京都技術書読書会報告
京都技術同人誌読書会を終えたのでその感想を書き記す。
https://kansaicn.connpass.com/event/154219/
底辺亭が大阪在住である為、今回の京都は日帰り。
(京都駅の周辺をウロチョロしただけである。)
よってタイトルを「見聞録」とはしなかった。
申し訳程度の見聞録要素
タクシー代が安かった!
(初乗りが500円以下)
人が多かった!
京都開催の意義
何度も触れて来たように、銭けっとのモデルが江戸時代の薬品会である。
当時の記録を見ると、珍しく京阪合同の会を終えた後に「これからは京阪で連携して行きましょうね。」と締めくくっている。
現代人の底辺が見る限り、京阪にさしたる有機的連携があるようには見えないので、我々の先祖はたまの合同イベントがある度に、上記のような社交辞令で会を結んできたのだろう。
(予め念を押しておくが、会場を高槻にしたら大阪人も京都人も理由を付けて欠席する、それも必ず。)
関西地方には上記の歴史的経緯があるので、大阪を拠点に据えた底辺としては、何らかの形で京都への呼び掛けを続けたいと考えていた。
それが今回、関西CNなる学生団体様の誘致に応じた理由である。
大会会場について
今大会は日中と夜間の二部制を採用した。
(底辺の独断で二部制にした、周囲には事実上の事後承諾。
これはあまりに良くない。)
日中の会場は京都のコワーキングスペース「サラ・メルクリオ」様。
京都から徒歩10分の好立地である。
美々しく清潔な施設であったが、組織が大きい為か代表者との交誼は持てなかった。
(底辺がねじ込んだ)第二部の舞台は、「ともよし」なる人物の運営する自称コワーキングスペースである。
どうやら我々が最初の顧客だったらしい。
狭く寒かったが、「ともよし」氏やその関係者と直に遣り取りする事が出来た。
来場者の性質
読書会を始めた当初と異なり、来場者の中に底辺を知る方が増えて来た。
今回もこのnoteアカウントを全記事通読して下さった方が来て下さった。
この現象を、継続の賜物と見るか惰性の兆候と見るか、底辺の心中でも意見が割れている。
近隣開催のメリット
驚いたのは、来場客が主催者の指導教官であった事である。
「昔、君のレポートにリテイクを出したけど… あれは君の成長を願っての事だよ…」
「ええ… ご指導は感謝しております…」
という気まずい会話に挟まれる貴重な体験をさせて頂いた。
(底辺の両隣に主催学生と指導教官が座る布陣だったのである。)
勿論、この邂逅は奇跡でもなんでもなく、学術イベントに来る者の主体が意欲的な学生と研究者である以上、近隣で同趣旨の会を重ねれば、自然に増える性質のものであろう。
「理系とーく」について
第二部で訪問させて頂いたコワーキングスペースの主「ともよし」氏が主催しているオンラインコミュニティである。
理系の研究者を網羅的に集めておられる方なので、興味のある方は彼をフォローする事を推奨する。
上述の通り、京都駅側を拠点と定められている。
「関西CN」について
CNは「クリエイターズネット」の略。
今回、底辺の読書会を誘致して下さった団体である。
学生を中心に技術・創作系発信者を集めておられる。
全てのメンバーと面識がある訳ではないが、京都・大阪・兵庫・滋賀・奈良と満遍なく関西中から俊英を集めた観がある。
技術同人誌読書会を通して理解したこと
お察しの通り今回の大会を強引に二部制としたのは、「理系とーく」と「関西CN」を引き合わせる事が目的であった。
その後の双方の反応を見る限り、目標は果たしたと見ている。
底辺が技術書読書会を始めた動機の一つに、「各地の知的レベルを底上げする」というものがある。
勿論、「底上げ」と言っても非知的人材を啓蒙して知的人材に変化させるつもりはない。
(それは明治維新以降行われているように、国権プロパガンダによって主導されるべき作業である。)
各所で地元の水準に不満を燻らせている知的人材同士を結び付け、孤立感を解消させる事こそが、底辺の考える「底上げ」の定義である。
(徒手空拳の身である為、これ以上大きい戦略を採れない)
考えても見て欲しい。
同じ学び舎に通う師弟間ですら、互いの所属するコミュニティや活動の存在を知らなかったのである。
尖った知的イベントを開催から、それらの地縁を再結合出来たのだ。
これを底上げと言い切っても非難はされまいだろう。
この様な光景は北陸でも沖縄でも青森でも見た。
見た事によって、意識してそれらを構築出来るようになった。
言わせて貰えれば。
技術同人誌読書会そのものに意味も価値もない。
検索と通販を駆使すれば、必要な書籍は全て入手可能である。
(既に成し遂げている方には、白書と論文にも手を伸ばされる事を推奨する)
但し、「酔狂で聡明な地元の英才と邂逅し得る場」としては技術同人誌読書会は最高である。
主催者名が「底辺亭底辺」のイベントにわざわざ来る人間に面白みが無い訳が無かろう。
上記の成果が見込める事を確信した為、技術同人誌読書会を継続する。
手法も公開しているので、誰でも真似は可能である。
世間がこの手法の旨味なり面白みなりに気づいて、このイベントから新奇性が消えた時。
底辺はここを発つ。
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