研究所創設の報告
紆余曲折あって研究所を起ち上げた。
と言っても私は学者でも研究者でもないので、自分が何かをする訳ではない。
ただ一緒に起業した理系の学生に駅前テナントビルの一室を貸しているだけである。
以前からの私の仮説は
『交通の便の良い場所に、高度知的人材の溜まり場を作れば学術・産業上の化学変化が起こる』
である。
それを関西で実証することにした。
場所は阪急沿線の某駅の真正面。
面積は約50㎡。
改札を出て20秒ほどで到着可能な立地である。
スローガンは「関西にテクノリージョンを作る」である。
シリコンバレーや深センのような高度産業の集積地帯をテクノリージョンと呼称するのだが、首都以外にそういう機能を持つ街が我が国に必要だと感じたので関西に据えることにした。
第二候補は博多。
組み込み系に限定すれば横浜を候補に挙げていたのだが、その両都市には土地勘が全くなかったので、ホームタウンの関西で活動する事に決めた。
関西にはレベルの高い学生と企業とニートと金持ちが多い。
彼らを一つの箱に放り込んで乱暴に掻き回せば、何かが生まれる。
(テックバー経営の経験からそれを知っている。)
なので、私は力技で研究所に人を押し込め続けてみようと思う。
私自身がキーパーソンを招待し続けている事に加えて、中核となる学生にクローズながら人を集める事をお願いしてある。
コロナなので派手な事は出来ないが、彼らがバーカウンターを備え付けてくれたので、徐々に諸イベントを開けるようになるだろう。
関西にはしばらく帰れていないので、研究所がどの様に運営されているか、この目では見れてない。
流石にそれは不誠実なので、近く関西に拠点を戻す。
私は彼ら個々の研究に興味が無い。
聞いても分からないし、誰が出入りしているのかも把握していない。
そう。
私以上に研究者の研究内容に無頓着な管理者は地球上に存在しないのだ。
それ故の利点は必ずある。
(無かったらゴメン)
だからこそ、このラボでは既存の研究室と異なるアプローチの学究活動が行え得る、と考えている。
以上の動機から私は私的に研究所を起ち上げた。
余力のある人間は私に力を貸して欲しい、見物の為の特等席を用意する。
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