ENTPとINTPの違いを考える
僕はINTPに近いので、どちらも共感できて、同じNTP族の人間が向いている方向が違うだけ、っていう感覚を持っている。そんな似ている2タイプだが、内向と外向によってどんなふうに違ってくるのかを考えてみた。
なお、多用しているNe-Ti宇宙という言葉は、下の記事を参照してもらえれば。
ENTPは情報中毒者、INTPは思考中毒者
ENTPはあらゆる情報に対してオープンである。
いや、オープンというのは控えめで、端的に言って情報中毒者だ。所謂「好奇心旺盛」ではあるのだが、他のタイプの言う好奇心旺盛とは次元が違う。新しいものがあると、楽しいな、じゃなく新しいものがなければ死んでしまうのだ。
そのため、ENTPは役に立つとか美しいとか関係なしに、全ての情報を丸呑みする。薬でも毒でも関係なく大量に。間違った情報は、摂取した後に脳内の直感フィルターが違和感を持って忘却してくれるだろう、という変な自信がある。
それ故にENTPは深い思考は後回しにし、情報収集（探検、人との会話、ネットサーフィン等）に意識リソースを割く事を好む。そして思考をする時にも、意識の端っこは外界に接続されているのが自然なので、少しうるさい環境を好む。
一方のINTPは、情報をむやみやたらに集めることは好まない。質の良い正しい情報を脳に入れて、正確な思考を積み上げていくことを重視している。
そのため、INTPも好奇心はある方なのだが、既存のNe-Ti宇宙のどこかに接続し拡張できるような、つまり知識欲の琴線に触れるものに関心を示す。情報中毒の様相は示さない。
INTPは、意識のリソースを情報収集よりもまず思考に割く。情報の成否を理論やデータで見極め、新たな数式を導き出すために彼らの頭はフル回転している。
意識を完全に脳内に没入させたいので、静かで誰にも邪魔されない環境を好む。たった一人で引きこもってポアンカレ予想を証明したグレゴリー・ペレルマンは、きっとINTPだろう。
ENTPは直感で決める、INTPは直観で決める
ENTPはNe-Tiの中でもNeが優位であるため、無意識の直感にかなり強い信頼を置いている。物事を考えると、「何となく確からしいぞ」「何か変だぞ」という直感がわいてくるのだが、それらを深く考えて検証せずに、即座に結論に採用しがちだ。
これは、ENTPは情報中毒者なため、一つ一つの決断のスピードを速くしたいためだ。直感で高速でタスクを処理してしまえば、考える時間を省き、次の情報収集をする時間を捻出する事ができるだろう。ENTPはコスパとタイパにうるさいのだ。
この性質のため、経験を積んで直感の精度が高まるほど、仕事のタイムパフォーマンスが爆発的に向上していく性質を持つ。また、直感に近い結論が出やすい社会学系の研究が得意だ。一方で、細かいミスはいつまでも減らないし、直感に反する事実を解明するような仕事はいつまでも苦手だ。
INTPはNe-Tiの中でTiが優位なため、論理的な正しさを重視する。「確からしい」という感覚はコンパスとして活用するのだが、それだけではなく、ちゃんと客観的なデータを使って、進むべき方向や距離を正しく計測する。
このように情報を究めたうえで、自分の中で直観と言えるレベルまで高めてから決断を行う。
ENTPに比べて、ビジネスマンとしてはミスは少ないがアウトプット全体でのパフォーマンスは劣るだろう。一方、正確性が求められる仕事や、直感では予測できない事実が出てくる理系研究職においては、勘で予断しがちなENTPよりも高い適性があるだろう。
ENTPは語りながら考える、INTPは考えてから語る
ENTPは語りながら考える。ENTPの意見は意識メモリを使わないでNe-Ti宇宙の深層で引っ張り出されてくるため、意識メモリは会話に使いながら、同時に意見を構築する事ができる。
あわせて、そもそもENTPのFeの評判を気にする性質上、何かを聞かれたときに黙って考え込みたくない。ENTPは、頭の回転が速くて面白い、という自己ブランディングをしているので、その評判が落ちることを嫌がる。沈黙の時間を作ることで、相手に頭の回転が悪い人間・つまらない等と感じられる事が怖いのだ。
意見を聞かれたら、「それに対する課題は三つあってえ~」、って前置きをしながら時間を稼ぎつつ意見を一つ考えて、一つ目を語りながら二つ目を考えて、「三つめはちょっと忘れちゃったから思い出したら言うわ」ってな感じで話す。多分この芸当はENTP特有だと思う。
ENTPは思いついたことをそのまま口に出し、時に成功するが、時に地雷を踏んで失敗するのだ。
INTPもNe-Ti宇宙を持つためアイデア閃き機能は持っているのだが、性質上正しさを重視するので、閃きだけで検証されていない意見を口に出すことはしない。意識メモリは喋り始めるより先に、一旦アイデアの分析に使われる。故に、語りながら考えることはしない。
一方で、普段から考えていることを語らされた場合は饒舌である。事前に自分の中で正しさを証明済みの事なので。好きなことをしゃべる時のＩＮＴＰは、ＥＮＴＰよりはるかに深く熱く正確な論を展開できるだろう。
普段話を振られても寡黙なのに、自分の関心ごとに移ると人が変わる！という、この「社会的には悪いと言われるギャップ」が、ＩＮＴＰがオタクだと言われる所以だろう。
ENTPは承認欲が知識欲に勝る、INTPは純粋な知識欲で動く
ENTPはFeの目的意識を持っているため、自分の評判を高める事を重視する。幅広く人に好かれることを求める。そのため、できるだけ人脈を広げようと努力する。ENTPはNe-Ti宇宙を上手に使えれば、面白がって人に愛され重宝されることを学習しているので、自分のアイデアを社会的成功や人に楽しまれるために用いる。
それ故に、ENTPの行動原理は純粋な自分の興味ではなく、他者の関心が大いに混じってくる。他人が興味を持っていることに自分が数段詳しく、ドヤ顔できることに特に価値を感じるのだ。
トーマス・エジソンなんかが典型だろう。人にわっ！と言われることに好んで挑み、評判を気にする。一方で個別の発明の詰めは甘かったりする。
一方のINTPは、Ne-Ti宇宙を純粋に自分の興味関心のために運用している。他者からの評価や、どう思われるかもほとんど気にしない。偏執的に見えるものの、その知識大系は本物で、嘘や誇張がなく学ぶに値するだろう。
藤井聡太がこれにあたる。評判とか気にせずただただ将棋の世界に正面から向かう純粋さは、ENTPに真似できない。
ENTPは襲い受け、INTPは襲われ攻め
ENTPは人に積極的に絡みに行くのは大好きだ。尻尾を振りながら会話を促しに行く。
ただ、そのイメージとは裏腹に、会話においてENTPは受動的である。ENTPの会話は基本的に、相手が言ったことに対して自分の意見やアイデアを返すことでより深くテーマを詰めていく、というのが基本コードであって、「自分が何何を語りたい！」という衝動は二の次である。確かに会話では良く喋るのだが、それは話を上手に捌いてより深い意見を引き出すためのテクニックである。意外なことに、ENTPとの会話の主導権は常に相手にある。
これも、情報中毒なことが理由だ。ENTPにとっての会話は情報収集なので、相手の意見を聞くことが第一目的である。もらった新しい情報が、自分の脳内でどんな反応をするかを最も重視し、それを会話にしている。
故に、「最近あった面白い話して」っていきなり振られると意外にも困るのが、ENTPなのだ。レシーブやカウンターのプロだが、サーブは苦手である。
一方、INTPの方が自分が語りたいことが多いだろう。ただ、世の中で多いSF型な会話の場にはINTPは興味がなく、普段から考察していたことは特にないため、参加する気は全く生じない。だから、一般的にINTPが饒舌な印象はあまりないだろう。
そして、INTPは一人でいることを好む。自分の考えを人に話さずとも、自分で考えていればそれで十分なので、わざわざ会話を仕掛けにいく必要性が薄いのだ。
ただし、自分が話すための場が用意されれば話は別だろう。INTPの中には、面白い説やアイデアが大量に詰まっており、それを共有することはやぶさかではないのだ。会話の衝動は内なる泉から湧き上がり続け、一人で延々と語り続けられるだろう。ツイストサーブを連発してコールドゲームで勝利する（？）のがINTPだ。
ENTPの恋愛は宝探し、INTPの恋愛は仲間探し
ENTPはNe好奇心に基づき、トライアンドエラーを経て、評判を気にしてパートナーを決定するだろう。まずは幅広く探す、行動ありき、最終的には市場価値の高い相手を求める、というのが宝探しのような感じがする。
人の評判を重視する性質上、プライドが高く、恋愛市場価値を重視する。自分の恋愛の腕を高め、より価値の高い相手と交際しようと考えている。
そのためデフォルトの状態では、「深く時間をかけて関係を構築していく」とか、「相性を見極めて最適な相手と交際する」、というような発想がない。質より量である。
対してINTPの恋愛がどういう性質かと言われると、話のわかる仲間を探しているようなイメージではないだろうか。ENTPと比べて広い人間関係を持つことを好まず、一途で、一人に期待し、より深く掘り下げるだろう。
仲間と言っても、ISTPのような趣味の合う人と意気投合するようなイメージではなく、何となく人生観とか、恋愛観みたいな観念を共有できる相手を探しているような気がする。純粋な共感と、話し相手を求めているように思える。ENTPのようなトロフィーワイフ的な考えは薄いだろう。
僕の中でのINTP像が入ってるのでなにかずれてたらすみません。
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