甲斐由起子『春の潮』

甲斐由起子『春の潮』(ふらんす堂)2002年


甲斐さんのお名前を最近某所で伺ったので、

大学時代、俳句に真面目に取り組もうと思い始めた時期に読んだ

第一句集をご紹介がてら。

有季定型でやっていきたい人が勉強し始めの頃に読むには

すごくいい句集なんじゃないですかねえ。


黒揚羽ことりと窓を打ちて去る

積み上げし白菜の尻初時雨

冬の日を鳥の話で暮れにけり

ががんぼの素足に触れし夕べかな

男来る春の潮をしたたらせ

何もかも目で考へるめだかかな


あ、秋の句を一句も選んでいない!

上品で優しいムードの句集です。


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