのような強く気高い柱を持ってはいない-弱く、かすかな柱を頼りに生きている。

チノにとって必要だったように、大きく、抽象的で、自然的な、自分の中にあるような、柱。軸。が必要なのかな。





僕にとっては、それは、自己理念で、守りたい人“達”と、その幸せ。
やっぱり、そうだよ。



“やさしい人とつよくなる”




本当は、チノだって心のやさしい人なんだよ。
ジェッツのみんなも、バレンティーナの言葉を聴けるし仲間思いで熱い奴ら。思いのぶつけ方がわかんなかっただけだよ。
シャークスのみんなも、移民としてではなく、自分達の人生の開拓者になろうともがいてた。
この時代-物語-のみんな誇りに生きてた。


しょうもないプライドもある。けど、貫けるものは、間違いなく誇りなんじゃないかなあって。

周りからなんて言われようと知ったことか。
手を組んで、喜んで、「ノッた」って言ってくれる奴さえいれば君はもう1人じゃない。

リフ、あんたはいいやつだ。だけど、トニーをそう言わせられなかったのが惜しくてならない。あんたが完璧だったなら、僕ら若者は死から何も学べなかったろうな。
最期までかっこよくいてくれてありがとう。









奈良公園より愛を込めて✋

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