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半導体チップは高層都市に似てる

テカナリエです。今日からNoteを始めたので初日くらい2つ書こうかなってことで2つ目を書きます。最初の写真は2020年にAppleから発売になったiPhone12のプロセッサA14 BIONICの一部分です。顕微鏡じゃないと見えないミクロン単位の小さな文字がプロセッサに載っています。実際には30ミクロンくらいの文字なんです。3/100ミリメートル。肉眼じゃ見えないですよ。

こんな小さな文字がほとんどの半導体チップには入っています。いわゆるシリコン文字でメーカー型名だったり、会社名だったり、ときには記号や絵が入っています。猫の絵やメッセージが書かれている場合もあります。これを探すのも解析の仕事の楽しみの1つです。型名はチップをパッケージから取り出して平面として上から見たときに見えるんですよ。顕微鏡を使ってチップの隅から隅まで観察して探すわけなんです。

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これは平面ではなくてプロセッサを横から切断した様子なんです。iPhone12の基板をチップ込みで丸ごと切断して顕微鏡で撮影した様子なんです。上からメモリー、青い矢印の場所がA14 BIONICプロセッサ、その下の縞模様の場所が基板(チップを置くところ)一番下がインダクターって部品です。基板は縞模様になっているように、多くの層になっています。バームクーヘンみたいですよね。

たくさんの配線が行き来するのでたくさんの層で出来ているんです。都市も地下にたくさんの地下鉄、高速道路、水道、電気が走っているし、地上も高層化されていて道路やビルで縦方向が機能的に作られていますよね。半導体も一緒なんですよ。演算する街、記憶する街、ひたすら比較する街なんかがあって、それらを配線でつなぐ。電気を供給するだけの電源ラインとかまるで都市のように出来ているんです。そのため高層化がすごい進んでいる。

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これはちょっと見えにくいんですけど、A14 BIONICの上の写真よりももっと拡大したSEMという装置を使った写真です。シリコンの表面の写真なんですけど、シリコン表面にも多層の配線があるんです。10層を超える配線です。10階建ての高速道路だと思ってください。一番上は遠くまで道路、その下はちょっと遠く、下は隣町に行くみたいな使い方をしています。どんな半導体もトランジスタというスイッチと配線で出来ています。

配線は100%使えればいいんですが、街を作ってみたら(家の家具配置でも)どうしても使わない空きスペースが出来てしまう場合ってありますよね。

そうした空き地というか使わないスペースに配線の素材を使って設計段階で文字や絵を描くわけです。それが一番上の文字なんです。

チップの機能やコスト解析が目的の調査をしているんですが、やはり面白い文字やメッセージ、絵を見つけると楽しいです。顕微鏡でしか見えない世界ですけどね。

今週は結構忙しいので、もう一回Note書けるかな。。

ではまた

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