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着物のお洗濯、帯を洗う

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#和から洋へ変化した服装

和から洋へ変化した服装


戦中から戦後にかけて日本人の普段着の服装が和から洋へと急激に変化しました。
戦中は動きにくいという理由で女性の服装が着物からモンペへ変化しました。
母は昭和10年生まれだったので、戦中派になるのかどうなのか?という世代ですが、みんな着物を切ってモンペに直したと言っていました。
年齢を考えれば母は7人兄弟姉妹の末っ子でしたので姉さんたちがいろいろしていたのを見ていたのだと思います。


母方祖母はずっと着物を着ていました。
しかし同居ではなかったのであまり詳しい事はわかりません。


父方祖母ですが生まれは大正元年でした。
私が知っている祖母は洋服姿でした。
祖母が言うには着物だと着物だけでなく帯して帯締め帯揚げして羽織着てで着物だけでは済まないから洋装にしたのだと言っていました。


私が小学校へ上がるころ(昭和47年ごろ)、着物の方もいらっしゃいましたが多くの方が洋装でした。
洗濯機がようやく普及してきた頃です。
実際に着物生活をしようと思って準備していくと、祖母の言い分もわかります。
私が感じるのは着物だとお洗濯が大変というイメージがあります。


なんだかんだ言っても着物と帯は丈が長いですから、いくら洗濯機にお任せでも干すのもちょっと大変だと言うのは感じます。
しかし帯を締めた時のお腹周りの暖かさは非常に魅力的です。


着物生活を始めたいと思った時、最初に出て来た心配がお洗濯どうしようでした。
まず丈の長い物を干すために干す場所の確保が必要でした。
これは室内干し決定でしたので、丈のある衣類ハンガーを用意する事で解決しました。
本来洋服等をかけておくものですが、外に出さずに濡れたと言っても濡れた物はハンガーにかけて干すから直接は濡れないので大丈夫だろうと思った結果です。


着物は着たいイメージがしっかりあったのですが、帯に関しては特にイメージが無かったのです。
その為とりあえずヤフオクで5本まとめ組という物を2点ほど購入しました。
毎日着るのが前提なので、正絹ではなく洗えると表記されている物を選びました。


昔洗える着物が初めて出てきた頃、帯は緩むから正絹が良いとお茶の先生に言われました。
しかし和裁の学校へ行き、そこで教材として用意された帯は化繊の物でした。
生地の材質はコートにしても良さそうな手触りの物で、帯としては薄手の物でした。
それに帯芯を入れて半幅帯に仕立てたのです。


着付けの授業の時、先生がおっしゃっていたのは半幅帯だったら浴衣などにも着れますし、年齢を重ねた時に貝ノ口(帯結びの一種)などにも結ぶ事ができます。
また袴下などにも使いますからとりあえず1本用意するのであれば半幅帯が良いと言われたのです。
そして気に入った洋服生地などでまっすぐ縫い芯を入れれば簡単に帯が作れると教えてくれました。


自分で仕立てられるとお洗濯の心配などが無いので非常に気楽です。
生地の質などもわかっているから問題が起きたら直せるというのも気楽な理由の1つです。


そして今回ヤフオクで購入した帯の中で汚れがひどい物が1本、洗いたい物がもう1本ありました。
正直洗えるとして購入していますが、少し不安でした。
汚れがいつの物でどの程度経過しているか不明なので綺麗になるだろうか?と言う不安もありました。
そして生地を2枚合わせて1本の帯になっているので、2枚の生地が別々の縮み方をしたらどうしようと言う不安もありました。
その時はその時でほどいて縫いなおせばいいやという楽観的な部分もありました。


気に入って入手した帯ですから出来る事ならば気分よく着たいです。
少しドキドキしながらお洗濯をしました。


自分でお洗濯するときはある意味賭けになる時もあります。
失敗したらあきらめようぐらいの気持ちも必要です。
家庭でお洗濯するのに避けたほうが良いタイプの帯もあります。
織り糸に金銀などラメが使われている物や金銀の箔がついた物は上手に出来ないことが多いです。
失敗したくなければ専門の業者さんにお手入れを依頼したほうが良いです。


絹だからお洗濯できないのではなく、金銀が使われた物は特に避けたい物になります。
リサイクルの絹だったら洗うのかと言いますと、織模様等で糸の縮みが変わる心配があるからどうなのか?と言う問題になります。
つまり失敗してもその時はその時と覚悟が決められれば、何とかなるかもしれません。
もし上手に行かない時に泣くのでしたら、専門業者さんにお手入れを依頼する事をお勧めします。


実際に帯を洗ってみる。1本目


布は水を吸って縮み、温度変化で縮みます。
よくぬるま湯で洗うと言いますが、ぬるま湯のほうが汚れ落ちが良いからと聞きます。
しかし温度変化が大きいと縮むトラブルもリスクが高くなります。
その為私は水で洗う事にしました。


漂白剤や蛍光剤が入った洗剤は色の変化を起こす危険があるので避けます。
お洒落着洗いの洗剤が一般的にはお勧めされています。
しかし私が使っている洗剤は普通の液体せっけんなのでそれを使いました。


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とりあえずたらいに少量の水をはり帯を着けてみます。
この時点で染料が溶け出したり、色移りがあるとどうするか考えなければいけません。
仮に染料が溶け出しても、その色の部分が変化が無く他の色の部分に移らなければ心配はないです。


私が洗う帯は問題が無かったのでしっかり水をはり、洗剤を溶かします。
洗剤に浸したらそのまま20分ほど放置します。
もし特別汚れが酷い部分があれば部分洗いをしますが、それは無いので全体を洗います。


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随分水が黄色?茶色?っぽくなり汚れが浮いてきました。
一度脱水します。
水を変えて押し洗いをしてすすぎます。
脱水にかけ、もう1度すすぎ脱水して部屋干ししました。


脱水機にかけるとしわになるので嫌う人も居ますが、水気をどう抜くかと言う問題になってきます。
ぶら下げて水を抜き、バスタオル等で吸い取ると言う方法もあります。
私は短時間脱水機にかけるのが楽で良いと思っています。


半乾きの時にアイロンで仕上げると楽なのですが、私はほぼ乾いた翌日にアイロンをかけました。


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新モスを当て布にして、スチームアイロンで仕上げました。
アイロンをじかにあてるといろいろなトラブルの危険があるので、これは避けたほうが良いです。
スチームアイロンにする事でしわなどが伸びやすくなり仕上げやすくなります。

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当て布を濡れた布で行うと言う方法もあるのですが、トラブルが起きる危険もあるので使うかどうかはかなり微妙です。
縫い代の部分が表に響くことをあたりが出ると言いますが、こういう状態になる危険があるのです。
私が最初に行った学校では湿らした布を当て布として使うことが多かったです。
新モスや晒を水で濡らして脱水機にかけてしっかり絞った状態で使っていました。


2本目の帯も洗ってみる


こちらの帯も何となく薄汚れていますので洗ってみます。


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まず水につけてみて、問題は無いので洗剤を入れます。


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何となく水の色が変わった気がしますがこのまま20分放置します。


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少し水の色が黄色くなりました。
軽く押し洗いして一度脱水します。


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一度水につけて押し洗いしすすぎをします。
脱水をします。


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もう1度水につけて押し洗いします。
石鹸分が抜けた感じになったので脱水して干します。


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1日部屋干しし、ちょっとヨレヨレ感があります。
スチームアイロンをかけて仕上げます。


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アイロンをかけ終わりました。
生乾きだと仕上げが楽なのですが、この位に仕上がれば良いのではと思います。


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アイロンが終わった後半日程度ぶら下げて熱を飛ばした後に収納します。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

読んでいただきありがとうございます。 アトリエを無事引っ越すことが出来ましたが、什器等まだまだ必要です。 その為の諸費用にあてさせていただきます。