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ゲームデータの海の果てに

こんにちは。秋瑞てんです。定期更新ゲーム「ケルベロス戦記」「不奇跡世界はお散歩日和」を細々と作っています。

議論するのは苦手なのですが、どうしても気になるツイートを見かけてしまったので頑張って議論します。あらかじめ注意書きをしておくと、「あくまで一個人の意見です」というほかに、「この件の結論はてんは持っていない、ただ嫌だよと言ってるだけ」です。そして、「もしもあなたがマスクデータ反対派で、マスクデータは駆逐されればいいのにと思いながらこの記事を見ているなら、そのプレースタイルはそもそもあなたに向いていません」という強さの記事です。

さて、お題は「マスクデータについて」です。たとえば、ゲームによってはスキルの効果量の表記がない場合があります。細かい説はありますが、最終的には開発者のおせっかいでプレイヤーの手間を増やしているだけ、という声が多いと思います。

まず回答としては、表向きは「公開するのにも手間があるんだよごめんね!」と頭を下げますが、裏では「なんでもかんでも公開したところで全部は見れないでしょ?」と思ってる感じです(腹黒い!)。その公開した情報をすべて見て解釈する時間の方が、普通にプレーする上でははるかに苦行だと思います。てんはゲームを作るくらいにはデータは好きですが、「データを見てあれこれ作戦を練るのはeスポーツ系のゲームだけにしてほしい!」と思っています。データは気にしてプレーをしようとすると、てんは爆発します。そのうえで、データをすべて見て議論する方々は尊敬します。マスクデータに不満が出てしまうのは、そのプレーは向いていないです。一緒にやめましょう(!)

ただしこれは、ゲームを作る側の問題だと思います。そして、てんがゲームを作りたいと思った理由の一つでもあります。

強いスキルを持って「人権」を得るために

ところで、ゲームを始めようと思えば、次の瞬間にはwikiを探す時代になりましたね。たぶん。

たとえば、スキル一覧を見るとしましょう。最初にどの列を見ますか?私は名前か効果ですね。もっと言えば、「どんなスキルがあって何が強そうか?」というところです。その時の「強そう」の指標で見やすいのが、効果量の係数になります。この係数でスキルの強さを判断する流れがてんはそこそこ嫌いです。「じゃあ係数が全部一緒のゲームではどうするのか」と言いたいです。・・・ち、チェス、とか?

なぜデータを欲するのか。それは強いスキルを見つけるためです。ですが、「強いスキルを見つけるには、詳細データを見なければならない。」という状況が良くないと思います。強いスキルを知っていれば勝ちやすく、単純に情報量の多い者が有利です。情報を得るというのは、アクションゲームのコマンドを練習するのと同じです。情報を得るだけでPSがもりもり上がります。

定期更新ゲームでは、戦闘は全自動なので、事前調査と作戦がすべてになります。情報量の多い方が有利とは言ったものの、事前調査は時間を無限にかけても、精度がマシになるというレベルで、確信を得るに足りません。格ゲーのようなプラクティスの機能はないので、最終的には、「この作戦はそもそも発動するのか?」という感覚で行動宣言をしています。

確実な作戦を立てることを考えるなら、自分の使うスキルの情報くらいは欲しいでしょう。勝つためにはどんな情報が必要かと言われれば、「強いスキル」次に「強いスキルの組み合わせ」であり、それは「効果量が高いスキル」なので、効果量がマスキングされていれば、それを明かす手間に苛立ちもするわけです。

その海に鍵があるから潜りたがる

問題は「強いスキル≒係数が高い」がお約束になっている点です。そういうバランスのゲームならマスクにするなという意見は納得です。係数や効果は使えばわかりますから、隠してもそれは意味がなく、積極的に公開するべきです。ですが、そうはいっても「全部は見れないでしょう?」という回答にもなります。この問題そのものには追及すべきではないと思っています。てんとしては、定期ゲに限らず、このバランス理論とプレースタイルの組み合わせは相性が悪く、作る側もやる側も破綻が近づいている気がします。(将来的にゲームバランスが手軽に機械学習で調整可能になったら膨大なデータがあっても崩壊しなくなりそうで…)

このお題は「係数が高くて強いスキル」の文化を破壊しなければ永遠に解決に近づけないと思います。目指すべきは、「情報量の依存性を抑制」し、「適当な量の情報を公開する」ゲーム作りです。とはいえ、係数の高さで強いスキルを作るのは簡単で、反応も良いのでやめられません(危険な言い方!)。式を立てるのも難しくないので、みんながハッピー!

ですが、てんはそれを破壊したいのです。キャラクターの強さは、並べたスキル効果量なんかじゃなく、使い方だと言いたい。スキル有無に人権なんてあってたまるか!と。好きなスキルが見つかれば、それを軸に組み合わせを試行錯誤して、開発者も驚くような使い方を見つけてビルドを組み立ててほしい!

お題の問題は根が深くて、その答えは情報の開示とは別の観点にあるのでは?というお話でした。解決法は不明!

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