メスクッパ
"あっかん殺してしまう‼︎‼︎"
そう思ったのはある早朝の4時のこと
マッチングアプリを開くと
「家出しました、今夜泊まらせてくれる人」
というプロフィールをみつけた
エッチできそうやがな^ - ^
と思った
メッセージを送るとすぐに返ってきた
「よろしくお願いします。どこ駅ですか?」
「〇〇駅です、ドンキがあるのでその前で待ち合わせにしましょう!」
午前1時私たちはドンキ前で集合する約束をした
午前1時前、その場所へ到着し、メッセージをみた
「どんな格好してますか?」
と来てたので特徴を伝えると
向こう側からこちらへ歩いてくる女性が見えた
ん?
クッパ?
めちゃくちゃでかかった
背中にトゲトゲ甲羅さえ背負ってなかったが
多分口から多少なり炎は出ていた
「…コンバンハ」
声小さいんかい
めっちゃ帰りたかったけど
いまからこれと帰る予定しか無かった
「ほんだら行きますかぁー…と」
(こくり)
とにかく会話が弾まなかった
キャッチボールをしたいのに
投げたボールを毎回下に叩きつけられてる感じ
私も鬼ではないので撒いたりはしなかった
ただ自分が前を歩いて後ろからズンズンついてくる
ドラクエのパーティーみたいな陣形で帰った
ドラクエのパーティだと思えば心強かった
「どぞ」
「ヌッチ」
ヌッチ
「この辺で寝てくださし」
適当なスペースに寝袋を敷いた
ズゥウウンという音と同時に腰を下ろしていた
「なんで家出したの?」
「親と喧嘩して」
「なんで喧嘩になるの?」
「親のクレジットカードで課金しました」
「あかんやん」
「ヌッチ」
「何に課金したん?」
「ウマ娘」
なんだこいつ
「ほんだら寝ましょか」
消灯した
テレビは一応つけておいた
自分は彼女とテレビに背を向け壁に向かって姿勢をとった
数分後
「パーーーーヒョッヒョッヒョッヒョッヒヨwwwwwwww」
?!?!?!?!
防犯ブザーが鳴ったのかと思った
違うと刹那に悟り
彼女がテレビのバラエティをみて爆笑していた
ガチでうるせぇ
「テレビ消すね笑」
部屋は静寂に包まれた
とにかく目を瞑ろうと試みた
そして数分後
耳元で
「フゥーヌ…」
と聞こえた
ん?と振り返ると目の前に顔があった
台湾のホラー映画か
多分そういう気分になったのだろう
無論受け付けなかったので本体を寝袋に戻してあげた
ふぅ…
そして再び睡眠の努力をした
数分後
「ゴガァァァァァアゴオオオオオオ‼︎‼︎」
いびきだ
クッパすぎるって
さっき付けてたテレビよりうるさかった
こればっかりは仕方ないので泳がせた
そして次の瞬間
「バッ‼︎‼︎」
寝屁だ
"あっかん殺してしまう‼︎‼︎"
必死に自分の中の正直な殺意を制御した
"帰らせよう"
そう思った
それも合理的に
同期にラインを送った
「家にクッパが来た、城に帰したい」
「女か」
「いまから"どうしても仕事に行かないと行けなくなった部下役"やるから"上司役"やって」
「電話かけたらいい?」
「頼んだ」
即興コント「緊急出勤」
(LINEの着信音〜🎵)
「ん…もしもし」
「寺井か、起こしてすまん、今会社が大変な事になってて今から来れるか?」
「今からですか!?わ、っかりました。自転車で向かって20分くらいかなと!」
「頼んだ」
テルルルン
「ヌッチ…」
「ごめん!今から会社行かないと行けなくなった!!起きて!!」
「ヌッチ…」
「ごめん、出よう家!ごめんこんな時間に!」
「ヌッチィ…」
2人で部屋を出た
「ごめん送れないけど!」
といい
地域を自転車でグルっと一周して彼女を撒いて
帰宅した
クッパは朝5時に帰った
もれなく一睡とできなかったがもう開き直って起きていた
同期に感謝のメッセージを送った後、寝袋を捨てた
自分でいうのもあれだけど、守備範囲クソ広いのであんまりNGは無い
だけど今回は初めてそれを逸脱した
部屋に戻るといつもの倍広く感じた
ピーチ姫を返せ
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