京王杯AH_過去5年

京成杯AH 展望

まずは京成杯AHの「過去5年」のラップタイム。
赤太線がその平均値。
馬場状態や逃馬の多さによってある程度の差は出るものの、後半は比較的フラットなラップ推移。フラットとは言え11秒台前半をキープしてのものだけに、このラップを継続させるだけの「スピード」が必要となるのが中山コースの古馬重賞となります。

そしてもう一つの特徴としてはL1(ラスト1F)が比較的早いラップでフィニッシュを迎えるという点。これはどちらかと言えば切れ味よりは長くいい脚を使える馬が有利なラップ推移になるため、極端な逃馬や追込馬には不向き。
パワー型よりはスピード重視の配合の馬が向いていると考えます。

過去5年の京成杯AHの平均ラップが
12.6 11.0 11.5 11.7 11.5 11.4 11.3 11.6
(赤太線がこれになります)
ほとんどフラットなんですよね。
そして上がり3Fが34.3で、差しが決まる展開であれば勝馬は33秒台の末脚が必須になることでしょう。

また上がり3Fが「11.4 11.3 11.6」この推移は「-0.1、+0.3」。
差すなら33秒台ですが、勝つには好位でも34秒台前半という事になります。
ここが新潟や函館・札幌とは大きく異なる点。
力よりスピードの持続、これが中山マイルのカギとなるはず。

では各馬のステップレースと京成杯AHのレース適性を見てみましょう。

このグラフを見てまず目を引くもの。
それは京成杯AHの「スピードレベル」です。
本当にレベルの高いレースは極端な変動が少ないのです。つまりは動できるってことはそれなりに「山場」がある、勝負どころがあるわけです。
しかし京成杯AHの場合、山場は存在しないもののスピードの持続力が相当に要求されるのです。

赤太線のグラフを見てください。どれだけ後半に向けて徐々にペースアップしているかを。マイルのレースだけを見比べてみてもかなり早いラップです。1200-1400のレースを上回るようなL3L2L1。ここがこのレースの大きな特徴です。

「絶対値のスピードが無ければ勝てない」
これがこのレースの特徴です。

ではまずラップ的な面から言えること。
各馬のステップレースを見て感じるのは、どのレースもこの「スピードの持続」に当てはまりにくい事。前半の流れが近いものは後半時計の掛かるラップだったり、逆に後半の流れが近いものは前半がスローだったりする。
つまりどのステップレースにおいても今回の京成杯AHのハイレベルなスピード持続型のラップが当てはまらないという事になる。

これは逆を返せば人気馬が簡単に飛ぶ可能性が高いともいえる。
例えば中京記念の上位馬であるグル―ヴィットやクリノガウディー。
中京記念では上がり3Fが異常にかかるラップを差し切ってのもので、11.4 11.9 12.3 と追込馬にとってはかなり有利な展開だった。
だが今回のレースは前が止まらない現実、簡単に届くことは無いはず。

最も近いラップ傾向かと思えるのは関屋記念ではある。
だがそれでも中盤の緩みは否めず、どうしてもスピードの持続と言う観点からするとここでの好走馬が今回につながるとは考えにくい。
また同じ新潟で春に行われた谷川岳S。こちらも前半のペースは遅く京成杯AHとのレースレベル差は否めないのが現状。

ただこの谷川岳S、スロー気味な流れの中で一頭出遅れながらも鬼足を使ったのがプロディガルサン。上がり3Fを32.6で2着したのだがもう少し前が速い展開であれば出遅れたとしても前を差し切れた可能性が高い。
プロディガルサンはそのあとエプソムCを使ったが、ここも残念ながらスローの展開。ラストいい脚を使ったものの完全に前が残る結果。

2戦連続でスローが響く結果になったプロディガルサンにとって今回の京成杯AHは絶好の展開になる可能性が高いのではないだろうか。
近親馬にリアルスティール、ラヴズオンリーユーと言った追い込んでのスピード実績馬が居る超良血。今回ローテーション的にもベストで夏場を休養にあてて無理使いは一切してないのが良い。

前走エプソムカップでは中段に付けるもスローとなり、レイエンダが強く見えてしまったが、本来中山のやハイペースで流れれば32秒台の足を持つプロディガルサンにとっては願ってもない展開になる可能性が高い。

相手関係は調教など見て決めたいが、軸馬としては妙が高いと感じる。
単までは自信が無いが、馬券内は固いのではないだろうか。
武田優駿の本命はプロディガルサン。これで行くつもりだ。


サラリーマン馬券師の武田優駿。 ラップ分析を基本としてハイレベルのレースで好走した馬を皆さんに伝える事を宿命と考えています。人気薄馬の激走を見抜く事に全身全霊で挑戦しています。