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『赤い砂』~宮尾岳先生『KAZAN』をモチーフとして~

経緯?

昔活動していたオリジナルバンドのベース(私はドラム)に、宮尾岳先生の『KAZAN 単行本(まだ連載半ば)を貸したところ、感想?として曲の歌詞「赤い砂」が返ってきました。

この「赤い砂」を拙作ながら私が作曲し、バンドでもライブ演奏もしたと思います。Dメジャーで一応希望を前面に出したつもりで、メロディックなハードコアとまではいかない速い8ビートを、右手がモタるのでハイハットをツーで叩く下手ドラムでしたが…

折角の機会ですので、手前味噌過ぎて恐縮ですが、紹介させていただきます…って私は作曲なのでやや安心で申し訳ないです…なお、画像は最終巻7巻の表紙です。この表情を見るために読んできた、読んで良かったと思える表紙です。


『赤い砂』 作詞:I様/作曲:私(ていく)


誰ぞ知るや その子の思いを…

砂漠にひとつ「赤い砂」 思いは西へと向かいけり

糧を分けあう友もなく 寝床を分けあう母もなく

瞳に映るは冷たき炎

眼なる白鷲傍らに… 誇りの刃懐に

かの地かの時間(とき)かの者を いつか弔うその日まで

嵐切り裂き谷を翔び 西へ西へと向かいけり…

砂漠にひとつ「赤い砂」 歩みは前へと向かいけり

水の悪魔に隠された女(め)の童部(わらわべ)今いずこ

耳に残るは末期の叫び

嘆きの声は既に枯れ 熱き涙はとうに冷え

かの地かの時間(とき)かの者を やがて迎えるその日まで

身を焼く日差しと眼を射る風を 浴びても前へと向かいけり…


誰ぞ知るや その子の想いを…


地平の果ての蜃気楼 砂塵の波間にかき消える

明けに夢見たオアシスは 宵の闇間に沈みゆく


昔日(せきじつ)の幸は地の底へ 時間(とき)の鎖を断つ者は

十年(ととせ)の孤独を胸に秘め 手綱を西へと引き絞る

誰ぞ語るやこの子の思い出 時間(とき)の歯車嚙む楔

朽ち果て落つるその日まで 砂漠にひとつ「赤い砂」

西へ西へと向かうなり…