2019/09/20の立川志の彦 「親子で楽しむ落語会」レポート

立川志の彦 親子で楽しむ落語会に行ってきました。
大隅へは車で行きました。
下道を通る僕。夕日が沈む海を右手に見ながら、車を走らせること一時間ちょっと。

今回の会場は以前ペチャクチャナイト霧島で公演されたユクサ おおすみ海の学校でした。
川畠さんのお話を聞いて、一度ユクサにはいきたいという気持ちもあり、死ぬまでには落語を聞きたいという気持ちもあり、
一石二鳥だと思い、すぐにチケットを取りました。

落語会、宿泊、懇親会込みで6000円強でしたが、落語会は2000円とリーズナブルな価格設定でした。
(懇親会で落語がとても好きな一家によると2000円はお手頃価格とのこと)

早くついてしまった僕はチェックインを済ませ、学校内の探索。
廊下や下駄箱、黒板等の設備はそのままに教室内にはカプセルホテルのようなドリトミーがあり、
なつかしさの中に違和感が混在する面白い感じ。
グラウンドに出て、外を眺めると錦江湾を一望できました。
これは、ほんとにきれいでした。是非、夕暮れ時に行ってみたいです。

館内は小学校のまんまです。手洗い場の低さ、男子トイレの小便器の低さ、大きい方をしようとすると
座ったときのドアの近さ、小学生時代にタイムスリップした感じがして、不便さの中になつかしさが混じる変な気分でした。
でも、これはこれで楽しく過ごせました。

川内で知り合った女の子に大隅のきれいな写真を送ると、運転免許を採れるように勉強しようと張りきっていました。

さて、親子で楽しむ落語会が始まり、会場には親子がたくさん。
もちろん若いひとなんかは僕以外にいません。
でも、親御さんと話したりして、熊本の話や落語のお話などいろいろしました。

教卓をつないで、舞台が作られており、両脇には立川流の幕がかけられておりましたが、ここは教室(1-1)。
いすを並べ、教卓が前にあるなら、教卓を見て、話を聞く環境は整っておりました。

出囃子が鳴り、立川志の彦さんの登場です。
まくらは子供にもわかりやすい小噺から始まり、一席目が始まりました。
登場人物が変わるたびに表情や声色、口調を変え、親と子が噺家さんの話術に引き込まれた瞬間は
素人でもわかるくらいでした。

今まではしゃいでいた子が静かに落語の世界に入り込んでいる。
笑うべきところでみんなが笑い、観客の笑いに噺家さんはもっと観客を世界へと引き込んでいく。

志の彦さんのしぐさの一つ一つが落語の世界へ誘う扉のような気がして、初めて聞いた僕も
落語の世界へどっぷりつかった感じでした。
体は現実世界で、意識は落語の世界というパラレルワールドを楽しめました。

演目名は聞いたことのあるものばかりで、楽しめました。

落語会の後は噺家さんを交えた懇親会。
懇親会に参加した僕は噺家さんの話をしっかり聞いておりました。隣には先ほど話した家族とは別の家族がいました。
この家族は家族全員で落語が好きで、小学生になる娘さんなんか噺家さんと握手するときは飛び跳ねていました。
こういった光景をほほえましく思っている26歳のおっさん。

懇親会では落語の師弟関係の厳しさや落語などの日本文化の育て方など幅広く話されていました。
楽しい懇親会でしたが、かなり落語や日本文化の根底部分のお話があり、とても興味深いものでした。

印象的なのが落語に触れてもらうために自治体がお金を出して、無料で落語を聞くことが日本文化をだめにしていること
最初無料で聞けて、それがきっかけになればいいのにと思っておりましたが、
無料にすると観客は無料だからと楽しむ姿勢に欠ける。楽しむ姿勢が見えないと噺家さんのモチベーションも必然的に
少し下がってしまう。
それなら、きちんとお金を払い、払った分だけ楽しむぞという姿勢があれば、噺家さんのモチベーションも上がり、
落語の魅力を正しく理解できるということ。

6000円強でこれだけの楽しい時間を過ごせたのはほんとによかった。
ユクサにも泊まれたし、落語も聞けたし、一石二鳥な一日でした。


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