壁ぶち当たり中。
もう3年生の女の子だ。友達同士のいざこざに親が出ていくことはよろしくないことと分かっている。普段は聞き役に徹するし、こちらからアドバイスするのも違うかと思い、言いたいことを100分の1くらいにして少しだけフォローすることは私自身が決めた掟だ。
ある日、放課後お友達と遊んでいた娘がただいま〜と帰ってくると一目散に手を洗いに行った。あまり気にせず夜ご飯を作っていると手で顔を覆いながらシクシク泣きだした。何があったのかとすぐに聞くと、3人で遊んでいた途中で急に2人に責められて袋叩きにされたようだ。
A「〇〇(うちの娘)がBちゃんの悪口言ってた。」
B「私の悪口言うのやめてくれる?先生に言ってやるから。」
こんな内容だったようだ。娘自身はBちゃんの悪口を言った記憶がないと言う。私もそれをよく分かっている。私は娘から最近Bちゃんが話してくれないんだけどどうしたら仲良くなれるかな?と度々相談を受けていた。嫌な思いしたんならすぐ帰ってくれば良かったのにと言うと、帰るのはズルいことだよと言われたから帰れなかったと言った。どう考えたって悪意でしかない。
その日は遊びに行く前にAから娘に電話がかかってきていた。娘は耳に当てるのを面倒がって毎度スピーカーで話しているおかげで私の耳にもきっちり電話の内容が筒抜けだ。
A「〇〇(娘)はBちゃんのことどう思ってる?」
娘「最近話してくれないんだよね。でも今日はBちゃんも来れるんでしょ?」
A「来るよ。なんかBちゃんね、〇〇(娘)のこと怖いって言ってたよ。でもBちゃんも機嫌悪いときあるもんね。」
こんなようなことをダラダラ言っていた気がする。後から考えれば、うちの娘からBちゃんの悪口を聞き出したかったのか?クソガキが。と怒りで頭がキレそうになる。ましてやそんなことをさんざん言われて、とにかく我慢して家に帰ってきて大泣きする娘の姿を目の当たりにして黙っていられる親っているんか?絶対いないだろと自分がこれまで決めていた掟をぶち破る瞬間がやってくる。
「いい?そうやってしょうもない嘘であなたのことを意地悪してやろうと思うやつって世の中にたくさんいるよ。でも本当に友達だったらそんなことしない。遊んでて悲しい思いするくらいなら一緒にいるな。あなたの友達はその2人だけなん?学校には他にも楽しい友達たくさんいるよね?ダンスの友達、プールの友達、ママの友達だってあなたの友達だよ。そんな意地悪してくるくだらないやつなんてもう無視してやれ。嫌だと思えばすぐに家に帰ってこい。家について来るんならママが追い返してやるよ。絶対大丈夫だからそんなクソみたいなやつらのために泣くな!」
恐らくこれの3倍くらいの口の悪さでマシンガントークをかましたかと思う。
これが中学年の壁かと、しばらくして泣き止んだ娘が抱っこして〜と甘えてくる。いいよ。23キロなんてまだまだ余裕だとあえて赤ちゃん抱きをして、絶対大丈夫だママは味方だぞ!と背中を強めに叩いて励ます。
次の日、いつも通り早起きして支度をする娘を見て一安心した。もしAちゃんBちゃんに話しかけられたら手振るだけにしようかなぁと言ってきた。娘なりに距離を置く方法を考えていたようだ。うんそうしな!また楽しく遊べると思えるようになったら遊べばいいじゃんと言う。(もうニ度と遊んでくれるなクソガキ共がと私は思っているが)
まだいい。今回はおそらく被害者だったから。娘をひとつ強くさせてくれてどうもありがとう。ただこれ以上まだうちの娘に何かあるんだとしたらそのときは知らんぞと、クソガキ相手にとんでもなく大人気ない気持ちが頭の中をグルグル回る。ひとまず理性を保つことで精一杯だ。ふと鬼滅の刃のお館様の名言が頭に思い浮かぶ。
君はね、何度も何度も虎の尾を踏み龍の逆鱗に触れている。本来ならば一生眠っていたはずの虎や龍を君は起こした。彼らはずっと君を睨んでいるよ。絶対に逃すまいと。
無限城に決して持ち越さないように、私も心身ともに成長しなければいけないタイミングなのかもしれない。
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