チャンピオンズ5年

チャンピオンズC レース展望

中京競馬場にて行われるダート1800mのG1。
中京でこのレースが行われるようになり5年、過去のラップタイムなどようやく信頼できるデータとして生きるようになった気がします。

中京ダートのコース形態とG1レースのハイレベル馬で構成されたこのレース、過去5年のラップ推移は上記の通り。
2F目が11秒前後となりかなりのハイラップ、その後3F目にマックスラップが存在してそれ以降の4F目からはほぼ徐々に加速ラップを刻む。

また小回りではあるが幅広なコース、特に4角はスパイラルコーナー。
直線が短い事も有りこの「4角」をどのポジションで回るかにより勝敗は大きく左右する。

このスパイラルコーナーでの位置取り。
例えば好位から抜け出す場合はトラック的には2.3.4.5と言ったコースを通過して直線を迎える訳で、各馬の脚質によってはここで大きく外に振られる事も多い。
しかし後方からの差し・追い込み馬に関しては、この前方好位組が外に振られる事を考慮して道中はインベタで足をためて「4角最内からの加速」と言う馬が穴をあける事にもなるコース形態である。

逃げ・先行で抜け出すには1.2コースを通過できない限り厳しい。
また中段から競馬するとすれば、外を回してのロスを考えると4角の外出ししかない。逆に後方待機組のほうがインベタに徹して4角にて群がばらける展開に期待して直線の進路を確保しやすい、そんなトリッキーなコース。

このあたりを充分に踏まえて各有力馬の前哨戦を見てみる。

チャンピオン STP

赤太線がチャンピオンズCの過去5年の平均ラップ推移。

今回人気の予想されるクリソベリルは船橋での日本テレビ杯1800mをの勝ってここへ。現在負け知らずの5連勝中。
前走ラップを見ると1800mの四角競馬とあってラップ推移は非常に近いものが有る。好位から早め進出にて抜け出して楽勝の競馬。
今回中京コースがこの馬にどう出るかだが、圧倒的能力で勝ちきる可能性もかなりあると見ている。古馬との能力比較云々も良く聞かれるが、馬券から離して考える事は難しいと思います。どうしても抑えなければならない一頭に間違いはないと。

続いてゴールドドリーム。
2017年度の覇者で、実力は相当のものであるのは言うまでもない。
前走の盛岡でのマイル、やや余裕残しの馬体と出遅れ気味のスタートが影響しての3着。今回はキッチリ仕上げられてくるはず。

オメガパヒューム。
追い込み一手の馬ではあるが、今回の有力候補の中では一番の馬体の仕上がりではないかと感じている。フォトパドックなど見ても昨年このレースに出走した時とは馬が違って見えるほど全体の筋力増がよくわかる。
前走JBCにて2着。浦和のコース形態を考慮して早めのロングスパートでの競馬だった。今回鞍上にデットーリを迎え人気にはなるだろうが、インベタであまり外を回さず直線を向ければ最も勝つ確率が高い馬ではないかと感じる。

チューワウィザード
こちらもJBCからの参戦。どんな競馬でも出来るダートの鬼。
前走もオメガの追い込みを交わし切っての勝利。
あらゆる展開に対応できる器用さ。中京のスパイラルカーブで最もいいポジションを取れるのがこの馬だろうと感じます。絶対に馬券からは外せない一頭だと思います。

人気馬で取り扱いに迷う馬が1頭。これがインティ。
東海Sにて中京1800Dをチューワウィザードを抑えて勝っています。
しかしこの時はハナを切っての勝利。
もちろん好位でも競馬可能な馬ですが、今回はロンドンタウン・ワイドファラオといった逃げ先行馬も。もし外枠を引いてしまうと終始3・4コースでの競馬になることは間違いないはず。馬券対象にするには内枠というのが条件になるかと思います。逆に内枠に入ったときのインティの競馬ほど怖いものは無いと感じます。どちらにしてもイン好位からの抜け出しになるためです。もしインティが内枠に入れば軸に。外枠であれば馬券から切り離したいと考えます。

そしてまた評価を落として考えているのがみやこS組上位。
このレースのラップ推移をみても分かるようにかなりのハイペース。
上位三頭が後ろを離して強く見えるのだが、これだけハイペースになれば前は総崩れに。展開がかなり向いた後方組、こちらの評価はあまり上がらない。昨年チャンピオンズCにてウエルスタールンドが2着はしているが、これは当時あまりにも見事にハマッタ感じ。昨年はほぼ最後方からの競馬であり、今年もまたこれがハマルかと言うともっと有力な追い込み馬が多いのではないだろうか。

また人気薄で気になる馬が数頭。
血統的な面や雄大な馬格から挙げたいのがサトノティターン。
マーチSの覇者で前走はブラジルCを快勝してここに。
確かに東京2100が向くのだろうと思うが、ダートでのパワーは上位馬に匹敵する。570kgの馬体の持ち主で長くいい脚を使うのが信条な馬。
可能性があるとすれば内枠しかないと感じます。そこから逃げるくらいの形で前目につけられれば4角を内で回れれば。
かなり注文がつきますが大型馬がここで好走するにはこれしかないと見ています。前走のブラジルCでもシュタルケ騎手は中段に付けての競馬。
今回ムーア騎手になりますが、おそらくある程度無理してでも前々の競馬をすると感じます。

その他気になるのはワンダーリーデル。追い込みの足はこの中でも最高峰だと思います。ただ1ターン競馬の経験しか無く、フェブラリー向きなのは明らか。陣営としてもこの4角競馬は「試走」なのではないでしょうか。ですのでここは馬券からは切り離します。

あとは調教を見て枠が決まれば。
そこで最終判断したいと思います。


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武田優駿
サラリーマン馬券師の武田優駿。 ラップ分析を基本としてハイレベルのレースで好走した馬を皆さんに伝える事を宿命と考えています。人気薄馬の激走を見抜く事に全身全霊で挑戦しています。