見出し画像

作ることで、自分だけの惑星を育てる/水晶体に映る記憶

子供の頃、日々息がしにくい理由を「私は地球人じゃないから」と捉えていたことがある。

小さい頃ほど息がしやすかった。通っていた幼稚園は、子供が自由に過ごすことが方針で、好き勝手させてくれた。私はもっぱら「虹の部屋」という工作室にこもって、ひたすら箱のラッピングをしたり、天気の良い日にはひたすら泥団子作りをした。1人で遊ぶことが多かったが「みんなで遊びなさい」なんて怒られた記憶がないのだから、当時の先生も私の特性を理解して、いろいろ気遣っていたのだと今は思う。

大好きだった幼稚園を離れることが、「異世界への引越し」だったのではないかと感じたのは、小学生からだった。
小学校は、違和感の連続だった。洗礼を受けたなと記憶にあるのは、1年生の時。昼休みの時に6年生がお迎えにきて一緒に遊ぶみたいな文化があった。私は見ず知らずの人から、ニコニコしながら、名前を呼ばれることが意味がわからず、怯えていた記憶がある。周りの友人たちは、簡単に6年生と仲良くなって、手を繋いで遊んでいることが不思議でならなかった。みんなが普通にできることが、できない。初めて他者と自分を比べて、悲しくなった体験だった。

ここから先は

756字
このマガジンだけの共有にしたいと思った、大切な記憶をお届けします。

今日しか感じ取れないかもしれない有限な感性で、日々の感情や記憶の形を残していきます。自分の感性を守っていきたい、思い出していきたい方におす…

この記事が参加している募集

いつもサポートしてくださり、ありがとうございます。書く、を続けていける1つの理由です。