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2回目の休職となったのでニートを感じられる本を読んでみた

2回目の休職

適応障害だった。前回休職したときも同じ病名だった。今の職場は大学で研究していた知見を使えそうだったのでジョインしてみたが、大学でやっていたこと以外の周辺技術のキャッチアップが追い付かなかった。定時で帰れているにも関わらず、なぜか段々と頭が回らなくなり、自力でご飯を食べることができなくなった。その後実家に帰ったが、その後も改善せず仕事を進めることができなくなった。どうやら思ってる以上に手を動かしてモノづくりする仕事が向いていなかったらしい。見かねた上司から気晴らしということで他の営業関連の資料の作成も任されたりしたけど、これも全然できなかった。製品の理解が足りておらず、先輩方に聞きながら何とか作成できたけど、無力感しか残らなかった。なんだ、何もできない人間じゃないか。「石の上にも3年」という言葉があるけど、入社してから7年、何もできるようにならなかった。

休職2回目が決まったとき、これまで以上に人生で積み上げてきた自信がさらにぽっきり砕けてしまった。何か新しいことを始めようとしても「どうせ自分なんか・・・」という思いに囚われてしまい、今まで心から楽しかったことが楽しめなくなった。また、今頃新しいことを始めるのに非常に面倒くさい気持ちが働いている。体は生きてるけど心は死んだ気分だ。あ、Hな画像や動画を見るときだけ心が復活します。

いっそのことニートになってしまおうか。私の周りにはニートがいないので聞ける人がいない。そもそもニートになりたくないと思って今まで働いていたので、仮にいたとしても、そういう人たちとは距離を置いていた。

しかし、今の自分はニートに片足突っ込んでいるといっても過言ではない。今後どうなるかわらないけど、ニートの生態を知ることに意味があるかもしれない。そんな訳で、ニート界隈では定番の次の2冊を読んでみた。

「山奥ニート」やってます

限界集落の中でも高齢化が加速しすぎて限界をやや超えてしまった集落でニートをしてみたい方にお勧めできる。前半は筆者の半生を描き、後半はその土地へ移り住んだニートたちのインタビューで構成されている。読む前はどうしてニートでも限界集落での生活が成り立つのか不思議に思ったが、読んでみて腑に落ちた。お金がかからないようにするには自分達で食料や生活必需品を確保する必要がある。山の中で食べれる山草を探したり、村の人から余りものを恵んでもらったり。でも貰いっぱなしではなく、ニートなりにできる範囲でお仕事を手伝ったりする。そうやってお互い関わりあって生活しているようだ。ニートなりの自立心が垣間見えるのが面白い。

昔「自殺島」という漫画があったが、あれに近いのかもしれない。政府が社会に適応できず自殺未遂を起こした人達を集めて無人島へ島流しにし、その島での生活を描いたフィクション漫画だ。自殺島に出てくるキャラクターは自分達で狩りまでするため、タフネス過ぎてニートでなくても真似するのが難しいが、「山奥ニート」もゆるくはあってもそれなりのサバイバル生活をしているように読めた。核戦争が起こった場合、案外こういう人達が生き残るんじゃないだろうか。

都会と違うことが多いので好き嫌いは分かれるだろうが、自然が好きなニートには良い環境なのかもしれない。

ニートの歩き方

ニート本のバイブルと言っても良い。著者は社会人経験こそあるものの肌が合わず退職し、仲間を求めて東京に移住しニート向けのシェアハウスを立ち上げ、著者自身もニートをしていた。シェアハウス経営はニートなのか?という疑問はあるけど、それでも生活水準は非常に低いのでニートで良いんじゃないだろうか。

「山奥ニート」との相違点は、著者は東京という「都会」でニートをしていたことだ。都会のメリットは、人が多いから探せば誰かしら仲間が見つかることだ。食費は田舎よりかかるかもしれないけれど、同じような仲間達と出会うことで何か楽しいことを見つけられるかもしれない。著書に書かれているような稼ぎ方も、今ならindeedやcloudworksを利用すれば誰でもテレワークできる内容なので再現性が高い。副業で稼ぎたい人にもお勧めできる。ニートになる気が無い人にも読んでほしい本だ。

因みに著者はニートを経て作家となり、今は本屋で働いているらしい。今働けてない人も何かアウトプットを出していれば、10年後か20年後にはどこかで働いているのかもしれない。下記のphaさんのインタビューを読んでいると、老化が原因で働きだしたという表現が目から鱗だった。ニートも大変なんだな。

終わりに

どちらの著者もニートの中ではアクティブな部類だと思う。すべてのニートが真似する必要はない。両親との仲が良好で実家から出たくないニートだっているだろう。それはそれで構わないんじゃないだろうか。これらの行動をするにも自身の内発的な動機がないと行動に起こせないんじゃないだろうか。私の中でニートの敷居がまた一段と高くなった。ニートにも多様性が求められる。

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