うまくやる

「先生、バレンタインデーに学校にチョコ持ってきてもいいですか?」という子どもからの質問。

答えは様々あると思う。

「勉強に関係ないものは持ってきてはいけません!」と答える先生がいるが、子どもから見れば「先生も職員室でお茶やコーヒー飲むしお菓子食べてるじゃん」だ。俺が子どもの立場なら、納得いかない。

「元々日本にはバレンタインデーなんて文化はありません!」と答えていた人もいた。これにはビックリ。じゃあお前は着物と草履で過ごせよ。

「いいよ!」とも言いにくい。学校のきまり的なものがあるので、堂々ときまりを破っていいとは言えない。

今のところ最適な答えだと思っているのは「お互いうまくやろうぜ」だ。

まずは俺のとこに正直に聞きに来たことと、恋心を伝えようという心意気にリスペクトだ。

ただ、俺の立場上、もしチョコレートを持ってきているのを見つけてしまったら注意はしなければいけない。その事はきちんと伝えれば子ども達にも納得してもらえる。

要は誰にもバレずに好きな人にチョコレートを渡すことができれば、バレンタイン大作戦は成功なわけだ。

「だから俺や他の大人に見つからずにやれよ」まで言うと流石にやりすぎなので、「立場上、お前がチョコレートを持ってきているのを見つけたら、俺は注意しなければいけないだろ。だからお互いうまくやろうぜ。」と伝えている。

「健闘を祈る」と最後に伝えて、その子がニヤッと笑えば、俺の真意は伝わっている。

今のところこのやりとりを続けているが、十数年トラブルは無い。

子ども達にはルールを守る・破るという2つ以外にも「うまくやる」という立ち振る舞いがあることを学んでほしいと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?