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【TOY2020出演者紹介】中村ジョー

【TOY2020出演者紹介】中村ジョー

90年代初頭に結成した「ザ・ハッピーズ」のボーカリストとしてキャリアをスタートし、現在は中村ジョー&イーストウッズとして活動している"リヴィングレジェンド"中村ジョーさんがTOYにご出演してくれることになりました。

ジョーさんの歌声はとてもスウィートなんだけど、歌詞の中に登場する”君”と”僕”との間にはたくさんのやりきれなさや埋まらない感情みたいなものが奥底に眠っている感じがしていて、混とんとしていた90年代東京のギターポップシーンの中でもGSや70年代フォークなどのバックボーンを持ち異彩を放っていたザ・ハッピーズの時から見ている景色は変わっていないんじゃないかと思う。

ザ・ハッピーズ活動時から共に活動している盟友・曽我部恵一主催のレーベルROSE RECORDSから今年4月にリリースされた「君は馬鹿だな」でもそれは顕著で、爽やかでソウルフルなサウンドにのせてひとことひとことを淡々と、それでいて大事に積み上げるように歌うジョーさんの歌声は朝焼けのようにすべてを淡く塗りつぶしてくれる。


以前ジョーさんと酒を飲んでいるとき、
「この曲の最後の『僕は本当に馬鹿だな、馬鹿だな』という1節の『馬鹿だな』と『馬鹿だな』の間にはものすごい深い感情が詰まっていて、淡々と歌っているけどそれを覗くのがちょっと怖い」

と酔った勢いでご本人に告白したら「そうかな?そう思う?…大げさだよ」なんていいながら静かにグラスを傾けていて、そのあまりにジョーさんが歌う歌詞そのまんまの返答に、(尊敬する先輩ミュージシャンに対して不躾ではあるけれど)酔った頭でその仕草を見ながら「ああ、俺が女だったらイチコロだよ・・・」なんて思ってしまった。

なかなかライブができない状況下なので今回はイーストウッズ名義ではなく弾き語り録画ではあるけれど、ジョーさんにとっても、そして俺らにとってもホームである吉祥寺ichibeeという地の利もあり、ジョーさんの魅力がいっそうにじみ出るパフォーマンスになるんじゃないかと観る前からとてもワクワクしている。(マル)

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