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約3年前、とある会社に送りつけたエッセイ

仕事中フォルダを漁ってたら偶然みつけた。
もうすっかり存在を忘れるほどではあったけど、なんか若いなあ〜って思いましたので残しておきます。
そして、本当にただ送りつけただけでした。




暮らしに興味を持ったきっかけは、
実家にある少し不気味な工芸品。


大学進学するまでの18年間、気仙沼という港町で育ちました。

世界各国から港を目指して人々が集まる場所の為か、他人に対して寛容な気質の人が多く、そんな場所で育った影響からか新しい人との出会いに抵抗を感じない所はいいものをもらったなあ、と感じています。

幼いころのわたしは、両親の書斎や部屋、祖父母の私物などをこっそり物色してまわるのが好きな子どもでした。

しかし、当時のわたしにとって不気味であまり目に入れたくないものがありました。それは階段を上がった先に鎮座していた、不気味な海外の民芸品の置物。

祖父が漁師で遠洋漁業に就いていたというのもあり、海外の工芸品がなぜかド田舎の家にあるのです。(これは気仙沼あるあるです)

夜は怖いしと、明るい昼間に祖父からこの置物を買った経緯を何気なく聞いてみると、

これはインドネシアに滞在していた時に家族のお土産にと買ったもの。言葉はあまり通じなかったけど、現地の人に言葉を少し教えてもらった。

と話してくれ、ただ不気味だった置物の見え方が少し変わったように感じました。


モノがある、ということは何か背景があり、同じモノのはずなのに、人や場所によってその背景が異なる。

そんなモノが点在する暮らしの中を通して見えてくる人間味、というところに興味をもつきっかけだった気がします。

その影響かは分かりませんが、いまも、どこかへ知らない地に赴くときの移動中や現地に降り立ったとき、その場所に住む人々の生活を知りたくて屋根や建物の構造、洗濯物の干し方、軒先の植物たち、生活音などに夢中になっている自分がいます。

三者三様なすべてが、それぞれの背景があった上で成り立つもので、それはどんなものなのだろう? と想像したり。

実際にそれらに触れられる機会があったときには、なんとなく自分の人生や暮らし方への新しい気付きをくれるような気がして大切にしたい愛おしいものだと思っています。


暮らしと地域のはなし


暮らしぶりから分かる、その人の人間味にはもちろん魅力があるのですが、それが束となった1つの地域というのも、また自分にとって興味があります。

まさに自分の生まれ故郷である気仙沼は、機会損失も起こり得るような田舎で。

また場所によって異なる自然の制約がある中で、工夫して生きてきた人々によってつくられた場所だということから、何か自分が生きる上でのヒントのようなもの、北欧暮らしの道具店に自分が求めているようなことの一部がひっそりと秘められているような気がしたのです。

それは全国、全世界いろんな場所にあるものだと思います。
 
制約がある場所で過ごす人々の知恵を、ヒントを、
自分自身でも手探りでみつけながら発信する。

それを読んだ誰かも知らない人の、しあわせに生きる手助けになったらいいなと最近は妄想を膨らませています。


ガラスのビーズを糸に通すように自分にとっての心地よさを選択すること


お気に入りのガラスのビーズを糸に通すためには、ビーズの穴の大きさや糸のこともよく知らなきゃいけない。

残念なことに、世の中には見せかけのブレスレットを売っていたり自分には合っていないサイズのブレスレットを要求してきたり、ほんとうに自分が好きだと思えるブレスレットに出会うことは容易なことではないと思っています。

ですが、お気に入りのビーズを「自分にとっての居心地の良さ」、糸は「暮らし」、通す手は「自分」と考えて日々向き合っていると、いつの間にか持っているだけでしあわせになれる、きれいなブレスレットやネックレスが出来上がっていると思います。


生活していると、なんとなくで置いたっきりのものは色々あるもの。上原さんは、それを1個1個紐解いて、新しい場所を見繕ってあげたい気持ちが止められない愛の持ち主のようでした。

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あるべき所に置いてあげるということは自分の中の感情の整理とよく似ている。

自分のことをよく分かっている人は、部屋もその人のように輝くし、モノを愛する気持ちがあるひとは同様に自分にも愛を注ぐことができている。

自分自身はどうだろう?
ちゃんと自分のことを好きでいられているだろうか?

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