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お茶生産者さんの今年の新しい取り組みは?byオンラインお茶会

2021年2月27日のオンラインお茶会は、岩永製茶園さん(熊本)、宮崎茶房さん(宮崎)、太田重喜製茶工場さん(佐賀)、中窪製茶園さん(京都)、有機まつえ茶の宝箱さん(島根)、ヤギ農法釜炒り茶柴本さん(静岡)の生産者さん多数の豪華メンバーによる座談会でした。

作る人と飲む人がつながるオンラインお茶会

今回のテーマは、「もうすぐ春・2021年、作る人がやりたいこと、飲む人がやってほしいこと、大放談!」です。暖かくなってきたこともあり、生産者さんに今年の新しい取り組みを聞いてみました。

最初は、島根の宝箱さんです。くろもじを使ったお茶をご紹介されていました。くろもじは和製のローズウッドと言われるくらい香りが高く抗菌作用もあるため、免疫機能をあげるといわれているそうです。アールグレイのような香りがするので、焙じた番茶とまぜたりハーブのように販売していきたいということでした。

京都の中窪製茶園さんは、手摘みのチャレンジをしていきたいということでした。背景にはこのコロナ禍の1年でまわりだけでも10軒もの方が農家をやめてしまったことがあります。茶畑を引きうけたうえで、そういった茶摘みのベテランさんたちをいたわりつつ、手摘みのノウハウを生かしてあげたいということです。

太田重喜製茶工場さん有機JAS認証をとろうとして書類がなかなかてこずっているそうです。また、5年近く耕作放棄地になってしまっている土地をうまく活用していきたいと語っていました。

ヤギ農法釜炒り茶柴本さんは、なんと自力で建築できるキットを購入して小屋を建てようとしているそうです。そこでは売店の機能のほか、鑑定や試飲会ができるスペースにしていきたいということです。また、茶畑でも成育が弱いところと強いところがあるため、水の流れを工夫することで肥料ではない方法で改善がみられるかチャレンジしていくと話していました。

宮崎茶房さんは、20種類以上の品種を栽培する品種王と生産者の間でも呼ばれているくらいですが、今年はさらに複数の品種を植えるようです。白茶や焙煎茶のほか、火入れを見直してさらにおいしい紅茶を目指していきたいと語ります。また、お茶を飲む場所を計画してつくれたらいいなと思っているそうです。

岩永製茶園さんは、近年、ご自身が思っている以上にご自身の紅茶を高く評価して頂けるようになってきているので、紅茶用のパンフレットネット販売なども準備をしなければいけないと考えているということでした。母と二人で運営しているので手が回らないのが悩みだそうです。

今回も20名を超える参加者からは質問が相次ぎました。土質についての質問には、中窪さんからとても興味深い回答がありました。南山城にいくつも茶園があるそうですが、琵琶湖に沈んでいた場所の紅茶は味が濃くでて後に残るのですが、沈んでいなかった地域の紅茶は香りがたつけれど熟成しにくく味が抜けるのだそうです。

宮崎茶房さんからも土質によって茶樹の根の張り方が全く異なるとこたえていました。

他にも、ウーロン茶のような中国茶風の発酵茶への取り組みについての質問や、普段飲むお茶と特別な時に飲むお茶を生産者さんに直接質問して各生産者さんから興味深い回答を頂きました。

飲む人からは、たくさんの種類の和紅茶がある中で、少量ずつ試せるアソートパックが欲しいという声があがり、参加していた方々から賛同の声が相次ぐシーンもありました。生産者さんとのトークは尽きることはありませんでした。

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