最近観た映画、その3

『素敵なダイナマイトスキャンダル』を観ました。
以下、殴り書きの感想です。
柄本佑は時々目が二重になる、片方だけ。
女優陣がみんなよかった。エロくて哀しくて。
オノマチはすごい。どれ観ても「うわっオノマチだ、すごい」しか感想が出ないけど。苦しんでいる人がこんなにエロいとは、という不謹慎の極みのような思いになった。着物の柄が妙に可愛かったのはなんだったんだ。集落の異分子っぽく見せたかったのかな。
あっちゃんはもっと体を張れという意見をネットで見かけたが、あれで充分。ほっかむりとか、レンズの大きな丸眼鏡とか、elleseとかケミカルウォッシュをあれだけ完璧に着こなしててまだ文句言うんかいと思った(スタイリストがよかったのかもだけど)。『フォレスト・ガンプ』のロビン・ライトばりに(同じ女優に見えないくらい、その時代によくいる女性になっていた)その時代のファッションに馴染んでいたように思う。役者の体の張り方なんて色々だろうよと。
三浦透子最高。風格がすごい。『私たちのハァハァ』でも演技に慣れていないメンバーをうまく引っ張っている感じがあって名前覚えとくね!と思ったら、スカートの『CALL』のPVに出てたり「宮本から君へ」に出てたり活躍しはじめてこれだもの、ブレイク間近と言っていいのでは。いい作品にいっぱい出てほしい。
アラーキーの扱いは原作でも「女の子が嫌がっててもゲージツだって言って結局脱がせちゃうからすごいよねー」っていうノリだったから(10年くらい前に読んだからいろいろうろ覚えだけど)覚悟はしていたけど、まあmetoo案件を思い出さずにはいられないので観てる時はやはりかなりむかむかしました。
救いと言っていいかわからないけど、この映画のことを後からこうやって振り返った時に主人公の人生を否定も肯定もしていなかったな、と思ったのだが、要するにそれは登場人物が馴染んでいた倫理観に対しても同じような距離を取っていた、ということだと思う。
ヌードがゲージツになっていく件のシーンはかなり茶化したムードのものだったし、菊地成孔のキャスティングのおふざけ感(物真似風味なとことか、笑えればよかったけどやっぱり無理だった)が火に油を注いでいるところはあるしで、もちろんすごくもやもやしたんですけど、この映画の感想ツイートで一番バズってたのが「アラーキーってやっぱりこうだったんじゃんと思って胸糞だった」という主旨のツイートだったのには別の意味でもやもやしてしまって。うーんそこで断罪してしまうのか、この作品自体を、と………。いまだに自分のなかで折り合いがつかない。
「夢のカリフォルニア」が素敵に使われてる映画といえば『恋する惑星』で充分すぎるほど充分だったけど、まさかのまさか、これはこれでアリだった。寒そうな湖のシーンで流れるのがまた切なかったなあ。しかし本当に名曲だ………。
少し冗長だったけど、構図をバシッとキメたり画面の色調に凝ったり時代のディテールに凝ったり(『リバーズ・エッジ』のようなディテールの明らかな失敗は、私は見つけられなかった)、そういう遊び心がいろいろ隠されていて楽しかったので、私はこの映画を断罪できないなーと思っています。

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