見たことがないスポーツ/スイカビーチバレー&スイカリレー#毎週ショートショートnote

夏の風物詩、スイカビーチバレーがまもなく始まろうとしていた。
選手は、準備運動をして、その時を待っている。海水浴場には、たくさんの家族連れ、カップル、男同士のグループなど様々な人がいる。

そんな中で行われるビキニ姿の女性3対3で行われるスイカビーチバレーを楽しみに待つ人は、数多くいた。

「何？スイカが来てない？」
審判は、スイカ係りの原の電話で焦る。
「一体、どうなっているんだ。農家とは、話が着いている筈だ」
「すいません。確認してきます」と原。
そのとき、農家のじいさまが軽トラでやって来た。
トラックの荷台は、スイカでいっぱいだ。
「ほれ、バケツリレーでスイカ行くぞ」
そこ此処にいた人でスイカのバケツリレーが始まった。「ほい」「ほれ」じいさまはご機嫌だ。
さて、バケツリレーで砂の上に置かれたスイカには、割れてしまったスイカが数多く出た。
「なんだべ、まだ持ってくっから待ってろ」
そう言うと、じいさまは軽トラを飛ばして行ってしまった。
スイカビーチバレーは、行われるのか。誰にも分からず、スイカだけが食べられて減っていく。

海水で洗うと旨いのだ。

「お題」見たことがないスポーツ