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ウマ娘日記一日目(サービスインと目付きの悪さとか。

なんにちか前。

 インターネットでオタクをやってると、音信不通になっちゃう知人さんの何人かは出てくる。
 そのなかの一人がかなり強く入れ込んでたジャンルがウマ娘だった。元よりの趣味とあってたみたいで、現役馬をウマ娘化とかで繁く遊んでいる様子で。私はそういう、絵を遊び道具として用いれるひとをしょっちゅう羨ましく思ってたりしてた。そのひとは、それの筆頭みたいな存在だった。


それの何日か後。

 ヤングジャンプでウマ娘のスピンオフ的コミカライズのシンデレラグレイの連載第一回を読んだ。

 ウマ娘というと、サイゲちゃんが鳴り物入りで新たにおったてたいブランドだったけどもド派手に暗礁乗り上げてゲームのサービスイン無期延期であわせて放映予定だっただろうアニメもとっくに終わり「サイゲくらい現ナマ持ってるメーカーでもスタートアップ失敗とかするもんなんだね」「……お馬さんの世界はね。一桁や二桁の億だとかの『カネの問題ではない』重鎮の世界だからね。そこで権利的にもめちゃうとね」とか世間で言われてるよねという印象だった。
 それを、ヤングジャンプというメジャー誌でがっつりコミカライズ。今度こそサービスインするぞというサイゲの気概みたいなものを感じつつ。

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 シンデレラグレイそのものも、絵ぢからの感じられる紙面で面白い。上述の、世間の口さがない風評くらいでしかウマ娘を知らなかったので泥だらけのジャージ姿の、大器を思わせるウマ娘が名を問われ。大ゴマで

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 と名乗るシーンでほんとに驚けた。

(せっかくの見開き大ゴマを縦に分割して恐縮なんだけど、でもこの、わざわざ「オグリキャップ」て吹き出しだけに丸1頁用意した意図を信じて!)

 芦毛の怪物……! ビッグネームを主役に据えての新連載。改めて「サービスインあきらめてねえからな……!」という意地がみえた気がちょっとした。
 引用:ヤンジャン! ウマ娘 シンデレラグレイ


それの何日か後。

 サイゲのイベントか何かでウマ娘のPVが放映されたらしく、それがツイッタで流れてきた。その呟きではライブシーンへの期待が言及されてたけど、個人的にはそれよりもレースシーンの迫真っぷりがちょっと面白かった。美少女が群れでずどどどどと音の聞こえそうな競争をしてて、ちゃんとレースをさせるつもりっぽくもありつつ、一方で振り振りのドレスで歯を食いしばって走ってる様がやはりトンチキにもみえつつ。


サービスイン当日。

「おれが持ってる競馬知識って、かのゲームフリークスが作った名ソリティア競馬ゲーであるとこの『ソリティ馬』と、ゆうきまさみ先生の傑作『じゃじゃ馬グルーミンUP!』しかないんよね」
「じゃじゃ馬の競馬知識で何かしら活かせるモノがあるとすれば『とにかく勝ちづれえ』て事だけだと思うよ」
「その勝ちづらいってのは醍醐さんちの社長の涙と梅ちゃんの爆発とのどっちですか」

 とか言ってるうちに初日は見逃す。

 ところでソリティ馬は名作だった。名曲もほんと多かった。
 ゲーム中では「キングスゲート」と呼ばれる、明らかに凱旋門賞をモチーフとしたラスボスめいたレースで流れる力強さと迫力とオモチャめいたポップさとを併せ持つとんでもねえ名曲。
 凱旋門賞という言葉の持つ伝統の重みや、それがどれだけ見果てぬ夢か。実態を知らずともただその曲だけで『畏敬』を叩きつけてくれる。

 あらん限りの大音量でお聴きください。


遊びはじめてみる。

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 サービスイン限定記念ミッションの都合でダイワスカーレットさんを最初のパートナーに選ぶ。
 感想を先に言えば「この娘を最初の一人に選ばせるとは……仕上げてきたな! サイゲ!」て気分だった。

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 まず色々おっきい。お胸も立派だけどそもそもガタイが良くてジャージや練習水着姿だと大変立派にみえる。性格もいい。猫かぶりお嬢様優等生キャラと思わせといて尊敬すべき上級生にはスゴい素直かつ熱の籠もった敬意を払うし、下級生からの信望に応えるべく努力もしている。いや普通に勤勉ながんばりやで。ライバルキャラまで添えて彩りもいい。

 ただそれよりも何よりもレース中の顔がいい。

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 すっげえ目付きが悪い。そりゃあもう悪い。
 普段は優等生を演じた麗らかな笑顔なのにそれをかなぐり捨てて闘争心を剥き出しにしたゴール以外のなにものにも目をくれない眼光。
 要するに本気がみえるというか。
 ダイワスカーレットが上級生に敬意を払うのは彼女たちが強いからなのだろう。レースを信奉するダイワスカーレットは、強い人々が強くあるために費やした努力とその誠意を信じているのだ。
 一番になるという事の価値を強く信じ、強くなることに誠実だ。
 彼女の芯にあるものがみえた気がするし、ウマ娘という世界がそこから覗けた気もする。 

 一言でいえばギャップ萌えで済ませられることにいちいち理屈をつけたけど。
 そんでギャップ萌えで言えばその鋭い目付きがゴールして掲示板を確かめて(?)一着ってわかったとたんに緩むのもまたイイですね……。

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 ゲーム性の部分はまだわかんないけども、レース部分にきっちりコストを支払って、しかもその掛け方に方向性を感じられた。歯を食いしばって意地をぶつけあうレースを描きたいのだと。
 まあガワはガワなんで、内実はどんなもんかまだわからないところは多いけど、でもこの部分は大きいと思う。


 後日、がっつりハマってる知人さんと話したときに
「最初のPVのまんまならゲームは遊んでないと思う。アニメが思った以上にスポ根で、これでいいじゃん、これにしてくれって思ったんだけど、制作現場もきっと『これにすべきだ』って思ってくれたんじゃないかな」なんて話してた。
 と、最初のPVを確認してみたら確かになるほどなー。

 こっつんってしてる。こっつんて。

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 などなど。ついでに、最初の育成結果も記念に貼っておこう。このステを微笑ましく思う日が来るのかしら。逃げと差しのコツいきなり取ってるあたり既に微笑ましいが。

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