【掌編400文字の宇宙】夕暮れとユーグレナは似ているけど成分が違う
空が真っ赤に染まっている。
あれは何ですかと兎に聞くと。
「夕暮れです」という。
僕は泣いてしまった。
映画館から出たばかり、突然肩を掴まれたような気がしたがきのせいであった。ふりむくと今出てきた映画館の入り口と、その奥にホールがあった。人が並んでいる。
見上げるとガラス張りの天井で空が見えた。午後である。明るい。併設しているモールに入ると左にゲームセンターがあった。嵐。と思う。
一階にスーパーがあり、エスカレーターでくだって買い物をした。納豆、刺身、食器洗剤、スパゲティのソース(レトルト)、ウィンナー、ハンバーガー、炭酸水、ハイボール、ウヰスキ、食パン、バター。卵はまだあるので買わなかった。
無人レジで、機械を相手に清算した。背後に女の店員が立っていた。レジ袋は二つになった。この二つに、いい具合に重量を振り分ける。
エスカレーターを紆余曲折して駐車場に行った。
いつの間にか夕暮れである。
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