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スカッと!が足りてないならコレを読むべし!「いいよね!米澤先生」


どうもMr.ストマックです。

早速ですが皆さん最近「スカッと」足りてますか?

個人的にオススメの「スカッと」方法は泣くことです。私は情緒が安定してないタイプのゴリラなので心を動かすような作品に出合うとすぐ泣きます。
そんな傍から見たら危ないタイプのゴリラである私は「泣くために鑑賞する作品」を常に何作品か心の中に常備しています。(恥ずかしいのでどんな作品かは伏せます)

しかし先日、泣かずとも「これはスカッとするぜ!!!!!!」という作品に出合う事ができましたので、皆さんに紹介するべく筆を執りました。その作品は

「いいよね!米澤先生」です!!

この作品は「カッコカワイイ宣言!」などでお馴染みの「地獄のミサワ」先生の作品です。

地獄のミサワ先生といえば先述した作品のようにショート不謹慎ギャグ(オレが今考えたクソ造語)の形を想像するが、意外や意外。これはストーリーもの。

大まかなあらすじを書かせていただくと

私立飲み水学園に赴任した新任熱血肉体派教師の米澤が生徒たちから恩師と呼ばれるために熱血指導を繰り広げる、熱血教師奮闘記である。
米澤は自分の類まれな身体能力(腕力)で不良をバッタバッタと更生させてラグビー部に入部させ、自身もラグビー部の顧問として指導を行い、輝かしい教師への道を歩もうと画策する。しかし肝心のラグビー部はなんと今年から廃部。
代わりに漫画部の顧問となった米澤は果たして自分が指導したい生徒像とは真逆の真面目な漫画部員たちにどのような指導を行うのか・・・!?

こんな感じである。なんかイイ話そう!!

しかし描いていらっしゃるのが地獄のミサワ先生だということを忘れてはならない。この話の登場人物はもれなくクズだ。もれなくは言い過ぎだが登場人物のクズ率は93%を越えると思ってもらえれば間違いないだろう。


主人公の米澤。かなりのクズだ。完全に肉体派の脳筋だ。
漫画部の生徒が不良にカツアゲされているのを見た米澤はどんな行動をとるだろう。


こんな行動をとる。

セリフも最高だ。スカッとする。


また米澤は大変に口が悪い。まぁ米澤だけじゃなくこの作中の人物は大概口が悪すぎるのだが米澤は人を馬鹿にすることに関しては一線を画している。


これは作中でとある嘘が発覚した女生徒に対する米澤の行動だ。

教師としてあるまじき姿すぎる。でもスカッとする。この行いがスカッとになってしまうくらい悪質な嘘をついたからだ。自業自得的なアレである。
まぁ米澤もめちゃくちゃ憎たらしいけど。


しかし米澤はクズな面だけではない。人間としてすげー尊敬できる面もある。これは米澤が描けども描けども絵が上手くなれなかったシーンの後のセリフだ。

米澤はちゃんとこうして弱い側の気持ちを慮ることができる。というか自分が弱い側の立場に立った時の現実を落ち込みつつも受けいれようとしている。


その上で米澤は

折れない。生徒たちに諦めるな!と鼓舞をおくる自分が諦めてどうする!と奮起する。めっちゃかっこよくない?
こんな熱血教師と自分も出合いたかった・・・と思わせる名シーンだ。胸が熱くなる。


このなんかたまにイイ感じのストーリーと不謹慎ギャグ、灰汁の強いキャラクターが高次元で入り乱れているこの作品。俺は何でこの作品に「スカッと感」を感じているんだろう?考えた結果私は一つの結果に辿り着いた。それは

「それ言う!?ってことを平気で言う」
      ことである。


我々現代人は日々我慢をして暮らしている。
なんだかんだ日々色々我慢して仕事をしたりしている。
仕事をしてなくても日々なにか我慢をしている。

米澤が俺たちの鬱憤を代弁してくれる。

俺たちは我慢しているものが多い。
日々こなすべきタスクが時代と共に増えているからだ。
当然人間関係だってそうだ。

感情100%の嘘がない脳直コミュニケーションは気持ちいい。

上司に小言を言われる。
同僚のしょーもない惚気話が止まんない。
電車で我が子が大絶叫号泣かましてるのにシカトしてスマホを弄る母親。

我々は聖人君子以外「チッ…うるせーな…」と思ってしまうはずだ。
でも我々は言えない。
ここに至るまでに「社会性」という名の枷を手に入れてしまった我々にはそうそう言えない。


米澤は言う。



どんな言いにくいことでもズバっと言う。


タブーを犯すのは気持ちがいい。
背徳感、そしてそれを感じながらも実行してしまうカタルシスがそこにはある。(カタルシスの正しい使い方をよくわかってない)

「実行できない我々」にとって米澤はいつの間にかヒーローになっているのではないか。
無秩序なヒーローが行う我々が積み上げた社会性の破壊がこの作品の気持ちよさ、そして面白さの肝なのではないかと私は考えている。

この無秩序なヒーローの物語の終着点を是非皆さんに目撃してほしい。


とまぁなんかレビューっぽく小難しい感じでまとめてみたけど、単純にストーリーもギャグもめちゃくちゃ面白いです。特に悪口のセンスが最高なので何個か紹介して終わります。

ブスのワンペア。かつてこれほどまでに強いワンペアが存在しただろうか。



とんでもないルビ芸だ。
「体罰オンリー教師」を「ダブルうんこうんこ」。
作品を読んだことない人にルビを予想してもらうクイズでも出したら正答率は0%だろう。東大生だって読めないぜ、きっと。


激しく同意の一言。関係ない奴らも「金持ちだから」という理由だけで殴っている姿は全人類平等に降り注ぐ大災害のようだ。


作中通してかなりの聖人度を誇っているこの女は迷惑なタイプの腐女子だったりする。自分を律そうとするも律しきれてない。
生ものはあかんて、同じ学校の人はあかんて。良い奴なんだけどね。逞しく生きてほしい。



米澤はブスに厳しい。
ぶしゃんしゃん。原型がないのに伝わってしまう凄さ。あとめちゃくちゃムカつく。
しかしこれは米澤なりの激励だったりもするのだ。
嘘つくなって?いやマジで読めばわかる。


この作品に大いに影響を受け、私も作中に出てるツイートの一文をそのまま呟いてみたりもした。

フォロワーが6人減った。後悔はしていない。


こんな話がホントにズバッと奇麗にまとまるのかよ…と思っている諸君。
安心してくれ。それに関してはガチだ。

少なくとも私はこれを初見で読み終えた後は割と大声で「やられた~~~~~~!!!!!!!」と叫んでしまった。あと鳥肌も立った。
この感動はネタバレなしで是非皆さんに体験してほしい。きっと地獄のミサワ先生の株が昇竜の如く上がり、ただただ漫画力の高さに舌を巻くばかりであろう。
ストーカーという人種がこんなにも美しくオチに絡んでくるマンガは地球上でもう二度と生まれないだろう。確信がある。
先述したワードやシーンが気になった人、向いてるぞ。地獄のミサワワールドの冒険に向いているぞ。楽しい旅路だ。是非歩んでくれ。


ともかく大名作だ。5巻完結って長さも手に取りやすくていい。
「いいよね!米澤先生」是非読んでほしい。

※画像は全て「いいよね!米澤先生 1~5巻 集英社」より引用

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