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落夏流穂 #ついはいウインド 版

音原です。先日の「#ついはいウインド」にて「落夏流穂」の指揮を務めておりました。
演奏してくださった皆様、関係者の皆様、お聴きくださった皆様、作曲者の柳川和樹様、誠にありがとうございます。

曲の背景・構造など

ぐぐってください。もしくはパンフにも書きましたのでどうぞ。

今回何をやりたかったか?

この曲をこの団体で指揮することになって、ほかの曲でも「今回はこうしてみよう」などはあるのですが、今回やりたかったことが一つ。
「楽譜に記載された指定テンポで演奏したらどうなるか?」

作曲は2006年、初演は龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部様(指揮:若林義人様)です。2007年3月18日の「第10回21世紀の吹奏楽" 響宴"」にて演奏されました。
音源CDはこちら↓

こちらの演奏、確かに良い演奏です。私はこのCDを購入してずっと聴いております。
良いんですが、今回はあえてその演奏から離れようと思いました。
理由としては「テンポ指定が楽譜通りでない」ということ。作曲者的にどうかは置いておいて(自分が書いた曲ならよほどでない限り喜んで変更にOK出しますがそれは別の話)、該当演奏について着目した点は3点。
・中間部(Piccソロの後~Flソリの前、ちょうど遅めテンポのコラール~ASaxASaxやCntHnのソロ付近)が記譜より非常に遅い
・最後のテンポが落ちる前のallarg.
・最後の最後、倍のテンポになるところ(ここは諸説ありますが)
この辺、特に1つ目2つ目がテンポ通りでないことは、楽譜をお持ちの方ならお分かりかと思います。
龍大さんの演奏だけではなく、各所の演奏(YouTubeにもいくつか上がっておりますし私も演奏歴があります)では大半が龍大さんの演奏に倣ったようなテンポ指定になっていることが多いかと思います。

「龍大さんの演奏がおかしい」と言いたいわけではありません。作曲者的にどうかは置いておいて、その解釈自体はありだと考えておりますし、実際に別団体でこの曲を取り上げることになった際もそちらに倣ったテンポ指定で行く予定でした。

今回なぜこのテンポ指定で行くことにしたか。
「一度それでやってみたい」
以上です。

余談:その他やってみたかったこととしては「棒なしの指揮」「暗譜指揮」でした。どっちもやりました。

結果

そもそも、これが非常に無謀な挑戦であることはわかっておりました。
allargや最後のテンポについては何度か通れば問題ないと考えておりましたが(特に#ついはいウインドですので)、特に問題になりそうなところが中間部のテンポを引き上げること。
音源を聴いていただいたり楽譜を見て頂いたらお分かりの通り、16分音符で「テッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッ」をやっているパートが人間業じゃなくなります。がんばってもらいました。
(CntTrpBsnTrbEuphTSaxの皆様誠に申し訳ない…)
ついでに、その周囲の箇所もテンポを上げました。ソリストにも今回かなり無茶を申し上げました(特にOb御犬様、Cntてゃん)。皆様お付き合いいただきありがとうございます。

結果として、「夏の終わる切なさ、せわしなさ」をより一層引き立てることができたのではないかと考えております。
よく拝聴するテンポ設定では、よりドラマチックに進行する印象を受け、それはそれでいいとは思いますが、今回のように「もう夏休みが終わってしまう!」というような急き立てる雰囲気を創り上げられたのではないかと考えております。

今回このように「思ったよりあっさり進行する」という箇所が多かったのではないかと考えております。このような解釈もあるということで。

その他、当曲について

この曲自体がどうのこうの言われる現場をよく目にします。音楽理論的には禁則が結構あるとのこと。何か問題でも。
(作曲者的にどうかは知らないですが)聴き映え重視の曲、何ならゲーム音楽を聴くような感覚で曲を聴いてもらったほうがむしろ良いのではないかと。作曲者的にどうかは知らないですが。あくまで1人のアマチュア作曲者の感想です。
私はこのような曲は大好物です。

余談(宣伝)

同じく柳川氏の「翠雨の後の木漏れ日の」を演奏する予定です。
2024年1月7日(日)、兵庫県西宮です。興味のある方は奏者側でも観客席でもお待ちしております。
募集フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdYuVvfPingPyJUQ6kpLx8FJ8EW7YSwRWErK07Kc1CDI9N_BQ/viewform
募集要項 https://docs.google.com/document/d/1ogv9YEsks9gJGvi_rivOqEerSuj9IWiLwHKE2O3l800/edit

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