モタイヨライOT3について(中編)

というわけで本題のルールについて書いていきたいと思います。正直な話これが書きたいが為に書き出した。




モタイヨライSAとOTでは細かいながら毎回ルールが変わっています。基本的にルールは脳内、あるいは机上(アナログチックに紙に書き出してみることが多いです)で出して実行しているのですが、当然ながら実際にやらないと気づけない部分があります。そういう部分を毎回修正していってる感じですね。
それともう一つ、2回に1回は新たな思い付きを入れるようにしています。正確には1回はその形式を保ってやって、その次はガラッと変えてみるということですね。モタイヨライというイベントそのものは今回で5回目になるわけですが、

1周目:スコアタ(持ち寄ったものをくらたが選ぶ)
2周目:スコアタ(持ち寄ったものを投票制で選ぶ)とオンライントーナメント追加
3周目:オンライントーナメントのトーナメント形式変更と課題曲の選び方の一新

となっています。
早速今回はどのように変わっているのかということを書いていきたいのですが、そのままに押さえておくべきベースポイントを話しておかなければなりません。



・ベースポイント


このイベントは「地力に関係なくみんなが楽しめる」ことを念頭に開催しています。ガチ勢エンジョイ勢という言い方はあまり好ましくありませんが、言うなればどちらのポジションに立っていても楽しめる要素を見出せるようにということです。
その為、以下の2点はキープして考えるようにしています。


①課題曲の募集に難易度制限を設けない
②勝敗を星取制にする


①は正直一番大事です。
課題曲を持ち寄るというのは、各々の好きなorやりたい曲が持ち寄られている、のが普通だと思います(もしかしたらやりたくないのを嫌がらせで入れた人もいるかもしれませんが…)。それは大体の人がそこそこ高難易度の曲だとは思いますが、中には低難易度が得意で11とか12を入れたい人もいると思います。個人的にそういう曲を拾ってみたいし、そういう「普段やらない曲」をやるような機会になって欲しいなと思っています。その為課題曲に関しては難易度制限を設けないようにしています(ただ今回は対戦形式メインということもあるのでHARDとW-HARDという制限だけはかけました)。

ただ仮にもオンライントーナメントなのでその低難易度曲でも勝負しなくてはなりません。そのためにセットで必要になるのが②の「星取制」です。
音ゲーにおける対戦形式には大雑把にいうと「スコア合計制」か「星取制」の2種類があります。このうちスコア合計制は文字通り対戦楽曲のスコア合計点で競うわけですが、当然ながら「合計点」ですので、仮に3曲勝負において低難易度で2勝をもぎ取れたとしても残りの1敗で大差をつけられてしまえば負ける可能性も大いにありえます。となると課題曲もそれを意識して相手との点差を広げれる曲、すなわち「高難易度」曲に偏りがちとなるわけです。
となるとせっかく難易度を幅広く取っていても別のルールで実質的に縛っていることになってしまう。なのでこの②の星取制というのは①と組み合わせて必ず必要となるルールなわけです。
ちなみに星取制は格下が上に一発入れれる可能性もあるという含みもあります。例えばめちゃくちゃ安定してる中or低難易度を投げて3曲目で中or低難易度を引くパターンですね。それだけ聞くとだいぶ低難易度勢寄りのルールになってるようにも見えますが、課題曲を当日に言われてそのまま対戦する一般的なトーナメントと違い、この大会では課題曲が決まってから練習することができ、その点でバランスは取れているのかなと思います。上手い人はいくらそれを普段やってなかろうがやりゃ上手いので、それだけで勝てるほど甘くはないでしょう() 「地力に関係なく」というのは、当然地力が高い方にも言える事なのです。

以上がベースポイントとなる二つのポイントでした。めちゃんこ長ったらしくなってしまいましたが、要は「好きな曲投げて楽しく勝ちましょう」というワケ。
この2つのポイントを押さえた上で、今回ルールがどのように変わったのか、順に見ていきたいと思います。



1.予選としてのモタイヨライSAの廃止


元々スコアタとして始まったモタイヨライというイベント。そして第3回からモタイヨライOTは始まったわけですが、最初はモタイヨライSAの順位で決勝トーナメント進出者を決めていました。元々SAの参加者が多かったので、ある程度人数を区切った方が運営しやすいと思ったのが一番の理由になります。
ただ、前回書いた「自己ベは他の人に少し劣るかもしれないけど一発勝負に強い人間」に輝いて欲しいと思っているのに、スコアタという「出してしまえば勝ち」というルールで進出者を決めてしまうのはやや矛盾しているのではないかと思ったわけです。実際その辺りが極端に乖離してる人はいないと思うので杞憂ではあるのですが、筋が通っていないものを放置しておく人間もそういないでしょう。
また、大会進出をかけたスコアタをやるにあたっての適正期間がつかみきれなかったのがもう一つの理由です。どこかで「スコアタの理想の開催期間は3曲で9日〜14日くらい」という話をしましたが、次なる大会がかかっているのにそんな短い期間でいいのか?という疑問がありました。実際のところ前大会は別事情があったとはいえ期間を伸ばしましたし、今回もやるならば長めに取るつもりではありました。ただそうするとスコアタの理想期間としているものを崩してしまうことになります。その辺りに個人的な葛藤がありました。
そのようなことがあって今回はSAによる予選はなし、参加したところから即トーナメント開始!という形式を取ることになりました。実際二回のOTを経てトーナメント運営にも慣れたので、仮にSAと同じ数の参加者がきても捌ききれると思ったのもあります。更に差し迫った事情を言えば仕事の都合でSAをやった上でOTに移行するという形式は逆に重荷になる可能性がありました。以上の理由で当形式となったのです。


ただトーナメントをポンとやって一度負けたらハイ終わり〜だと悲しいですよね。そこで目をつけたのが「ダブルイリミネーション」というトーナメント方式でした。



2.ダブルイリミネーション方式について

任意の大会に出ることがない方は今回初めて聞いた方式ではないでしょうか?
通常のトーナメントでは一回負けたらその時点で終わりですが、このダブルイリミネーション方式は二回負けるまでは敗退しません。仮に事故で一回戦に敗れたとしても残り全部勝つことが出来れば優勝できるというわけですね。これは先に述べた「星取制で一発くらいやすい」ということに対しての緩衝材の役目も果たします。試行回数が多い方が誤差は縮まっていくという理屈です。

先にも述べた通り、今回のOTにはSAによる予選というものがありません。そのため人によっては(というか参加者の半数は)一試合やってそのまま終わってしまうという懸念事項があります。それは流石に運に左右されすぎるので、今回この方式を採用することにしました。
ただ一敗された方は身に染みたと思いますが、この方式は負けるタイミングが早ければ早いほど試合数がめちゃくちゃ増えます。今回だと仮に全勝して優勝するのには7試合、損くじ引いたところで負けてそこから優勝するのだと12試合が必要となります。これは当人も大変ではありますが運営としても管理する試合数が多くなるということでもあります。なので今まで若干渋ってた節がありましたが、今回は形式上必要不可欠なものかなと思い採用しました。結果から言えば他の要素との兼ね合いで成功だったので、今後もやるならばこの方式でやっていきたいなと思っています。




3.持ち寄り曲

この大会を大きく左右するのが持ち寄り曲のシステムです。前回はSAの課題として1曲ずつ持ち寄り、それをそのまま通常課題曲、抽選枠は主催が考えるというシステムで行っていました。

~今回の持ち寄り方~
3曲を通常持ち寄り曲、1曲を隠し持ち寄り曲として持ち寄っていただく
但し自選曲の選曲に関しては3曲中2曲しか使用できない

元々課題曲の選曲制限に関してはノスタルジア部門で考えた方式で、それをリフレク部門で応用すれば面白いのではないかと考えました。3曲ずつなのは試合数の増加(実際今回は全部で67試合発生します)に対応する意味で、この辺りは自由度を上げた感じですね。3曲中2曲までしか選べないということは1曲は使えないけど出さねばならないということになります。それを普通に自分が選べるものにするか、はたまたただの見せカードとして脅しをかけるのか、その辺りの戦略を考えれるのが面白い要素かなと思って入れました。

隠し持ち寄り枠は今まで僕が作ってきたいわゆる「闇鍋」を皆さんで作ってもらおうというとてもシンプルな考えです。後述しますが3曲目はすべてこの隠し曲枠から選ばれることになっており、皆さんの独断と偏見と良心の呵責と自称穏健派の歌劇思想がどう火を噴くかとても楽しみでした。しばらく前に隠し枠大発表会をしましたが、そちらに関しても楽しんでいただけたようで何よりです。
放送はこちらから。



4.選曲方式

ここで前回までの方式のおさらいをしておきましょう。

〜モOT2.〜
1曲目:今回モタイヨライされた曲のうち、課題曲を除いたものからSA順位が高かった方の選手が1曲選曲
2曲目:1曲目と同様のリストから抽選(但し1曲目に選ばれた曲は重複しないものとする)
3曲目:主催が用意した課題曲リスト3つからSA順位が低い方に1つ選んでもらい、その中から抽選

モOT2ではSAによる順位付けがあったため、このような選曲となっています。個人的には2曲目の「抽選リストを選び抽選」というのが割とお気に入りで、エンジョイ要素を増やすという意味でいい役割だったと思います。
出来れば今回も採用したくはあったのですが、ランク付けができない事、かといって事前抽選だと1曲目の自選枠を獲得するのに実力ではなく運に拠るのが好ましくないということで、今回はお蔵入りということに。可能であればいつかまた採用したいですね。


ということで今回は以下のようなルールになっています。

1曲目:エントリーNo.が若い方が「通常持ち寄り曲」リストから選曲
2曲目:先程とは逆側の方が「通常持ち寄り曲」リストから選曲
3曲目:「隠し持ち寄り曲」リストより抽選

今回はシンプルに自選、他選、抽選の3枠構成に。対戦形式という意味では選曲は公平であるべきではあり、理想的な方向に近づいてはいます。但し考えなしに理想的な方向に近づけていくとお遊び要素が削られていく懸念もあり、その辺りは手をかけてでもバランスを取っていく必要があると考えています。


ルールそのものの話は以上になります。
後編では注意事項を踏まえた総合的な話とかおまけ話をしたいと思います。



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