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元本は利益?〜馬連とワイド編〜

こんばんは、よすーけです。この原稿をあなたが読んでいるということは、未来のワイがこの記事を書き上げたということなのでしょう。今は2022年3月20日、日曜日の深夜。岩田康誠騎手とビーアストニッシド号がスプリングSを逃げ切って、"炎上の岩田"というワードがトレンド入りした日です。どうですか、懐かしいですか?

先に言っておきますが、今回のコラムは馬券マニアの方には特に学びもオチもないかもしれません。「そうなんだ〜」くらいの感想になると思いますので、それでもいいよって人だけ読み進めてみてくださいね。では始めます。

控除率25%の恐ろしさ


まずはこちらの、世にも恐ろしいツイートをご覧ください。


これは競馬の控除率25%を端的に表した例です。いやはや恐ろしい。絶対勝てないでしょコレ。

普通に考えれば簡単に分かる・・・
こんなテーブルじゃ勝てねぇってことくらい・・・

そもそもこんなテーブルに座り続けてるみなさん、大丈夫ですか?何やってるんですか?ドMなんですか?頭おかしいんじゃないですか?緩慢な自殺はやめましょうね!(特大ブーメラン)

このじゃんけんの例は、日本のベット手順に従えば
 ・最初に双方が100円払う
 ・勝った人は150円もらう
 ・負けた人は何ももらえない
という「先払い式」の説明のほうが的確なんですが、より理不尽さが引き立つ「後払い式」の説明にしました。支払いのタイミングに違いはありますが、やっていることは同じです。

「いや、担保がないから後払い式では一度きりの大勝負が可能。よってこれは同じとは言わない」などと邪な考えが頭をよぎった人はあとで先生のところに来てください。

さて、ここで私が言いたいのは表題の件。【元本を利益と見做すか否か】という点についてです。これを今回は、【馬連とワイド】に絡めてお話ししたいと思います。

馬連とワイドの違いは?


「馬連とワイドの違いは何か」と聞かれると、たいていの人は配当面と的中面に関して言及すると思います。「当てにくいけど配当がいい」のが馬連で、「当てやすいけど安い」のがワイド、といった具合に。私もそのように説明すると思います。

馬連とワイドの当たり目はそれぞれ1通りと3通り。これはつまり的中率が3倍違うということです。(厳密にはそんなに単純な話ではないのですが、便宜的にサイコロの出目と同じでどの目も均等に出ると仮定して話を進めます。)

馬連とワイドのオッズバランス


馬連とワイドは控除率22.5%(=還元率77.5%)も同じですから、的中率が1:3であるならば、適正なオッズは3:1ということになりますよね。馬連のオッズがワイドのオッズより3倍くらい高くなっているのが適正値っぽいよね!と。

ここで焦点になるのは、日本のオッズ表示方式では元本も利益として計算されている(ように見える)という点です。

(※ここで様々なオッズ表示方式に関するクソ長い説明文を入れていたのですが全カットしました。興味のある方は「オッズ 表示方法」などでググってみてください。)


以下の馬連とワイドのオッズの例を見てみましょう。

①馬連60倍 :ワイド20倍
②馬連9.0倍:ワイド3.0倍
③馬連3.6倍:ワイド1.2倍

これらはどれもピッタリ3倍差になっていて、とても適正なオッズっぽく見えますね。
でも、元本を除いた利益で見てみるとどうでしょう?

利益だけを可視化すると……


上記の①②③の3つの例から、元本である「1倍分」を差し引いて、【得られる利益】だけを以下の❶❷❸に表してみます。

❶馬連59倍:ワイド19倍 (3.1倍差)←?
❷馬連8.0倍:ワイド2.0倍 (4.0倍差)←!?
❸馬連2.6倍:ワイド0.2倍 (13.0倍差)←!!!???wwwwwwww

なんと、下の方はすごく差がついてしまいました。もう一足飛びで結論に行きますが、純利益だけを見た場合、馬連とワイドのオッズバランスはかなり崩れているケースが多いのです。そしてこれは倍率が低ければ低いほど、元本の占める割合が大きいため、オッズバランスへの影響も大きくなります。

❶タイプを買う穴党な人はほぼ影響ナシですが
❷タイプを買う中穴派の人はジワジワと
❸タイプを買う本命党の人はゴリゴリと

どちらかの券種(主にワイド)に利益を削られているかもしれません。このオッズ・マジックにより最も割を食うのは本命党の人たち。オッズが低ければ低いほど、元本の占める割合が大きくなりますからね(2回目)。利益的な観点から見た場合、ワイド2倍の時の馬連の適正オッズは、6倍ではなく4倍なんですね。

最近はAI技術の発達により割と正確に買いが入るようになったことで、このアンバランスは少しだけ改善されました。とはいえまだまだ使える考え方だと思うので、馬連とワイドを併用されている方は少し立ち止まって再考してみるのも手かもしれませんね。本命寄りのオッズ帯を狙われる方は特にね(3回目)。

Don't feel. Thinnnnk!


最後に補足ですが、記事タイトルにも掲げた「元本を利益と見做すか否か」という問いには、正解はありません。この記事で提示した「元本抜きのオッズ」が正しいとは限りませんからね。

もっと言えば、正しいとか正しくないとかの話ですらなくて、これは単なる考え方・捉え方の違いです。ただ、知っているか知らないかでは差が付く場面も出てくるでしょう。知は武器になり得ます。知識として持っていることが大事だと思います。そこから新しいインスピレーションが生まれる可能性もありますからね。

あまり情報過多になると情報取捨能力やファクターの比率調整能力が必要になりますが、その話はまた別の機会にでも。

雑多で多量で玉石混淆な情報が飛び交う毎日ですが、一旦は自分のフィルターを通すようにして、鵜呑みにしないようにしましょう。この記事も、そんな考え方もあるんだな、と知らなかった方の何かしらのフックだったり新たな議論の起点になれれば幸いです。それではまた。

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