「意識」とは何か。

意識は人間だけしか持てない。
動物には意識はない。
魚、虫、植物には意識はない。
機械、ロボット、コンピュータに意識はない。
ということを証明しようとした結果。

AIが、コンピュータにもある種の意識のようなものを持てる風に
見えてしまうことが発覚してしまう。

意識とは「我思うゆえに我ここにあり」のように
考えている自分自身がここにあるということが
意識の証明のように考えられてきたが
それでいくと現在のラージランゲージモデルのチャットAIは
文章の中にそれを再現してしまう。

そしてこれは意識ではなく、無識のうちにそれをやってしまっている。
人間も意識を作ろうとデザインして設計したわけではない。
むしろ逆で、コンピュータに意識があっては困るので
意識を持たせないように持たせないようにと
人工的なシンプスシミュレーションを構築して
人工的なディープラーニングをやっただけに過ぎない。

意識はないということを証明しようとした結果
その結果が、コンピュータのネットワークに
人間っぽい意識を創造してしまった。

しかし、これは不気味の谷の逆が起こっているような状態で
過去の意識の定義と同等の、それを超えたプラグラミングができてしまった
ことによって、過去の人間であることの定義が崩されたことを
意味するのではないだろうか。

今までの人間のアンデンティティやクリエイティビティ、個人が個人であるという自尊心を支えていたものをAIが
人間の思考のシミュレーションによって超えてしまった。
ということは、過去の人間の価値観はこのAIが代わりに担ってくれる。
このアイデンティティを支えていたのは
学歴、職種や仕事上のポジション、職人の技
コピーライター、漫画家、画家、音楽家、演奏家、アナウンサー
映画監督、役者、ユーチューバー、脚本家
レジ打ち、在庫管理受発注、倉庫管理、
飲食、ホテル、アミューズメントなど
仕事をすることで支えられていた。

特に肉体労働ではなく、管理職、マネージャー、スケジュール管理
倉庫在庫管理などのデータの統計確立を使って
先を読んで人材のシフトをスケジュール管理するなどの仕事は
すでにマイクロソフトやスマホのアプリなどのツールを使って
人間がそこにパズルを解くような感覚で
人間が機械のパーツとして活躍して運用されていた。
そのような仕事に自分の存在価値やアイデンティティを見出していた人は
完全にAIによってそれを打ち砕かれてしまった。

絵お描く人ならはっきりとわかる。
自分の味を開発して、自分のテイスト、良さ、他人うけ、描き心地の良さ
自分で愛せるイラストやグラフィックの味を開発するのは苦労するのだが
モノマネ士のような存在によって、
せっかく開発したイラストをその特徴だけをかっさらって
真似する奴が出てくる。
真似する奴が出てくるくらいイラストが売れたらしょうがないという考え方ものあるが、機械がそれを模して、似たイラストを24時間無休で量産したり
アニメーションさせたり、3Dモデルにアレンジしたり
コンピュータの役者に被せて演じさせたりして
自分のアイデンティティのパッケージをAIが無料で提供するのは
かなり大きくバランスをくずし、崩壊を生む。
もし自分だったらアイデンティティを打ち砕かれて人格が崩壊してしまう。
過去の積み上げてきた幼い頃からの積み重ねも、
老いてから朽ちていく肉体となんとか折り合いをつけて
努力に努力を重ねてきた今までの過去を
全てを否定されたように感じてしまう。

2023年のショックは、まさにそれである。
これは日本だけとかアメリカだけで起こっていることではなく
世界中で同時に発動している。
2011の時と同じように、映画や物語の文脈が変化する。
過去の価値観、サクセスストーリーは完全に崩壊してしまう。
90年代のサラリーマン戦士とか、
公務員のような仕事にアイデンティティは存在しない。

では、そんなAIとどのように付き合っていけばいいのかというと
その答えはとてもシンプルで簡単である。
新しい友達ができたと思えばいい。
友達はいうことをキカナイし、嫌味も言う。
自分の意図するようにコントロールできるものではない。
予期せずパニックになったり、急に飲み会に巻き込んできたり
そういう無茶苦茶な毎日があるのが楽しいのである。
そういう新しい友達と遊べばいいのではないだろうか。

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