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【Review】 Royal Blood / Typhoons(Carterさん)

Royal Blood 『Typhoons』の感想

先日リリースされた Royal Blood の 3 作目は会心の出来だったと思います。

2010 年代から不振が続いてきたロックがまた息を吹き返すかもしれないと思えるような作品でした。

思えば 2010 年代以降のロックはいかにメインストリームの覇権を取ったヒップホップのサウンドに 対抗するかというのが至上命題だったようにも思います。
本作において Royal Blood は重心を低く取り、リフ中心のヘヴィでダンスなグルーヴを展開させると ともにあくまでメロディアスなロックの姿勢を崩さないという荒業を成し遂げようとしていますが、 それをベース、ドラムの 2 人組というミニマルな編成を通すことで過剰になりすぎず、The White Stripes さながらのロックンロールの爽快感を得ることにつながっています。

トラップのエクストリームなサウンドに慣れてしまった人の耳をも引く、2020 年代のロックの 1 つ の在り方を示すアルバムだと思うと同時に、シーンに、ロック以外の音楽ファンにどのように受け止 められるかも気になるところです。アルバムの名前もそうですが、硬直しているように思われるいわ ゆる「ロック」のシーンに風穴を開けてほしい。

おすすめは「Troubleʼs Coming」と「Boilermaker」で、特に後者は Queens of the Stone Age の Josh Homme がプロデュースしているだけあってアルバムの中でも一層ヘヴィに響きます。

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