見出し画像

家傳用薬私案

かつて新聞広告によく載っていたヒサヤ大黒堂の不思議膏と金鵄丸という痔瘻の治療薬に関心を抱いたのは、痔瘻に悩まされてた人は勿論にせよ決して少なくないだろう。本来なら肛門科で手術するまでに悪化した症状にも対応出来てしまう、言ってみれば魔法の薬である。

さて、このヒサヤ大黒堂創業家の永田家に代々伝わる門外不出の薬の注目点としては、全国の薬局等では扱わず全ては通販及びヒサヤ大黒堂に行かないと買えない点にある。かつて名古屋市にも大きな赤い字で「ぢ」という看板には、痔という肛門に出来る病気である事もあって子供心に一層好奇な気持ちにさせてくれたものだが、そこらの薬局では買えない幻の薬、しかしそれを何百年もの間、主要成分を変えないまま販売をし続けているのだから、おそらく信頼性はあるのだろう。とはいえ当時家族で痔瘻の人もおらず、親に買うのを頼もうにも頼めない。しかし、関心を抱かずにも居られない。。
いつしか新聞広告にも載らなくなり(現在ではインターネットで広告を出している)世間でもシャワートイレの普及もありかつてほど痔瘻を持つ人も少なくなった現代、ヒサヤ大黒堂は薬寮という名の販売店(ぢの看板が目印)も現在では東京と大阪のみとなってしまったが、それでも今尚根強いファンに支えられて健在である。
ワタシは、この不思議膏と金鵄丸の取り扱い説明書である家傳用薬私案を入手し読みながら、「ヒサヤ大黒堂よ永遠に!」と心から願ってる次第である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?