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敵は脳幹にあり

かのスパルタ教育で一世を風靡した⁈戸塚ヨットスクール校長の戸塚宏氏が、保釈中に書き上げた幻の本である。
この人の教育方針への是非は、生徒の募集をやめている現在でも賛否が分かれるところだが、それはさておきこの本で戸塚校長は人間の育成指導には脳幹トレーニングこそが大切であると熱く説いている。教育、精神、それに仏教の観点から、脳幹という普段人が聞き慣れない単語を持って科学的に証明しようとしているが、今現在の時点で戸塚宏氏の教育指導への効果がどれだけあったかが賛否が分かれる事、この脳幹トレーニングの後継者がその後現れていない点からも何とも言い難い。
が、当時の荒れる学校現場、家庭内暴力(当時は子供が親に対して暴れる事の方が多く云われてた)等で様々な問題を抱えた生徒たちの最後の更生先として、かのヨットスクールが存在していた事実、そして様々な事故や傷害致死容疑を掛けられて服役して尚、卒業生の親子を中心に真剣に支援するグループがある事も無視は出来ない。
いつか、彼への功罪が下される日は来るのだろうが、その結果は自分でもどうなるのかの判断が出来ない。しかし、本来なら所謂栄光あるヨットマンの肩書してまで犠牲にし、自ら荒波に飲まれ無駄とも思える使命感を持って生きてきた事は脳裏に刻み込んでいきたいし、この脳幹論も、後に科学者達の手によってより信憑性の有無も含めて語られていく事を切に願っている。

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