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穏やかで懐かしい空気を感じる伊丹という街は、初めての刊行イベントをした場所として、
私の記憶にずっとずっと残り続けると思う。


その日、イベント会場行きの電車で、高鳴る心音を黙らせるために、自分の本を読んでいた。読んでいるうちに思うことは1つだった。この本は自分の力でのみ作れたものではない、と。

オンラインで販売した本の感想をいただくようになった。褒められると、嬉しい感想が来ると、鼻がピノキオになってしまう人間臭い私は、この本に立ち返るたびに、鼻をへし折られるような良き循環が生まれている。浮かぶのだ、これまで関わってくれたみんなの顔、彼らがいなかったら決して同じ本は生まれていない。


そんな大切な本を自分の声で届けられる、初めての機会が4/9、春を想う本にとってベストタイミングになった。

4月の休日に、あの場を選んできてくれた皆さんの存在、あの場所を貸してくれた店主さんの存在、数ヶ月前にイベントやろうといってくれた友人の存在、それから今週1日しかない休みを撮影のためにきてくれた彼。

彼には本の校正も、イベントの撮影も、あらゆるところで助けてもらった。表には出てこなかった文章の過程を、丁寧に綴ってくれているので、こちらで紹介します⇩

いろんな人に思いを馳せるたびに、
冷静になってしまう。
突然北の街を飛び出してきた私が、
今、西の街で大切な人たちと共にいる。

なんだろうな、嬉しいのだけど、そうなんだけど、今日が人生で1番幸せな日になってしまわないか、怖くて震えてしまう。

イベント中、何度も出てきた言葉、「流れる」私は店主さんがいう、「流れると、流されるって違うと思うんです」という話が大好きで、隣で堪えきれずにニヤニヤしてしまった。

・流されるは、誰かの言葉を中心にしていること

・流れるは、あくまでも自分の言葉を中心に、その他は他の要素を入れながらしなやかに在ること

と捉えていて、
私は、流れていたいと思っている。

最近、1998年に生を受けることができて、本当によかった、と考えるようになった。

大切な人たちとともに、ご飯を食べることができる、同い年だと知った方とそれだけで目と目を合わせて話すことができる、あの人が生きている空気をまた別の場所で私は吸うことができる

その年に生まれたから今の関わりがあることは間違いないし、終わりある人生で交わることは途方もない確率だってこと私でもわかる。

一生のうち、目と目を合わせて話すことができる時間はそんなに長くないことも知っているから。

そしてこれからも、生き続けていく先に、紡がれていく未来。
とっても楽しみに思ってしまう、幸せになっている未来を想像してしまう。

風になりたいと想うたびに、
素敵な人たちと出会うたびに、
欲深くなってしまう、
幸せになってもいいのだ、幸せになりたい、と。

まだ始まったばかりだね
ピノキオになってしまう自分の鼻をポキポキして
さあ、ここからスタート〜

ありがとうございました。