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テラフォーミングマーズのプレイヤーボード問題

プレイヤーボード問題とは

火星を開拓して地球のように人が住めるように!
なんとも心躍るテーマに挑めるのが、テラフォーミングマーズというボードゲームである。
世界中のボードゲームファンに愛されているこのゲームだが、プレイする上で一つ困ったことがある。そうプレイヤーボード問題である。

ちなみに下記は、「テラフォーミングマーズにおいて困っていることがあるとすれば?」という問いに対して、複数回答OKでのアンケート結果である。

・プレイヤーボードに置いているキューブがすぐどこかに行く(100%)
・プレイヤーボードに置いているキューブが本当に正しいのか、自信が持てなくなる時がある。損した気分やズルした気分になることがある(100%)
・対戦相手が変なタイミングでプレイヤーボードのキューブをいじっていることが多い。それがずれたのを直しているのか?ずるしているのか?直していても正しいのか?など、気になってしまう(100%)
・プレイヤーボードの操作が、チマチマしていてやりにく(100%)
・産出量が +10を超えるとさらにカオス(100%)
・プレイヤーボードに置いているキューブを、猫が転がしてどこかにやりがち(100%)
※()内の数字は回答者数に対して、その回答をした人の割合。似たニュアンスの回答は、同じものとして集計。

と、全てのユーザがプレイヤーボードに対して、同じ悩みを抱えているという結果が得られた。ちなみに回答者は、私と自分である。

一応簡単に説明しておくと、テラフォーミングマーズでプレイヤーのパラメータ(リソース/ステータス)は、プレイヤーボードという一枚の紙の上にキューブという小さな四角い物体を置いて管理していくのである(下図のような感じ)。

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このプレイヤーボードが平面で、キューブがズレやすくて困っている、ということを言っているのである。

さて、このプレイヤーボード問題を解決するにはいくつかの方法がある。

その1 別売の2層式プレイヤーボードを買う

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(画像引用元:PayPayモール)
こんなようなやつが別売されている。キューブが動きづらくなっている。
Amazonでも、写真引用下のPayPayモールでも、比較的どこでも買える。
ただし、お値段はそれなりである。拡張版と同じくらい。

その2 自作する

上で挙げた、2層式プレイヤーボードが高いので自作しちゃおうという解決方法。調べると、多くの方が作り方などを記事やYoutube等で解説している。
例えば、こちらの方は100均で買えるものだけで自作したという記事である。


ボードゲームにおいて、素敵で魅力的なコンポーネントは大事な要素。この二つの解決法は、それらを満たしてくれるものとなる。

その3 アプリを使う

スマホのアプリを使う方法である。iPhone,iPad なら appストア、AndroidスマホならGooglePlayで検索すると、それらしいアプリは複数出てくる。無料のものが多いので、その中で一番使い勝手がいいものを選ぶのが良い。
お手軽にゲームの効率性をあげるだけならば、これが一番手っ取り早くてお勧めかな、と思う。但し、そのアプリの使い勝手次第。

Androidアプリも、iOSアプリも複数試した中で、それぞれ一つずつ例をあげておく。なぜか、両OS共通のアプリはなかったと思う(2020年9月時点)。

Android:TM Resource Tracker

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こんな画面。非常にシンプル。機能としては、
・各資源の保有数と産出量をボタンをポチポチして値を増減させる
・TRの値も増減することができる
・世代を進めるボタン(上図だと画面下部の中央の人が並んでるボタン)で、世代を進めた際の、各資源の増減を自動的にやってくれる

これらが、大体どのアプリでも基本の機能。アプリごとに、少し追加機能があるくらい、というのが自分が何個か試した中で得た感想(2020年9月時点)

iOS:Terraforming Mars Companio‪n

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こちらは、こんな画面。
先ほど挙げた基本的な機能の他に、
・ログの閲覧
・植物を緑地設置、温熱で気温を上げるの、アクションの値の増減を1ボタンでできる
・Undo機能(但し、ボタンを1つ押した分しか戻らない)
・建材やチタンを、M€に変換(対応するルールとの意味合いが若干違う)
・カードのコストを予め入力して、M€ / 建材 / チタンのどれで支払うか選択できる(コスト14を、チタン4 + M€2 のようなは支払いには対応できない)

最初に挙げたものよりは機能豊富そうだが、実際はどうだろう、という使い勝手。

2020年9月時点で存在した無料アプリは、だいたい試してみたが、しっくりくるものはなかった。
何が微妙なのか?

一番は、他プレイヤーの情報の確認方法だ。
複数人でプレイする時、当然自分以外の状況を知ることは必要である。
もし、プレイヤー全員が何かしらのアプリでプレイヤーボードを管理していた場合、他プレイヤーの情報を見るには、その人のスマホを見せてもらわないといけない。
スマホのアプリなら、そこらへんの情報をそれぞれで共有できる仕組みであれ、と思ってしまう。
一応2人でプレイした際は、スマホよりも画面が大きいiPadをお互いに見えるように立てかけて、プレイすることでなんとかできた。が、スマートなやり方ではないと思った。

二番目は、例えば
「コスト24のカードをプレイして、1のM€を得て、緑地を一つ設置。緑地の設置でTRと酸素濃度を1ずつあげる。緑地の配置ボーナスで、植物2とM€2を得る」(カード効果は適当に書いたものだが、あり得なくはないと思う)
これを、最初にあげた「TM Resource Tracker」でやろうとすると、M€-24するためにボタンをポチポチする(大体のアプリで+5, -5があるのでそれを適宜使う)。その後に、M€を+1、+2するために、ボタンをポチポチする。あるいは、-24 + 1 + 2 を計算を先にしておいて、-21するためにボタンをポチポチする。
更に、自分のTRを+1して、植物も+2する。
これらの処理の途中で、どこまでやったかを忘れてしまう、増減ボタンを何回押したかを数え間違える、ということがまぁまぁ起こる。
値を直接いじってしまっているのも、操作方法としては問題がある気がする。混乱した際に、元の数値に戻すのが難しくなるからだ。

と、数行前には「一番手っ取り早くてお勧めかな」とかスカして書いておきながらの、こき下ろしよう。舌の根が乾かぬうちにくらいの間髪のなさだ、デジタルネイティブ的には、Enterキーの打鍵音が残っているうちに、である。

ただ、アプリで一括管理は、本当にお勧めしたい。あの楽天カードマンだってそう言っている。
ただただ、お勧めのアプリがなかっただけなのだ。

そこで最後の方法である。

その4 自分でアプリを作る

気に入ったアプリがないのであれば、作ってしまおうという方法。
この記事で本当に伝えたかったのがここからだが、ここに至るまでに既に約3000文字を費やしていた。
{自分のアプリだけを宣伝しないことで、記事広告のような効果を狙えるので、それはヨシ!しかし、よくよく考えたら記事広告で重要なのはそのメディアや書き手の信用力だったので、自分が書いた記事にその効果はナシ!}
と、これから自分のアプリを宣伝することの照れ隠しとして、お茶目に心の声っぽいことを書き込んでみる。

さて、ようやく本題である。
私temma.uesugiは、テラフォーミングマーズをプレイする際に、ストレスの原因になるプレイヤーボード問題を解決するべく、アプリを作りました。
アプリ名を『TerraformingMarsP‪B』(PB = PlayerBoardの略です)。下記URLからDLするか、アプリ名で検索してください。(googleだと関連ワードでの検索ができない泣&怒)
Androidはこちら
iOSはこちら

{よりDL数・利用者数を増やしたいので(←切なる心の声)}当アプリの特徴をリストアップし、解説していこう。

・同一ネットワーク内、同一アプリ使用時なら、他プレイヤーの入力内容が共有され、自分のスマホで他プレイヤーの情報が確認可能。
・パラメータの変更は必ずダイアログを経由して行われる。
・グローバルパラメータの情報も管理
・Android / iOS 両方に対応
・手厚い日本語でのサポートと、継続的な機能改善(予定)

一つずつ見ていく。

■ 自分のスマホで他プレイヤーの情報が確認可能
前項で既存アプリに対して大いにダメ出ししていたところ。当アプリでは当然、実装。個人的にはこれが一番重要なポイントだと思う。
プレイヤー全員が同じアプリを使い、全員が同じネットワーク上(同じwifiに接続)で使用するということを前提としている。
同じネットワーク上に限定しているのは、そうすることでサーバを用意する必要がなくなる(運用費用が0になる)という、実装・運用上の都合である。ネットワークゲームと違い、同じ場所でやることがほとんどのボードゲームなら、同一ネットワーク上という縛りもそんなに問題ないと思い、割り切った。

パラメータの画像

画面としてはこんな感じで、自分のステータスと、自分以外のプレイヤーのパラメータが確認できる。自分以外のプレイヤーが2人以上いる場合は、タブで切り替えできる。
自分以外のプレイヤーがパラメータを更新した場合、自分の画面にも即座に反映される仕組みとなっている。

■ ステータス変更はダイアログ経由
これも他アプリの微妙なところだと指摘していたところ。

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特にカードプレイ時は、まずコストで減らす分を入力、コストとは別に結果を入力、と分けて入力する方法を取っている。他アプリよりも、確実にわかりやすくなっていると思う。
チタンや建材を混ぜたコストの支払いもわかりやすく、M€との換金比率も変更可能な作りにしてある。

ダイアログの呼び出しは、画面中央に並んでいる各種ボタンから可能。

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(通常版の)基本的なアクションや標準プロジェクト毎に、ボタンとダイアログを用意している。
例えば、「8植物を緑地タイル」というボタンなら下図の左のようなダイアログ、「18M€で海洋配置」というボタンなら下図の右のようなダイアログが開く。

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基本的な値はデフォルトで入っており、ボーナスで何かを得た場合は、それらも入力できるようになっている。選んだ企業やアクションによっては、コスト(上の例で言えば植物の-8)が変わる場合があるので、調整できるようにもなっている。

ダイアログ表示中(パラメータを変更する時)に、自分や他プレイヤーのステータスを確認したい場合も、開閉できるようにしてある。(下図参照)

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■ グローバルパラメータも管理
酸素濃度、海洋数、気温、世代の値もアプリで管理している。
ここはアプリで管理ではなく、リアルなボードの方の管理でも良かったかな、と今では思っている。プレイヤー全員が必ずしも同じアプリを使わない可能性、同じネットワーク上にでのステータス共有ができない可能性、を考えた場合は特に。
グローバルパラメータでのボーナス取得告知は、最低限あるべきだと思う(2021年3月時点で未実装)

■ Android / iOS 両方に対応
プレイヤー全員が同じアプリを使う、という想定をしていたので、両OS対応は当然となる。

■ 日本語OK、機能追加の更新もしてくつもり
テラフォーミングマーズのプレイヤーボードアプリは、当アプリを除いては全て外国産である(2021年2月末時点)。使い方がわからないや、バグ報告や、こんな機能が欲しい、とかがあれば是非twitter等でご連絡いただければ、なるべく対応しようと思っている。
また、後述するが、継続的な機能追加も考えている。

アプリの使い方

ダイアログ経由で行う、パラメータ変更はなんとなく使えると思います(いわゆる直感的なUIってやつです)。
世代を進める場合は、ホストプレイヤーの画面にだけ表示されている「世代を進める」ボタンをタップします。プレイヤーそれぞれの端末で、自分が世代交代時に得たリソースをダイアログで確認できます。皆がその確認を終えると、次の世代としてアプリ操作が可能になります。

初見で解りづらそうな、プレイヤー同士でパラメータを共有するやり方の部分だけ図で解説します。

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アプリの今後

利用者が増えたら、という前提はあるが、下記の機能段階的に追加はしようと思っている。

1. ログ表示
2. カードプレイ時のタグ管理
3. 緑地数や都市数の管理
4. 終了時のスコア計算がしやすくなる何か
5. グローバルパラメータのボーナス

その他にも、何か要望があれば、なるべく対応しようとは思っている。
利用者にとってはデメリットになるが、1と2の実装時に、広告表示も入れさせてもらうつもりだ。ただ、それも、プレイの妨げになるような表示はしないつもりではいる。

ここまで読んでくださった方は、おそらく、テラフォーミングマーズが好きで、さらに快適にプレイするためにアプリ活用を考えている方だと思われる。
作ったアプリが世紀の大発明だとは思わないが、類似のアプリをいくつか試し、自分で実際に使ってみて改修を重ね、というものなので、それなりに自信を持ってお勧めできるものとなっている。

DLする際は、『TerraformingMarsP‪B』で検索するか、下記リンクからアプリページに飛んでいください。
Androidはこちら
iOSはこちら

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