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優駿牝馬 展望

TOP画像は2019年のオークスdayのツイート。出資馬フィリアプーラの応援のために東京遠征をした時のものである。

出資馬フィリアプーラは単勝299倍のブービー人気ながら10着と健闘し、賞金をGETして帰ってきてくれた。直線でラヴズオンリーユーとカレンブーケドールが鎬を削る中、フィリアプーラの10着以内入線を願っていた(10着まで賞金が出る)私は後方馬群を見ながら「あと2頭!あと1頭!がんばれ!がんばれ!」と声援を送っていた。あれから3年。時の経つのは早い。

いきなりこんなことを言うのも何だが、オークスは常々、個人的には大きい勝負をしづらいレースであった。各馬の距離適性はある程度は見抜けるようになったが、このくらいの時期まではこなす馬もいるため、距離が厳しいのか能力で騙せるのか、当落選の判別がしづらいのである。

ちなみにこなすというのは、対応できるという意味合いは薄く、世代限定戦なので能力に歴然とした差があるため、バテながらでも絶対能力のアドで残し切るケースがある、という意味である。

では近年はどうか。結論から言うと、桜花賞とオークスは求められる適性が異なってきたため、リンクしづらくなった。

馬場の高速化が進んだこともあり、マイル戦に求められる適性が変わってきた。マイル戦というのはメンバーや流れ一つで、息の入りづらい1200〜1400m寄りの流れと、一度緩んで上がり勝負になる1600〜1800mの流れの両方を孕む絶妙な距離設定であり、買い手にはこれを戦前に見抜く力が要求された。

しかし近年は、ラップや時計やVTRを確認すれば分かることだが、締まった流れのまま上がりも速い決着になることが多い。原因は馬場の高速化や、単純にレースレベル(騎手や競走馬のレベル)が上がったことが考えられるが、このスピード競馬の弊害として、距離適性の幅が縮まり、より分業化が進みそうな様相を呈している。これは初速からウサイン・ボルトのスピードで走ると800m走では潰れてしまうのと根底は同じである。これが桜花賞とオークスの繋がりを薄めているのではなかろうか。近年のオークスは締まったペースで行っても脚が残せる馬が台頭しやすい舞台になっているので、その視点から狙ってみたい。

人気馬を順に見ていく。なお、既に記事で取り上げている馬たちの見解は割愛するので、そちらを参考にしていただければと思う。

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