UJAM SILK 2を使っての備忘録
はじめに
去年(2023年)にUJAMのBeatmakerがセールで大幅値下されていましたのを切っ掛けに、UJAMの製品をセールのたびにちょくちょく購入しています。
(グループバイは太っ腹なセールでしたねぇ)
ギターとベースの音源はオリジナル曲の制作でも使い始めており、手軽さと音の良さに驚かされました。
プリセットも良質なので、気に入ったプリセットを見つけてすぐに実践投入できちゃいます。
イイ時代だなぁ。
殊にSILK 2がお気に入りで使っており、制作の中で試行錯誤しながら覚えていった使い方を備忘録に残しておきます。
最近はセールで音源を買い足すたびに使い方を覚える作業が生じてますので、備忘録がないと忘れた頃に苦労させられそうですので(苦笑
Playerモードでアイデア出し
UJAMの音源は鍵盤キー一つでお手軽に演奏ができるPlayerモードと、従来の音源のように打ち込んだMIDIに従って演奏するInstrumentモードという二種類の動作モードがあります。
PlayerモードではPlaying Styleを選択し、各スタイルに設定された演奏パターンをこちらが指定したコードに合わせて演奏します。
Keyの設定を済ませておけば、鍵盤キーを一つ押しただけでその音をルートとした最適コードを自動判断してくれます。
Key=Dに設定して「D→B→G→A」と押せば「Dmaj→Bm→Gmaj→Amaj」と演奏してくれるわけです。
このお手軽さもあり、鍵盤(あるいは打ち込んでいたMIDI)でコード指定をしてからPlaying Styleを切り替えていくだけで曲のモチーフができちゃいます。
Playing Styleの種類も豊富で、スタイル毎に六つのバリエーションが用意されているのでスタイル探しはそこそこの作業です。
しかしどのスタイルの演奏も実用的なので楽しいです。
Playing Styleを探していると「こういう演奏パターンもアリかも」という具合に新しいアイデアにつながることがよくあります。
私はこのアイデア出しこそがUJAMの音源の強みと考えています。
Instrumentモードで煮詰める
もう一つのInstrumentモードは、従来のプラグイン音源のようにMIDIで打ち込んだ演奏パターンに従って音を鳴らすモードです。
ただし、GM音源のように「ドレミ~♪」と打ち込んだとおりに鳴るのではなく、鍵盤がArticulation(4分音符ストロークや8分音符ミュート等の演奏方法)の指定エリア(C1~B2)とコードの指定エリア(C3~F5)に分かれており、それぞれを細かく指定することでオリジナルフレーズの演奏が可能となります。
しかし、いきなりオリジナルフレーズをUJAM音源に合わせて打ち込むのは難しいでしょう。
そこで活きてくるのが前述のPlayerモードです。
UJAMのVirtual音源シリーズ(SILK 2はこのシリーズの製品)はVer.2からの新機能の一つとして、Player Styleに登録された演奏パターンをDAWのピアノロールにドラッグ&ドロップでMIDIとして書き出せるようになったとのことです。
この機能により、Playerモードで気に入った演奏パターンをピアノロールへMIDIとして書き出し、そのMIDIを細かく編集することでオリジナルフレーズにできちゃいます。
Playing Styleから書き出したMIDIを眺めていけばArticulationの指定方法も見えてきますので、プラグインのインターフェースを参考に狙った演奏方法を好きなリズムで鳴らしていきましょう。
Playing Styleの演奏パターンで「このパターンの2拍裏のストロークは不要だなぁ……」といった時は、演奏パターンをピアノロールに書き出してMIDIデータから2拍裏のストローク指定ノート削除するだけです。
Articulationの指定ノートはTick単位でロケーションやデュレーションを指定できますので、演奏パターンのノリが思い通りではないときでも後から細かく編集できます。
Articulationはコードストロークだけでなく1~6弦の単音引きも指定できますので、コードアルペジオやオクターブ奏法にも対応できます。
(ただしコード指定からの打ち込みという方法が独特なので慣れが必要)
単なる演奏パターン再生に留まらず、こだわれば細かいところまで作りこめるイイ音源です。
細かい備忘録いろいろ
Articulationの指定ノートのベロシティで強弱をつけられる
Instrumentモードではピアノロールで演奏パターンを打ち込み、Articulationの指定ノートのベロシティを調整することで演奏の強弱を調整できます。
コード指定のノートのベロシティは実際の演奏の強弱には無関係なので覚えておきましょう。
Playerモードではピッチベンドで強弱をつけられる
Playerモードでは鍵盤をどんな強さで弾いても演奏パターンの強弱は変化しません。
しかし「この演奏パターンをもっと強く(弱く)弾いてほしいのになぁ……」という場面は多々あることでしょう。
前述のArticulationの指定ノートのベロシティ編集で対応こそ可能ですが、毎回そのような編集作業をするのは手間です。
しかもPlayerモードからInstrumentモードへの切り替えを余儀なくさせられるため、せっかくのPlayerモードのお手軽さが失われてしまいます。
実はPlayerモードの時はピッチベンド情報が強弱をつける信号として扱われます(!?)。
MIDIキーボードのピッチベンドホイールなりスティックなりを上下させると、再生される演奏パターンもそれに合わせて強くなったり弱くなったりします。
打ち込む場合はピッチベンド情報を書いてあげればいいわけです。
Instrumentモードの時のピッチベンド情報は従来通りピッチの上下として機能しますので注意。
Key設定時のコード判別について
Keyを設定したときのコード判別ですが、ダイアトニックのトライアドコードは概ね問題なく判別してくれます。
しかし少し凝ったコードを狙っていきますと思うように判別されないことが多々あります。
例えば、V7→Iの解決部分でドミナントコードを指定したいとします。
Key=Cでコード指定エリアのGを押すとGmajコードが鳴るのですが、G7とはなってくれません。
Vのコードがいつも7thコードになってもそれはそれで困りますが、こればかりは機能的にも仕方がない部分でしょう。
他にもメジャーキーでVIIのノートを押すとVIIm7-5ではなくVIIdimと判別する等、「そうかもしれないけれども、なんだかなぁ~」ということがちらほらありました。
よくあるコード進行にサッと対応できないことがあるのはちと辛いです。
もしコードの細かい構成音まで指定して再生したい場合は、インターフェース右下のChord ModeをChordからNoteに切り替えることで対応できます。
Noteにすると鍵盤で弾いたノートの通りの音が鳴るようになります。
例えば、Gの音だけを押すとChordの時のようにGmajが鳴るのではなく、Gの単音のみが鳴ります。
Noteの時はKey設定の項目が消えるので、単音からのコード判別自体しなくなっているのでしょう。
ここにBの音を追加するとGとBが一緒に鳴ります。
この要領でGBDを押せばGmajが鳴りますし、GBDFを押せばG7が鳴ってくれます。
Bm7-5コードを鳴らしたければ、BDFAを押せば狙った通りに鳴ってくれます。
NoteではChordの時のような指一本でコードを鳴らせるお手軽さは失われてしまいます。
しかし7thやsus4といったよく使われるコードにも対応させたい場合には、コード構成音をすべて押さえる手間さえ掛ければちゃんと応えてはくれます。
元々ピアノを弾いている方や従来の音源での演奏に鳴れてる方には、こちらの方がむしろわかりやすい鳴らし方やもしれませんネ。
おわりに
使っていて気づいたことをまとめてみました。
まとめてみますと使いやすい音源であると改めて思います。
始めやすさ(とでも言うのでしょうか?)がこれまでの音源とは別格ですねぇ。
参考までに私がつくったSILK 2のトラック音源と、このトラックを使った制作途中のオリジナル曲を上げています。
まだまだ試行錯誤の最中ですので、引き続き気づいたことがあらば更新していくつもりです。
他にも「こんな機能があるよ」とか「ここの内容がおかしいよ」ということがあらば是非ともお知らせくださいませ。
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