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いちごの天ぷら@藪そば

noteを始めるにあたり、最初の記事は絶対にいちごにしようと決めていた。

いちご。
果物の女王。

1月15日にこの記事を書いているのも何かの縁かもしれない。
今年もたくさんいちごを食べられたらいいな。

2022年1月12~18日の期間、三越日本橋本店で「いちごさんフェア」が開催。
「いちごさん」は、2018年に佐賀県で誕生したいちごの新しい品種らしい。

コラボメニューのラインナップを眺めていた。
あるメニューでスクロールする指が止まってしまった。

築地藪そば「いちごの天ぷら」

いちごの天ぷら?

どうやら、いちごに天ぷら衣をつけ、さくっと揚げたものらしい。

蜜になる砂糖をつけて食べるとより美味しいのだとか。

……食べたい。
食べたい食べたい食べたい!

というわけで、新宿伊勢丹で開催されていた「いちごに恋する7日間」を経由して、やってきました三越日本橋新館B1階「築地藪そば」。

実は、藪そば自体入るのは初めて。
17時少し前だったからか、お客さんは私一人。

いちごの天ぷらだけ頼むのもな……と思い、おすすめメニューにあった割こそばを注文。
食後にいちごの天ぷらを持ってきてもらうことにした。

やっぱり老舗ってすごいのね。まずは、割こそばを見てくださいな。

3種類のおそばがどーん!

天ぷらはさくっとジューシー、とろろはもっちりねばねば、特製練り物も歯ごたえがあっておいしい。
刻み海苔ではなく、手でちぎった感じの海苔もなんだか粋な感じがする。

さっとつゆをかけて、ずずっと啜りたいところだが、生憎私には啜る技術がない。

冷めないうちに天ぷらそばを食べ(エビの天ぷらが3つも入っていた)、練り物ののったそばをちゅるりと平らげ、もはや固体に近い粘度のとろろそばに海苔と薬味、残りのつゆをこれでもかとかけていただいた。

こりゃ、うんめぇわ。また来よう。他のおそばも食べてみたい。

とろろそばに取りかかる前に、いちごの天ぷらを揚げ始めてよいかと聞かれたので、お願いした。
そう、今回の主役はあくまでいちごさん。

厨房の方から油のはねる音がする。目の前で天ぷらを揚げてもらうようなお店に行く機会はかなり減ったが、揚げ物の音はやはり食欲をそそる。

それが、たとえいちごを揚げている音だったとしても。

出てきたソレを見て、驚いた。
紹介記事に載っていた写真とほぼ同じものがそこにあった。

どうやら、いちごさんは強靭ないちごらしい。高温の油の中にいたにもかかわらず、身が崩れることはなく、色も保たれたままだ。

このタフさゆえに、生産者も「このいちごにはさんをつけろよデコ助野郎!」と思ったのかもしれない。(※個人の勝手な想像です)

猫舌だが、熱いうちに食べてしまおう。いちごで口の中をやけどするなんて、滅多にできるもんじゃない。

とりあえず、何もつけずにパクリ。

サクッ……
じゅわぁ……

効果音だけだと、コロッケだかメンチカツのように聞こえるかもしれない。実際、私の脳内は混乱していた。

職人の技術でサクッサクッに揚げられた衣。中から溢れ出る肉汁……いや、果肉汁?

決してまずくはない、むしろ美味しい。

続けて、蜜になる砂糖をちょんとつけてぱくり。

三温糖のようなやさしい甘みがいちごさんの甘味と酸味を引き立てる。この組み合わせ、たまらない。

衣の中のいちごさんは、コンフィチュールを作る中でちょっぴり味見した食感に酷似していた。
形を保ったままなのに、噛むとほろりと崩れてじゅわり、となる。

そこに、サクッとした衣が組み合わされているのだから本当にわけが分からない。ただ、箸は止まらない。
できることなら、あと1皿、いや3皿は食べたい。

ただ、この日は他にもいちごを摂取していちご過多状態。荷物の中にもいちご大福やいちごのケーキがたんまりある。

泣く泣く、お会計することにした。

私がいちごの天ぷらを食べているのを心配そうに見つめていた店員さんから、会計の時に尋ねられた。

「どうでした?……いちごの天ぷら」
「めっちゃおいしかったです!」
「へェ、それは良かった」

店員さんの口調につられて、「今何時でぃ?」って聞くところだった、危ない危ない。
こちとら江戸っ子、宵越しの銭は貯金箱にGO!常に持ち合わせがないもんだから、クレジットカードで支払った。支払いがんばれ、来月の私。

「ごちそうさまでした〜!」

意気揚々と店を出た数歩先で、スパークリングワインを飲み始めるのだが、これはまた別の機会に。

期間はあと数日しかないが、三越日本橋新館の藪そばで食べられるいちごの天ぷら、ぜひ食べてみてほしい。
きっと、いい経験になるから。

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