金沢大学俳句会誌『凪』二号

金沢大学俳句会の機関誌『凪』二号を拝読。

金沢はいつも俳句甲子園で頑張っている学校があるなあという印象、

あと街としては北陸新幹線ができる前(7〜8年前かな)、

夜行の特急「能登」で遊びに行ったことがあります。

新幹線もできて便利になったし、東京よりちょっとだけだけど

行きやすい街に住んでるし、また訪れたい街のひとつです。

金沢21世紀美術館や忍者寺は楽しかったし、犀川の流れが渋かった。

あと以前、バイト先で金沢駅周辺の地図をIllustratorで作りましたね。


金沢連想ゲームはまあこのへんにして、『凪』の話を。

〜巻頭対談の丸田洋渡×若林哲哉〜

もうちょっと内輪ノリを消せると

いろんな世代の読者にとって読みやすいのではとは思ったけれど、

今の大学生が俳句を楽しむ感覚を素直な言葉で教えてもらえたので

そこはとても良かったな、と。

仲村折矢さん、ノーチェックでした。読みたい。

〜作品欄〜

新年の抱負言わされそうになる    岩田怜武

どうしても知りたいことがある 春だ    岩田怜武

思ってることはある時ほど言いたくないんですよね、という一句め。

谷川俊太郎「春に」を思い出す二句め。

照れがやけっぱちな方向に飛んでいったり、真顔のツッコミになったり。

花粉症マスクの下の濃いリップ    坂野良太 

教室の桜餅の葉食わぬ僕    坂野良太

この景を詠みたい気持ち分かるなあ、もう5年くらいしたら

また詠んでみてほしい、と思う一句め。

すごい自画像ですね、桜餅の葉と「僕」だけがいる二句め。

土筆のエッセイの視点が新鮮でした。

鶴引いて毛根鞘をしごき取る    敷島燈

逃水や普通を定義できなくて    敷島燈

好きというのとは違うというか、心に残ってしまう句だな…と思った一句め。

毛根鞘、ググりました。

この人の創作の根底にある気持ちなのかな、と思った二句め。

逃水が面白いです。

靴下を脱ぎたがるひと春炬燵    ツナ子

愛してると言わない春の水餃子    ツナ子

いるいる、やるやる、な一句め。

靴下を脱ぐ他者を憎からず思う気持ちが、春炬燵の斡旋でわかりますね^^

掴めない、箸をすり抜けていく…とイメージを寄せちゃうと

かえってつまらなくなりそうな二句め。

ああああお腹すいてきた…スケスケの水餃子…食べたい…

全体的にアイテム使いが可愛い。気になる作者。

道凍てて寄りつ離れつ手と手かな    姫草尚巳

髪掻き上げて耳あらはるる菊桜    姫草尚巳

触れそうで触れない手と手を均等に詠んじゃってるので、

どちらかに焦点を絞っても良かったかな?と思った一句め。

どーん、と字余りさせて出てきたのは普通に耳なんだけど、

そこにフェティッシュを感じているのだなと分かる二句め。

真面目な取り組みぶりが伝わりました。

冴返る小銭そのまま出て来たる    若林哲哉

itunesカード散らばる雪解かな    若林哲哉

この季語斡旋、ベストアンサーだ!って思った一句め。

カラフルさとあまり綺麗ではない雪の色の配合にグッとくる二句め。

『凪』の心臓的存在ですかね。器用でうまいなあ。

「奎」での作品も読みます!(最近積ん読)





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