事業成長

事業の成長へのGYOMUハックの関係について

この記事はGYOMUハック/業務ハック Advent Calendar 2019の24日目の記事です。

Merry X'mas Eve!
業務ハック大好き人間のTeeda と申します。
2019年の11月にGYOMU Hackers Night にはじめて参加しました!

普段何やってんの?

たくさんの活動をやってて、本人でももはやです。経済学や統計学を大学院の修士課程まで修めて、いつかは楽をしたいなあと思いながら、「いつか楽をするためなら今どんないばらの道でも進んだる!」という想いで日々勉強したり仕事したりしています。
一度やったことを二度と同じ手間を書けたくないし、なんでもめんどくさいと思うし、イケてねぇやり方だなぁと思ったら自分で責任持ってぶっ壊します。『怠惰!短気!傲慢!』の三拍子揃った、生粋のエンジニア気質であります。
様々な業種で働いたり、たくさんの転職を経験していまして、今はこんなことをしています。

・Salesforce の導入や活用の支援のコンサルティング
・G Suite の活用支援のコンサルティング
・大学教員としてコンピューター演習の講義
・Google アプリの入門書を電子書籍出版
・Google アプリの動画教材を配信
・ラーメン屋さんとか美容室さんとかITと遠い人たちのWeb戦略支援
などなど、ITとかクラウドの活用の支援や教育をライフワークとして活動しています。
※今やってることも、いつまでやってるかはわかりません。

ビジネス成長への業務ハックの貢献

さて、大学や大学院時代、超なまらガチで経済学とか統計学とか、合理性とか心理学とかを勉強していました。ミクロ経済学という学問と数学が大好きです。
経済学っていう学問は、人とか会社っていうのは合理的にふるまう行動主体だよね?合理的っていうのは、利益を最大化するという観点と、費用を最小化するという観点があるのだよ、と定義して研究をするものです。
費用を最小化するって、業務のオペレーションコストを究極まで削減しようという業務ハッカーたちのお仕事でやってることとほぼおんなじ!
ここで、経済学っぽい観点から、業務ハック、費用最小化がビジネスの成長にどれほど有用なのかを確認してみたいと思います。

事業の開発とともに生産性は下がり成長が鈍化

ほとんどの場合、新しい事業やサービスを開発したとき、それに付随する業務が発生します。事業をなにもやっていないときには保守のような業務工数がかからなかったのに、サービスを提供することになった瞬間にいろんな業務をしないとならなくなるのです。
新しいサービスを作った瞬間に、
・そのサービスを紹介するWebサイトを作らないといけない
・そのWebサイトの更新
・お問い合わせの対応をしないとならない
・サービスマニュアルを作成して
・マニュアルを更新し続けないとならない
などなど、ほんとにほんのわずかな何かを提供することになった瞬間に多くの場合は付随する業務が発生して、そのために事業開発の生産性が下がります。
つまり、新規サービスの開発力は、事業規模の拡大とともに低下していくという宿命を帯びています。この宿命に抗うのが、業務ハックなのです。
新規サービスの開発力と事業継続期間について図示すると、こんな感じになります。

GYOMUハックが軽視されてるときの事業成長

社内リソース、運用工数、新規サービス開発力(成長力)

画力やデザインセンスが皆無なので、文章で解説させてくださいな。
社内リソースが100あるとして、この100のリソースを
新規サービスの開発に割り当てるか、
開発されたサービスの提供とか保守などの運用の工数に割り当てるか、
というように配分するものとします。
すると、上の図では、新規サービスを開発すればするほどに運用のための工数も増えていくので、開発力は鈍化していき、やがてゼロになります。
新規開発力を担保していくにはどうしたらいいでしょうか?
開発に割り当てられるリソースを増やす、つまり人員拡大をする、というのがひとつの手段として考えることができます。

生産性をリソース増強により担保したとき
社内リソース、運用工数、新規サービス開発力(成長力)リソース増やす

社内リソース(青い線)を増大したとしても、事業の成長力は一定の水準(黄色い線)となります。リソースを増大すると、売上が好調なうちはいいのですが、いつか来るかもしれない不況に備えて、内部留保をしていないといけない、固定費用が高くなってしまう、という課題があります。

成長力は鈍化するのが定め

新規サービス開発力(成長力) と 事業継続期間(月)

事業の継続期間が長くなったりサービスの規模が大きくなるほどに、新しくサービスを生み出したり、提供するために割けるリソースは低下し続けるのです。これを、限界費用逓増とか、限界収入逓減とかっていう言い方を経済学ではします。

この成長力の鈍化を食い止めることをしなければ、事業が成長できない。
業務ハックをしなければ、事業成長には多大なリスクが伴うのです。

事業成長

事業が成長するためには、オペレーションの費用を最小化する、という観点を持ったスペシャリストの存在が不可欠なのです。

業務の効率化が事業成長にどう影響を与える?

さきほど、「GYOMUハックが軽視されてるときの事業成長」という図を示しましたが、業務ハックが活躍しているときの事業成長ってどんな感じになるかを見てみましょう。

運用の効率性を倍にした場合の事業成長

社内リソース、運用工数、新規サービス開発力(成長力) (1)

マジヤバくね?グラフの描画力がもう、ほんとうに壊滅的なのもそうなのですが…。
仮に、運用の業務にかかるリソースを半分にしたとき、つまりオペレーションの生産性を倍にしたとき、新規サービスの開発力や事業の成長力は、事業の継続期間が長くなっても高水準を保ちつづけます。赤い曲線の右上がりの傾きを小さくするほど、つまり、運用工数、保守の生産性といったオペレーションのコストを事業規模にかかわらず小さく、最小化させようとしていくほどに、新規事業を開発したり展開していくための成長力を確保できる、ということがいえるのです。

事業を成長させたいなら業務ハックこそがカギとなる

事業を成長させるには、売り上げをあげてくる花形というかスタープレイヤーみたいな人をたくさん育てることが大事、というように言われ、業務ハックの領域はコストセンター、あたかもお荷物、みたいにいわれることももしかしたらあるかもしれません。これは、短期的な売上の最大化、という観点では一つの合理的な意見ではあります。そのお話しもいずれ書けたらなあと思っています。ただ、売り上げを無尽蔵に上げ続けよう、事業をどんどん成長させ続けよう、というときに、オペレーションコストが高くなってしまうと、どれだけ売り上げの高い新規のビジネス機会を創出したところで利益は小さくなり、次第にマイナスとなってしまうのです。

ずっと継続して事業を成長させるには、業務ハックこそが大事、というのが経済学とか合理的という観点からいうことができます。

画像6

おわりに

ここまで、ビジネスの成長には業務ハックってマジで大事!ということを経済学とか合理性とかという観点からお伝えしてきました。
業務ハッカーのみなさん、業務ハッカーを目指すみなさんに、どれだけ業務の効率化って大事なのかお伝えし、勇気をもって業務をし、業界や業種を超えて一緒に成長したい、って思っています。

ただね、「とはいえッッ!」なのです。本当に一番大事なのって、私たち業務ハッカーの仕事が合理的だよ、素晴らしいよ、というのを私たちが理解することではないのです。私たちは誰を相手に仕事をしているのかということをわすれてはならないのです。合理的経済人(ホモエコノミクス)を相手にしているのではないのです。経済学という学問では分析対象を、あらゆる場合も合理的な意思決定をする合理的経済人であるという仮説で扱います。
しかし、そんな人は現実には存在しません。業務ハッカー、エンジニア、科学者、などの属性の人は合理性に近いところにいるので合理的行動を好む傾向にあると私は考えています。でも、私たちが仕事をしている相手は、ホモサピエンスという、部分的にしか合理性を持ち合わせていない人類なのです。

合理性を極めていない人たちに、合理的に考えると、合理的な振る舞いを行うことこそが重要なことである、正しいことである、ということを言ったとして、別の観点から屈服させられて苦い思いをしてしまうことがあるのです。

今年のGYOMUハック アドベントカレンダーで、本当に衝撃的だった記事がこちら。

業務の合理性のみを追求し、これまでに培われていた空気感といいますか、人間の感情に寄り添っていなかった結果、成果をあげていたとしても迫害されてしまうということが起こったのです。

このようにならないように、どれだけ業務ハックに価値があるとしても、事業の生産性に寄与できることだとしても、業務を提供する相手に合理性という観点からだけではなくて、人間性、感受性を持って接することが一番重要なのです。

業務ハックが価値あるものとして受け入れられ、自社の事業の成長に貢献することが業務ハッカーとして実現すべきことです。業務ハックのビジネスにおける価値は極めて高いものです。その価値が心地よく組織で受け入れられ、業務を変革し続けられる文化を作ることまでを実現できるよう、業務ハッカーとして挑戦を続けていきましょう!

エモーショナルな、人の気持ち、他者への共感を身につけた業務ハッカーこそが最強のビジネス人材であると信じてやみません。

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