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ステラのまほうが、大好きです

初めに


この度は、ステラのまほう十巻発売、そして完結おめでとうございます。
この作品の結末を見届けられることができてとてもうれしく思っております。くろば・U先生は、長期間の連載でありながら毎月きららMAXに休むことなく掲載し、さらに同人誌の執筆やゲーム制作なども同時進行しておられ、本当に一人なのか?と疑うほどの活力で活動されておられました。すたーちぇいさー、すたーしゅーたー、すたーらいなー、どれも遊んでおります。とても素晴らしいゲームだと思います。(らいなーは全部のステージをまだクリアできていませんが…….)ステラのまほうはくろば・U先生の多大な熱量によって素晴らしいコンテンツであり続けたと思います。本当に長い間ありがとうございました。

以下、この作品への自分の思いを長く長く語らさせていただきます。その前にこの作品を知った経緯から話させていただきます。長い自語りなので読み飛ばしていただいても構いません。

ステラのまほうに出会う前のオタク


ステラのまほうを知ったのは、五年前、中学一年生の頃でした。小学校高学年の頃に深夜枠アニメを知り、オタクとして人生の道のりをまさに踏みだしていまして、放送しているアニメを家のテレビで見れる局のもののみおおよそ視聴しようとしてましたが、なにせレコーダーもなかったので深夜3時とかのものは全部ではなくとも好きなものがあれば根性で起きて……という感じでアニメを見ていました。一人でオタク街道を行脚する日々を過ごしましたが、心のどこかでは刹那的な過ごし方はしたくないという思いがあり、何かこの日々を形に残したいとも思っていました。中学生になって行動範囲が増えていく中で音ゲーや同人誌など新たなる世界を知り、どんどんオタクとして肥えていったそのころに、2016年10月、アニメ「ステラのまほう」と出会います。

ステラのまほうに出会ってからのオタク


ちょうど前シーズンにNEWGAME!が放送されており、かなり好きだったために「同じきらら系列でゲーム制作、アツい」というのが放送前の印象でした。(余談ですがNEWGAME!も遂に完結されましたね…….)両作品ともたくさんの魅力があるのですが、作品内で描かれた創作に対して真摯に向き合うキャラクターの姿が、当時の僕にはとても印象的でした。そして、その姿を尊敬していました。僕もそのような人間になりたいと憧れを抱き、僕は創作に向き合う人間が大好きになりました。こうしてステラのまほうのコミックスを買うに至ったのですが、くろば・U先生と僕の敬愛するAnさん(同人でCDを出していらっしゃり音ゲーにも曲を収録しておられるコンポーザーの方です)が面識を持っておられることを漫画のスペシャルサンクスの欄で知り、「これはもう、天命である」と悟りより一層沼にハマっていきました。(Anさんの作品も大好きですが語ると長くなりますゆえ割愛します)お二方の作品は今の自分の人格を形成した、血肉骨身であるといっても過言ではありません。そうして僕はたくさんの素晴らしいクリエイターの方々に影響を受けて、フリーソフトで音を鳴らすことから、MIDIキーボードやDAWソフトを買い、DTMをしていくようになりました。大きく作品というくくりではまだ世に出したものはありませんが、友人とともに曲をつくってみたり耳コピをしてみたりとこまごまとDTMを楽しんでました。

諸注意


ずいぶん長くなってしまいました。本筋の話をしましょう。
・以下キャラの名称がぶれますがお許しください(意図的です)
・解釈違い大歓迎です(純粋に僕の読みこみ不足、特に10巻はまだ足りてないのでそれらによる間違いがあったらすみません)
・一応ですがステラのまほう10巻のネタバレを含みます

ステラのまほうを好きな理由の根幹


僕がステラのまほうを好きな理由は、初めには先ほど書いたキャラクターに対しての尊敬があります。主にはSingnaさん、ふよんちゃんに対するものが大きく占めると思います。今の自分の根幹を成すものであり、また理由を言葉にするのが難しいのですが、創作する人であれば無条件でその人に好意を抱き受け入れるみたいな性質で、はーちゃんとまつりちゃんの中間みたいなオタクなのですね。ただ厄介な点がありまして、創作自体に干渉しようとするのがはばかられてしまうのです。それがステラのまほうという作品自体にまで及んでおり、原作至上主義ではありませんが原本に書いてあること以上を膨らませることをあまりしてこなかったんですね。それでもいちステラのまほうファンとして思いを語らせていただきます。

ステラのまほうの大好きで引き込まれる所


僕は10巻を読む以前に、(将来たまちゃんたちはどうなるんだろう…….)と少し考えたことがありました。こう言う話は大抵すごく膨らませるのが楽しいもので一冊の同人誌になる良いネタだと思います。ただ、将来を考えようとすると、何か違うな、という違和感がまず来ました。彼女たちがこの星ノ辻で生きたその青春こそがステラのまほうであり、未来のことについては考えるべきではないのか。その結果として10巻冒頭で無事に原作とぶつかり解釈不一致となりました。照さんが勝手に考えているだけともとれるのですが、やはり生きる彼女たちにとってどんな未来でもかならずきますからね……(しかしながら彼女たちの未来を一つに決めてくれなかったことについては解釈一致となっております)まぁなんだかんだとやかくいっても僕はあやめちゃんが伴侶を見つけて良き妻となる可能性に思いを馳せてしまいますが。ホントに10巻の前に少し考えてたんですよね。親戚のオジサンになれば結婚式を見に行けますかね…….

脱線しましたがつまり、ステラのまほうは、ありふれた言葉ですがやはり「青春」だと思うんです。ゲーム制作という目的のもとに集い、何気ない日々も苦しい時も分かち合いながら過ごし、またぶつかり傷つけあいながら生きていく。自分の将来や個性に悩みながら、屈折したりまっすぐに進んだりする。そこにあるSNS部での今しかない時を生きている彼女たち。ここにやっぱり強く惹かれてるとは思います。もちろんそれだけではなく、ステラのまほうが他のきらら作品と一線を画す作品で僕の大好きな作品だったのは、キャラクターの内面を深く多面的に切り込むことで人間性を切実に描写されていたからだと思います。闇とかギスギスとかよく称されますが、人間が抱えているであろう仮面の部分や影の部分をしっかり出して、また衝突させているのが本当に大好きなんです。人間は皆そういうものを持っていて、その場によって人柄も変わるから言えることや言えないことも変わってくる。そういった描写がステラのまほうには多くあったと思います。人との関係の中でそれぞれの関係にしか見せない一面が好きだから僕はステラのまほうで出てきたすべての関係性オタクである、という自覚があります。ここでは深掘りしませんが王道カプから登場話数少なめのカプまでまた語りたいですね。(あやめ×かよとかゆみね×しいなとか目立つこと少ないですけどとても大好きです)

ステラのまほうの最後と照さん


最終巻でのラストシーンは、もう涙で何も考えられなかったというのが初読の時の感想です。まず照さんが髪を切ってることで限界でしたね……
落ち着いてから先生のインタビューなどを拝見して、自分の中で10巻の内容などをゆっくり受け止めていきながらいろいろ考えたのですが、僕はたまちゃんが照さんを救いに行く展開にすることも3~4年前には可能だったのかなと思います。たまちゃんを認める、誰かに依存する自分を認めることが親を認めることである。過去の傷を癒すことは紛れもないハッピーエンドです。それでもまんがタイムきららMAX2019/12月号の掲載話で明確に、たまちゃんでは百武照は救えないということがわかってしまったんですよね。過ごしてきた日々が浅いということもそうですが、明確な差異があった。まあだれであろうが彼女を救うことはとてつもなく難しいかったことには間違いありません。

ステラのまほう7巻p73

本質的には人間は全て自分の思いで生きているから、どんな優しさもエゴにしかならないのだと僕自身も思います。むしろステラのまほうを読んでからそう考えるようになりました。照さんはこんな思いとずっと戦い続けていたのでしょうか。彼女の気持ちを理解することはできませんが、そんな彼女にとってやはり、原因の苦痛を解決しない慰めは気休めどころか拷問だと本当に思います。それでも、SNS部だから、藤川歌夜だから彼女に近づくことができた。照先輩にとっては忌むべきひまつぶしでしかないかもしれませんが、藤川歌夜がSNS部でやってきたことは、憧れに手を伸ばすことでもあり、誰かの意味になることでもあった訳で。追う側であり追われる側でもある、密度の高い日々の中で成功も後悔も何もかもを経験してきた、なにより照先輩に導かれた彼女だからこそ照先輩を救おうとすることが出来た。最後のシーンはふよんちゃんの最大のツンデレシーンだと思います。今まで振り回されたことを仕返しして、照先輩がいてくれたことへの、ありがとうを伝えたかったんじゃないでしょうか。

照さんの心は根本的には変わっておらずきっとこれからも苦しみ続けるのでしょう。それでも、このSNS部上級生たちが照さんに報いたことこそステラのまほうのハッピーエンドであるんだと思います。それは不可逆的な呪いで、百武照が与え後悔し、拒んできたものである。状況を好転させることも苦しみから解放することもなく、他人を信じるまほうではなく、元凶のまほうをおかえしすることで彼女に前を向かせた。僕は、この人の描くハッピーエンドが、どうしようもなく好きなんだなぁと思わされます。くろば・U先生、改めまして最後までステラのまほうを描き切ってくださりありがとうございました。この作品がいち少年に与えてくれたものはとても大きいです。

終わりに


これからもステラのまほうをずっと楽しまさせていただきますし、今後のゲーム、漫画、もしかしたら別の媒体かもしれませんが、くろば・U先生が創られる作品をいちファンとして楽しみにしております。そして、この作品からもらったエネルギーを、僕は音楽で形にしたいなと思っております。藤川歌夜さん、Singnaさんに抱いた憧れをぜひ形にして残したいです。
…….ところで冒頭で察した方もおられるかもしれません。5年前が中一である、ということはつまり僕は今高校3年生、受験生であり、書いてる時点では共通テストまで残り十数日です。やばく無いですか??
こんなことをしてる場合ではないだろと思っておられる人もいるでしょうが、僕はリアルタイムでステラのまほうの最後を迎えられたことが何よりもうれしくて、浪人しても後悔はしないと思っております。なにしろしいなんたちと同じ時期に受験してると思うとテンションアガりますから。(あと、照さんの姿を真に受けてた節はありますが……)
これを書き終えたら、また受験勉強に戻ろうと思います。照さんのように第一志望を落とすのはさすがにはばかられるので。合格してからまたいろいろやろうと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。


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