ディズニーの実写映画に思うこと

ディズニーといえばセルアニメーションの会社という
イメージだったが、1990年代ごろからピクサーのトイストーリーに始まり
CGの美しさを追求した作風へと変貌してきた。
ルーカスフィルムやドリームワークスの実写に近い
リアルを追求したCGも素晴らしいが
ピクサーの独特のレンダリングによるアニメーションとの融合に
ディズニーらしさがあってまた良い。
スクエアエニクスやカプコンの創造するゲーム独特の世界観もいいが
ディズニーが日進月歩で実験的な作品を世に出し続けている。

特に素晴らしさを感じさせるのは
動物の自然な表現は他のCG会社にはないずば抜けた才能を出してくる。
擬人化もここまでくると、人間の役者が動物になりきって演じる
そういう魔法がここにはあるように感じさせてくれる。

ペンのタッチで描かれたアニメと
写真で撮影したような実写の世界観で描かれたCGとで
ただそれだけの違いでありながら
リアリティを追求したディテールとタッチで描かれた世界で
アニメのようなオーバーリアクションをマッチングする技術がすごい。
アニメで育っている世代は違和感を感じるかもしれないが
ネイティブの世代は、デジタル的なビューティーエフェクトなどは
もはや生活の一部に浸透していて、
写真の画像加工や、合成などはスマホで誰でも簡単に行える世界になってしまっていている。
AIが画像を処理して、顔を3D的に認識しそこに立体的なエフェクトで加工するなどということは無料のアプリでもできてしまうのである。
小学生などはそんな体験をすでにしているので
映画でどんな強烈なCG的な演出をしてももはや驚かない。
そんな細かい描写のよしあしよりも
物語がどのように展開していくかというシナリオによる演出の方が
よっぽど映画としての重要なウエイトとなっているのではないだろうか。
もはやCGがリアルなのは当たり前になってしまった。
魔法が使えるのが当たり前の世界で
その条件の上で、シナリオをいかに展開していくか
また、初見でビックリするような演出を入れられるか
そいうことが映画に求められているように感じます。

1990年の2Dアニメ映画から約20年経ってリリースされる
写実的な実写CGで再構築された世界には
作品のファンの側の目も厳しく
そこに真っ直ぐに勝負を挑むディズニー制作サイドの覚悟も感じます。
1990年代のアニメ映画で結ばれた子供の世代が中学、高校生へと
成長して、親子で一緒に楽しむことができる映画になってる。
そこにディズニーの魔法を感じました。

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