UCIe
半導体パッケージ内のチップレット間の接続を定義するUCIe(Universal Chiplet Interconnect Express)の概要について記載します。
チップレットは、従来のモノリシックチップ(半導体メーカ1社が1チップ上に集積した大規模チップ)をあえて機能毎に分離した小さなチップを意味します。チップレットはインターポーザ(チップレット接続する基板)上に実装して大規模チップを構成します(IntelのCPUとnVIDIAのGPUが1チップになるイメージ)。このチップレット間の通信がUCIeになります。
UCIeの検討メンバーは、Alibaba、AMD、Arm、ASE、Google Cloud、Intel、Meta、Microsoft、nVIDIA、Qualcomm、Samsung、TSMC。
背景
半導体は、チップ上に集積する素子や配線の微細化で進化してきました。微細化できれば、より大規模な回路/機能が実装でき、消費電力も低減できます。近年、微細化は進んでいますが、歩留り低下(半導体製造中の不具合)が頻発し、半導体ビジネスへの影響が懸念されています(モノリシックチップの一部分で不具合が発生したら、そのモノリシックチップは売り物にならない)。
機能毎に分離することで各チップレットの歩留りが上がり、各チップレットを組み合わせて1チップにした方が結果的に歩留り向上を見込めるため、UCIeの検討が始まりました。
UCIeの構成
<プロトコル層>
PCIe 6.0やCXL 3.0をサポート。CXL(Compute eXpress Link)はPCIe(Peripheral Component Interconnect Express)よりもCPUやGPUの互いのメモリを直接参照/更新できる(キャッシュへのアクセスも可能)。
<Die-to-Die アダプタ層>
プロトコル層のアービトレーションをサポート(CRCやリトライにも対応)。
<物理層>
電気的インタフェースをサポート。スタンダードとアドバンストの2種類。
・スタンダードはデータレート16Gbps、バス16本、DDRで双方のため、1Tbps(16Gbps×16×2×2)。
・アドバンストはデータレート16Gbps、バス64本、DDRで双方のため、4Tbps(64Gbps×16×2×2)。
参考)PCIe
PCIeの接続は以下の通り。
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