見出し画像

アイドルは恋愛してはいけない

推してるアイドルグループJuice=Juiceのメンバーである高木紗友希さんが、バズり歌手と付き合っていたのが原因でグループを脱退しました。
パフォーマンスがとても好きなメンバーだったし、ここ数年の成長を感じてたので、とてもとても残念です。

http://www.helloproject.com/news/12828/

今回のことで、ツイッターは思っていたより大騒ぎになって、色んな意見を見たけど、結局、「アイドル」は恋愛をしたら、基本的には商売は畳まないといけないなということを再確認しました。
理由はシンプルで、恋愛とビジネスが両立しないから。

唐突に個人的な話をすると、自分はアイドルは好きで、ライブには行きたいタイプだけど、あまり接触(握手会とかチェキ会とか)は好まないタイプのアイドルヲタです。
好まないというのは正確ではなくて、「好まないようにした」のですが、そうしようとしたキッカケは、昔、某KPOP男性アイドルの接触にハマりそうになったこと。そして、ハマったらそれに全て持っていかれそうになるなと思ったことです。

ある時、ヲタ友の女子達に誘われて、男が全くいないアイドルのリリースイベント(新曲リリースの際に行うCD販促用のイベント。新曲のパフォーマンスを披露し、その場でCDを購入することで、握手できたりする)に行くことになり、その場で「爆レス」をもらうことになります。
滅多にいない男のファンにメンバーは湧き、ステージ脇という良い位置につけていたのも相まって、レスの嵐。いわゆる自分の推しメンバーにも手を振ってもらいました。悪い気がするわけがありません。
興奮した気持ちが冷めやらぬまま、パフォーマンスが終わったあと、一枚だけCDを買って、メンバー全員と一瞬ずつ握手をしました。メンバーの反応も上々で、気持ちよくイベントを終えました。

その後、同じメンツで同じアイドルのリリースイベントやライブに行ったが、それ以降は握手に参加することはなく、パフォーマンスを見るだけになりました。
それは、一緒に行ってたメンツの接触への没入具合を見て、「もし、自分が同じくらい接触にハマったら、身を滅ぼしかねない」と思ったから。
一緒に行ってた女の子たちは、推しから認知をもらい、レスをもらうことに対して全力で、学生なりに時間もお金も気持ちもオールインで臨んでいました。
目立つために、お高めのロリータっぽいファッションに身を包み、毎週末行われるリリースイベントには少し遠方だろうが毎回朝早くから並んで参加し、そこで何枚もCDを積んで握手をし、その度に覚えてもらうために話の内容を一生懸命に考え、終わった後は飯を食いながら推しが同じ他の女の悪口を言う。
おそらく、当時高校生や大学生だった彼女たちの、アイドル以外に使うリソースはかなり少なかったんじゃないかと思うくらい、ありきたりな言い方だけど、アイドルに全てを捧げていたように見えました。
特に、気持ちの面で、かなり支配されているように見えて、握手での反応で一喜一憂し、時には涙を流し、他のファンへの反応にまた、一喜一憂する。擬似恋愛どころか、本当に恋をしていたように見えました。
そんな姿を俯瞰しながら、同時に自分自身にもその片鱗があることを感じていました。
当時、まだゲイとして生きていなかった自分は、周りにいるノンケの友達に淡い恋心を抱いてはその挙動に一喜一憂し、ひっそりと泣くこともありました。それは「とうてい叶わない恋」という面ではアイドルへの恋とほぼ同じだなと感じました。
気持ちも時間もお金も全て捧げている側からしたら、私はあなたを一番思っているのだから、あなたも私を一番に、という気持ちが起こってきてしまう。頭では、これは相互に思い合う恋愛として成立しないと思っていても、歯止めが利かなくなる。そういう思いをするのは自分の精神衛生上、絶対に良くないし心を壊してしまうと思って、のめり込まないように適度な距離を置こうと考えた結果、接触は避けるヲタクになりました。

思いとどまるヲタクがいる一方で、どうしても推しの持つ力に負けてしまい、恋をしてしまうヲタクもおそらくかなりの数います。
今回の件についても、熱愛が発覚した段階ではTwitterや掲示板では、祝福するような声も多く見られた。高木さんを推している人たちはいわゆる「ガチ恋」は少なかったのかもしれません。
ただ、彼女にそういう魅力がなかったわけでは全くなく、一度だけしたことがある握手の時、推しのメンバーの次に印象に残っているのは彼女で、「思ったより小さくて可愛らしい」というパフォーマンスをしている時の「力強い、頼れる」印象とは真逆の印象を受けました。これは落ちる人は簡単に落ちる天性のアイドルだなと感じました。
そういうヲタクはおそらく時間もお金も、気持ちもかなり懸けて、彼女を推してきていると思うし、彼女の一番が他に明確に存在するとなったら離れてしまう人も多かっただろうなと思います。
また、他のメンバーにも示しがつかず、恋愛するメンバーが増えてしまうと、少なくとも今の形態のアイドルとしては成立しなくなるくらいには、アイドルは依然として擬似恋愛ビジネスだと考えてます。

結局、結論としては、アイドルは擬似恋愛体験を売っている、それで稼いでいるビジネスなんだから恋愛は望ましくないというありがちな話に落ち着いてしまっています。
一方で、パフォーマンスをしながら成長していく姿を見てワクワクしたい、1人のヲタクとしては、恋愛も成長の糧にしてくれたらいいし、全力でパフォーマンスに向き合ってくれたら、そういう姿を見せてくれたら大満足。恋愛禁止なんて旧時代的なもので推したちを縛るのは心苦しいという気持ちもあって、ビジネスとのバランスは本当に難しいなというもどかしさがありつつ、そこを両立していくアイドルが時代を変えるのかなと漠然と考えています。
その辺りの現状に対する考えは改めて書くとして、男性アイドルは、ある程度両立できているように見えているのは、市場の特殊性によるものかなと思っていて、女性アイドルは大手含め、まだまだ厳しい状況かなと考えています。男性アイドルは、J事務所がかなりシェアを占めてる状況で、メンバーの恋愛、結婚によりファンが競合に奪われにくい、もしくは自事務所内での囲い込みが出来ているからある程度両立ができているのかなという仮説を持っています。

最後に、Juice=Juiceが『武道館』というドラマ内で演じていたグループ、Next youとして歌っている『大人の事情』の歌詞を引用して、長文自分語り記事を締めようと思います。(是非検索して彼女たちのパフォーマンスを見てください)

大人の事情で私の自由を奪い去って行かないで そばにいたいだけ

大人の手腕でお互いが気持ちよく推し推される状況って作れないかなぁ…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?