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戯言_vol.128

気温差の激しいこの時期。
日中30度近くまで上がり半袖で過ごせる時もあるが、夜は10度近くまで下がったり。さすがに気温差が20度もあると意識して体調管理しないと身体がついて行きませんね。

さて今週は春の天皇賞。
由緒あるこのレース、日本の長距離戦の最高峰となります。2マイルを走るスタミナ戦ですが、この日本の固い馬場で行われる長距離戦と言うのはどちらかと言えばラストでスピード決戦になり易い、世界的に見れば特殊なレースだろうと感じます。

長距離戦とは言えスピード寄りの競馬。
この日本の硬い馬場で天皇賞春に駒を進められる馬はどんな馬か。事実上2,200-2,500程度でも好走して賞金を加算出来た馬しか出走出来ない訳で、だからそこここに駒を進めてきた馬は皆『スピード系の瞬発力』を内包した馬しかここへ出て来れないと言うのが現実。

この実情を頭に置いくと、2,200-2,500で強い競馬が出来ていればこの天皇賞春にて好走できる可能性は高い。と言うかそうでなければラストの5ハロンのスパートで、切れ味の勝負を受け切れない。これが日本のスピード競馬での長距離戦の頂上決戦になる。これはある意味あの凱旋門賞とは完全に対極の適正何だろうと思います。

さて今年の天皇賞春。
最も人気になるであろうドゥレッツァ。本質は硬い馬場での瞬発力を活かせるスピード系ですよね。
この馬の最大の魅力は性能以上に周りに動じない強い精神力。自分の完歩でじっくりと乗っても周りに影響受ける事なく、ジョッキーの意のままに操れる従順で素直な気性。本来スピードに特化した配合も、この従順な操縦性があるからこそ長丁場を走り切る事が可能。菊花賞はまさにその極みであり、本来は2,000〜2,500がベストも、この馬の折り合い面からして現代日本競馬の長距離戦の申し子と言える有力馬の一頭。もし同馬の弱点が有るとするなら道悪になる事。これだけリズム良く走れる大きなストライドを武器にする以上、これのリズムを崩すような下地に脚を取られる事だけかと感じています。

続いて人気になりそうなテーオーロイヤル。
ステイヤーズ2着、その後ダイヤモンドSと阪神大賞典を連覇してここに臨む馬。
圧倒的長距離適正を持つ同馬の魅力を支えるのは、母型にあるマンハッタンカフェの影響と、父系に有るスペシャルウィークが影響しているのかもと考えます。
ダイヤモンドSから阪神大賞典の連覇は驚きの一言、常識的には考え難いローテーションで前走を勝ち上がった。今回もフォトパドックは抜けて良い馬体に有り、外見から見つけられるような反動は見当たらない。
ただ同馬に弱点のような物が有るとすれば、この致命的とも言えるローテーション。本気で天皇賞春を狙うならば、ダイヤモンドSを使う理由は理解し難く、年明けに阪神大賞典からの始動のはず。
昨年の3着馬でもあり年頭からここターゲットかと思いきや、今年になってフルマラソンを2回も使ったのは見えない反動は必ず有ると推測してます。

そしてタスティエーラ。
大阪杯を年明けの使い出しにし、そこをステップに天皇賞春と言うローテーション。
こちらも母型にマンハッタンカフェの血が長い距離でもこなせる背景は有る。
菊花賞2着が有るため今回もここを使うのだろうが、使い出しに大阪杯を選択した時点で春の最大目標を宝塚記念に置いてのローテーションではと感じています。
今回の2マイルの長丁場、いかに前半力を抜いて走れるか。これに大きく左右されると思いますが、本気で天皇賞春を目指そうとするならば、大阪杯の使い出しはやはり疑問しか無いのが自分の考えです。

4番人気想定のサリエラ。
重賞勝ちの無い同馬が年明け初戦に選んだのがG3であるダイヤモンドS。常識的にはこうなる。
初の長距離戦、55.5の斤量にてテーオーロイヤルと僅差の2着。スローの中で前々での競馬、ここでラスト34秒を割る決戦でテーオーロイヤルに食い下がってみせて僅差の2着。
初の長距離戦、しかし事実上はラスト3ハロン勝負だったのは否めず。これをどう評価するか意見は分かれる所も、阪神大賞典の1.2着がこのダイヤモンドSの1.3着と言う事を考えると、このサリエラの初の長距離戦で結果を出した事は非常に大きな評価をする事にしかならない。

ブローザホーン。
フォト見る限り今回そこそこ良い仕上がり。阪神大賞典でテーオーロイヤルにつけられた決定的な0.8秒を逆転できるまでにあるかどうかが今回のテーマ。

サヴォーナ。
フォト見る限り過去一番いいのは間違い無し。
菊と阪神大賞典で付けられた差を縮めるだの状態に有ることは間違いない。

ディープボンド。
フォト見る限り近走では最も良い状態、ギリギリの仕上げで望んできたのは確か。
3年連続このレースを2着してきただけここへこ適正が有るのは間違い無し。


今年の春の天皇賞。
人気サイドでこれはキツイと感じる馬は少ない。
強いて言えばテーオーロイヤルのローテーションを考えると、どんなに仕上がりが良いと感じても買いにくいのは確か。天皇賞春を本気で取りに来るなら、このローテーションと成績は天皇賞春のものでは無いから。どんなにフォトが良いとしても、ダイヤモンドS→阪神大賞典を短期ローテーションで使う事はそちらを勝ちに来たと言う事。自分の認識はそこに有ります。なので同様のワープスピードに関しても全く同様の認識です。

どの馬から買うか。
考えるのはそこだけか。
大きな波乱は無いレースだけに連軸が決まればある程度ギアの高さを考慮した馬券構成を組む形か。

費用対効果を考える。
点数から見た配分を考慮する。
どこまでどう妙味を取れるか、その採算次第か。

購入できるかどうか。
自分なら半々の立ち位置。
そう思ってます。

それではまた。

サラリーマン馬券師の武田優駿。 ラップ分析を基本としてハイレベルのレースで好走した馬を皆さんに伝える事を宿命と考えています。人気薄馬の激走を見抜く事に全身全霊で挑戦しています。