ハンドメイド・カタルシス②

家につくなり、朗読劇の余韻に浸る前にタブレットを開き「推し活 ブロマイド ケース」と調べた。

すると、さっきまで目にしていた色とりどりのケースの画像が映し出されていく。
そしてどの画像の見出しにも出てくる「簡単硬質デコケース」の文字に吸い寄せられるように…というよりもはや食いつくように一つ一つのサイトを物色し始めた。
驚くことにそれらを作る材料の殆どは百均で売っているというのだ。
確かに百均にそんな感じの物が売っているのは認識していたが、それまでの私には必要がなく通り過ぎているだけだったが、まさかこんな所で利用する事になるとは…。

それからは百均を何軒も練り歩き、作りたいデザインに近い材料が揃うまで通う毎日。
それから数日経ったとある休みの日に、私は「硬質デコケース」を作る作業に移った。

最初こそ不器用が出すぎる程の失敗作ができたもののすぐに慣れ、サイトに載っているのと同じくらいのクオリティの物ができた。

その時の達成感と謎の自信に満ち溢れた自分は今でも覚えている。それからは、幾つかのデザインのものを一日に多いときは4つ程作るまでにはハマっていた。

そこで一つふと、自分の中でモヤモヤしている気持ちだったり、何処か消えない感情がなくなっている時間もあった事に気づいた。そして咄嗟に脳裏に浮かんだ言葉が「ハンドメイド・カタルシス」だったのだ。

不思議な話だが、なぜ浮かんできたのかは今でも分からないまま。

関連する言葉をテレビでも、ゲームでも、小説でも…何処を取っても見つけた覚えはない。

でもだからこそ刺さったのだと思うようにしている。

私の執念と貪欲なものづくりにはこの言葉が1番似合う物にこれからもしていきたいものである


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