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for sibyl 1st Album "Don't laugh at omens" 発売記念インタビュー

for sibyl
L→R KAEDE(Bass, Chorus) , MADO(Drum, Chorus) , NODOKA(Vocal, Guitar)
Photo:TATAMI

『for sibyl 1st Album "Don't laugh at omens" 発売記念インタビュー』

インタビュー話し手 : ノドカ(for sibyl)
インタビュー聞き手 : キャプテン・リョウスケ(THE GUAYS)
構成・編集 : ノドカ、キャプテン
インタビュー収録日 : 2024年6月3日(月) 21:00〜ビデオ通話にて

【2020年 for sibyl結成】

オリジナルメンバーでのアーティスト写真。 ノドカ、よすが、まどが歩道橋の手すりにもたれて立っている。


キャプテン:本日はよろしくお願いします。まずは、for sibyl 結成の経緯と簡単なディスコグラフィを教えてもらえたらなと思います。

ノドカ:2018年に大学に入学して、北海道大学軽音楽研究会というサークルに入部しました。1つ目のバンドはあんまり上手くいかなくて……信頼関係が築けなかった感じがあって。次バンド組む時はこんなの絶対嫌だって思いながら過ごしてました。2019年にドラムの窓が1個下の後輩としてサークルに入ってきて、新歓で焼肉するみたいなイベントで仲良くなりました。初代ベースも私の1個下だったんですよね。よすがってやつで、人と人との「縁」って書いて「よすが」。

キャプテン:めっちゃいい名前!

ノドカ:めっちゃかっこいいですよね。よすがは他大学の仲良い軽音サークル……小樽商科大学フォークソング部ってとこにいて。札幌にdeerafterってバンドがいるんですけど、そのバンドが北大軽音と商大フォークの部員で構成されていて、それより下の後輩達もずっと交流がある感じです。3人で遊んだりしているうちに、ギタボ(ギターボーカル)とベースとドラムいるしバンドやりたくない?って誰かが言い出して結成したのがfor sibyl。2020年の2月に初ライブがあったんですけど、3月くらいから新型コロナウイルスが流行しだして……

キャプテン:ちょうど結成して動き出すぞってタイミングとコロナがぶちあたっちゃったわけだ。

ノドカ:そうですね。制限がある中で少しずつ活動してて。まだまだ思うようにバンドできてなかったです、自分たちの技量もメンタリティもやりたいことに追いついてない感じ……ライブやれてないから行き詰まるのも当たり前なんですけど。モヤモヤしたまま2022年に大学4年生になって、このままバンド辞めたくないって思って札幌で就職しました。3人とも札幌で就職してこれからもバンドできたらいいねって話してたんですけど、2023年の夏くらいによすがが道外就職することになって、これからfor sibyl どうなるんだって悩み始めて。ちょうどその年の7月にMOOSがPIGSTYに来たのが、自分にとって特別なライブになったんですよね。それまでは、音楽作る時はもちろん友達と話している時も「こんな世の中だけど、上手く適応して生きていくしかないんだ」って考えがベースで。でもその日のライブで、怒って声を上げて、仲間と連帯して、世界を変えることができるんだ、私にもできることがあるんだって知って。パンクの精神性を改めて理解して、自分がバンドで表現したいことがわかったんです。でもその、やっと動き出せそうってタイミングで、メンバーが遠くに引っ越しちゃうっていうのがすごく悔しくて。よすがはたまに北海道戻ってくるから一緒にライブしようって言ってくれてたんですけど、私はそのペースじゃ全然……我慢ならなくなっちゃって。それを本人にも話したんですよね。Discharming manとかMOOSを観て、自分がやるべきことがわかったタイミングでバンドが失速するのが本当に悔しいと。それでお互い、バンドに対する気持ちがすれ違っちゃった。窓はオリジナルメンバーの3人でfor sibylを続けることを最後まで諦めないでいてくれたんですけど……私は、目指す未来が違うかもって思って。よすがと仲悪くなったとかじゃないし、ずっと友達だけど!

Two layers of paint × Release Your Emotion  「Willing to roll」  2022.7.30(Sat) @ Pigsty Open:17:00/Start:17:30 Ticket:¥2500(要予約60名限定)  MOOS(東京) Two layers of paint Discharming man DON KARNAGE for sibyl MAPPY ōu THE WORLD PEACE  Drink:スナック佐藤

ノドカ:それで、その時サークルの2年目だったカエデにサポートで入ってもらったら、音楽的にも悩んでいたことが全部解決して、一緒にやりたい!って頼みました。最初はダウンピッキングで弾きまくるベーシストを探していたんですけど、カエデの指弾きが軽やかで良くて。あと声がエアリーな感じですごく素敵で。2022年の10月にそのまま一緒にレコ(レコーディング)して、11月にMV解禁、EP配信開始と共にカエデの加入も発表しました。

キャプテン:そっかそっか。コロナ禍は誰しもが色々と自分のやりたいことや人生について考えたと思う。増してやバンド始めたてで、それは辛いよね。それでも続ける選択をして、結構なスピード感で動いてたんだね。

ノドカ:そうですね、友達に録ってもらって、ミックスもすぐ終わって。もう早く皆に聴いてほしくて!

キャプテン:1st EP "beetle vs tough gang"は音の荒さや勢いがとても良いよね。ギターのDistortionの音とかがやばくて。バンド組み立てのパンクバンドにしか出せない音って感じですごく好きです。

ノドカ:私もあれ大好きで、宝物です。アートワークも。


キャプテン:アートワークもいいよね。ほんとに……泣ける感じがある。札幌での写真?

ノドカ:あれは161倉庫の前の廊下ですね。

キャプテン:誰と誰が写ってるの?

ノドカ:CHEMTRAILのギターとベースです。

キャプテン:そうなんだ。これfor sibylのメンバーじゃないんだね。

ノドカ:そうです、皆で遊んでる時のやつ。あの時カエデが新しいハーフサイズカメラを入手して、たくさん写真撮ってて。ジャケット用に撮ったやつじゃなくて、いい写真があったからたまたまって感じです。

キャプテン:なるほど。いいジャケだと思います。

1st EP

【エイトビーターとの出会いから1st Album制作へ】


ノドカ:このジャケ見て、エイトビーターの斉藤さんも声かけてくれたみたいで。

キャプテン:そうなの!?この流れでエイトビーターからリリースした経緯を教えてください。

ノドカ:2023年の5月に、バンドのSNSに斉藤さんからDMがあって。


キャプテン:元々繋がりあったとかではなくて、急に?

ノドカ:そうですね、相互フォローの状態から。後々聞いたら共通の知り合いとかいたんですけど、その時はまだわからない状態で。(2023年) 8月5日の下北沢THREEのライブを観に来てくれたので、終演後少し話して。私達が不安にならないように、気遣って接してくれる人だなーと思って、業界の人だからって身構えることなく話せました。札幌に帰ってきてからもやりとりはしてて、こっちまでライブも観に来てくれて。私達的には、事務所に所属したいっていうよりアルバムを作りたいって気持ちが先にあって、でもお金ないしどうしよう……っていうタイミングで声をかけてもらえたので、ぜひお願いしますって感じでした。私達の選択を信頼してくれる人だし、目指してるところを汲んでくれるので。

キャプテン : そうなんだ。その中で最終的にエイトビーターに決めた理由は?

ノドカ :オルタナティブでいることを面白がってくれる雰囲気があったから。自分達のやりたいことを貫きながら色んな層に届けたいので、そこを両立できる環境を探してました。NUMBER GIRLが尖り切ったまま人気になっていった過程も、斉藤さんは全部知ってるので。頼もしいです。

キャプテン:アルバムを作りたいタイミングで好きなレーベルから連絡があったっていうのは、バンドがいい状態だったんだろうなって思うし、何かハモっている感じがするよね。今の話を聞いて、気になって連絡してきてくれて、ライブを実際に見にきて話してくれて、それはシンプルに嬉しいし信頼に繋がっていくよね。今回、配信のシングルとかではなく、なんでアルバムっていう媒体でリリースすることにしたの?

ノドカ:単純に、EPをリリースすることができたから、次はアルバム制作にチャレンジするものだって思ってたんですよね。録音作品としてアルバムが好きで。1曲目があって、最後の曲に向かって緩急がある、一つの大きい物語を作りたいなって思いました。

キャプテン:アルバム作りたいって言った時メンバーはどんな感じだった?

ノドカ:作ろ〜!やろ〜!みたいな。

キャプテン:いいメンバー!カエデちゃんに代わって音楽的に広がったんだろうなっていうのは、ライブ観てても思うし。この流れでアルバムの内容についても聞いてみたいなって思うんだけど。このアルバム全体像を通して、生活の中で自分の立場から怒っていることや理不尽に感じること、そこに対してあきらめず声をあげることを感じた。その中で身近なことを曲にしていて、色んな立場にいる聴いた人もそれを感じられるアルバムだと思うんだけど、自分の中でこういうアルバムにしたいっていう像はあった?

ノドカ:MAPPYのこーへーマンに「レベルミュージックだっていう自覚を持って曲作った方がfor sibylはかっこいいと思うよ」って言われたことがあって。私の怒りが、誰かの怒りとか、もっと大きな、社会の構造とかにも繋がるような音楽を作ろうっていうのはその時から……アルバムを作ろうって思う前から意識してました。それまでは、怒りってやり場のない感情だったんです。怒りを表明して、話を聞いてもらえたことがなかった。実家にいた頃、母親と折り合いが悪くて、よく酷いこと言われてたんですけど……悲しいからそんなこと言わないでよって伝えても聞いてもらえないし、家出したって他に居場所がないし。もし私の身体がもっと大きかったら、暴力的な方法を取れたのかもしれないけど……身体が小さいので、喧嘩も弱いし。でも、その感情を音楽にしたら誰かが聴いてくれるかも、同じように悩んでいる誰かに「怒っていいんだ」って伝えられるかも、って気持ちで曲を作るようになって。私は負けないぞっていうのを明確に伝えようと思ってアルバムを作りました。ゲストボーカルにモモさんをお誘いしたのも、生活の中でめげちゃいそう、でもあと一歩踏ん張るぞって時にいつもSNAP PUNCH MOMENTに勇気をもらってたから。

キャプテン:こーへーマンすごく良いこと言うなぁ……色々腑に落ちた。ノドカさんが思っていることがメロディに乗って、あーわかるなこの気持ちって思えるアルバムだったなって僕もすごく思うし、パンパンのエネルギーを感じた。メンバー皆の今までの人生がかなり詰まって、その中にしなやかさもあって、曲の振れ幅や色んな音楽からの影響もたくさん入ってるなって思って。まさに1st Albumって感じで。初めて聞いた時、そのエネルギーにのまれそうになったんだよね。モモさんがゲストに入ったタイトル曲……本当にすごくいい曲で。アルバムの振れ幅として僕が1個思ったのは、”squash berries”と”Don’t laugh at omens”がショートチューンの中に組み込まれていて、バンドのダイナミクスやグルーヴを感じた。この2曲は最近できた曲?

ノドカ:”Don’t laugh at omens”は去年の夏にはもうありました。”squash berries”は去年の秋くらいに、アルバムの一曲目にしようと思って作り始めた曲ですね。

キャプテン:そうなんだ。このあたりの曲から、バンドが音楽的に変わってきたのかなと思ったんだけど、どうでした?どういう曲作りの仕方をしてたのかなと思って。

ノドカ:普段からライブで、ショートチューンやりまくって最後に壮大な曲やって終わるっていう流れをやってて。シングルになった”teared song”(2023年リリース)もその枠で。”Don’t laugh at omens”は特に、普段とは雰囲気の違うスケールの大きい曲を作るぞって決めて作りました。あと長い曲は大体言いたいことが先にあって、言いたいことに沿って曲を作ると曲が長くなるんですよね。短い曲は、もう全部言い終えたから終わろうって感じ。

キャプテン: 面白い。歌詞で曲の長さも決まっていく感じなんだね。”Don’t laugh at omens”から”chrysanthemum”に繋がる流れも最高で、”chrysanthemum”の歌詞は色んな立場の人が色んな生活の場面で感じることだと思った。『私たちは添えられた花じゃない、全て捩じ伏せる力はいらない、真っ直ぐ拒みたい』って”拒みたい”という表現がリアルで。

ノドカ:この曲いいですよね!「全て捩じ伏せる力はいらない」って言葉の通りに、アレンジもささやかな雰囲気にしたくて。1番口笛が上手い友達を探したら、ピーナッズのトミーくんでした。最後一緒に歌ってもらったのもピースフルでめちゃくちゃ良い仕上がりになったと思います。

キャプテン:最高だと思います。”chrysanthemum”のタイトルは”菊"という意味で、色んな花があるけどなぜ菊を選んだの?

ノドカ:ちょうど曲を作った時、家の花瓶に菊を生けていて。花の名前を曲名にしたくて、しっくりくるものを探してたんですよね。小さい菊の花がお寿司の上に飾りで乗ってて、そのまま捨てられちゃうイメージから連想して、「添えられた花じゃない」って歌詞を書きました。

キャプテン:そうなんだね。素晴らしい。
配信では"chrysanthemum"が最後の曲で、CDではそれにプラスで"old stone"が入っていて、音質が明らかに違っていて、海外のバンドが日本版のBonus Trackに入れてるアルバムの作りみたいで、久しぶりに懐かしくて嬉しい感覚になった。そのあたりも配信とフィジカルのCDで意識はしていた感じ?

ノドカ:ボーナストラックを付けようっていうのは事務所から相談されて。フィジカルが売れにくい時代にCDを出すなら付加価値が必要だよねっていうのはバンド的にも同意見でした。音質に関しては、ボーナストラックだからってよりかはこの曲(old stone)だからこの音にしたいって気持ちでした!ゴチャっとした感じにしたくて。

キャプテン:曲のタイトルも全体的に面白いなと思って見てたんだけど、どんな感じでつけてるの?

ノドカ: シンプルに語感とか直感が多いです、でも意味がある曲名もあって……例えば”hugging crodiles"は3歳の誕生日にもらったワニのぬいぐるみのこと。ずっと捨てられなくて無いと寝れねーみたいな。

ワニのぬいぐるみとりんごの写真

キャプテン: 本当に今までの人生が詰まってるね。

ノドカ: そうですね。全部出す、最大出力みたいな感じです。

キャプテン:このアルバムを作る時に意識した音源やよく聞いてた音源とかはあった?

ノドカ:sheersückerまさとさんに教えてもらったPinch Pointsの2nd(Process)をよく聴いてて。乾いた音像がかっこいいし、怒りのエネルギーに満ちてるけど音楽的に面白いことをしてやるぞって茶目っ気もあって、鼓舞されます。あとはYawnersのJust Calm Down、コードでジャカジャカ弾いて進んでく感じとかタイトなスネアの音を参考に。ワクワクする気持ちを見失わないようにFOUR TOMORROWもずっと聴いてました。East Tenth Article on Fire 大好き!

【見つけたバンドという表現と北海道の仲間たち】

路地裏で並んでいるfor sibyl

キャプテン:ボリさんのYouTubeで、サリンジャーの小説の中に出てくるsibylという人物に向けてバンド名をfor sibylにしたと見たのですが、for sibylの歌詞は言葉のチョイスが面白くて、フックが沢山あった。音楽を聞く以外のインプットで小説を読んだりとかから来ている影響はあるの?

ノドカ:本はずっと好きで、小さい頃はファンタジーをよく読んでました。言葉が面白い、文章を書くのが面白いという気持ちがずっとあって。小学校で、行事の作文とか褒められるのが嬉しかったり。Base Ball Bearがバンドを好きになったきっかけで、今でもずっと好きなんですけど、曲の中にフックになる言葉が散りばめられていて、脳に言葉が届いてハッとする瞬間が面白くて。なので皆で同じことばっか歌ってもしゃあないんだなっていうのは、最初から教わってました。当たり前に、私の存在はここにしかいないし、私と同じことを見て同じことを考える人もいないし、自分はたった一人なんだという意識はずっとあって……言葉を使って、自分であることを証明したいみたいな気持ち?本や文章を読んでいても、特別な言葉遣い、聞いたことのない感じで表現することに心躍ったりするので、そういうことをずっとしていたい気持ちですね。

キャプテン:Base Ball Bearの影響が表現全体にあるんですね。

ノドカ:全部に通じてて。音楽を知っていないと良い曲がかけないっていうのはもちろん、音楽以外にもいろんなことに興味を持って色んなことを知りまくって、それが全部作品に繋がるんだっていうのを教えてもらったので。自分が選んで来たもので自分が構成されているのってめっちゃかっこいい、かっこいいってわかってる方法論が示されてるなら普通にやるっしょ。って感じです。

キャプテン:ここまで自分を表現することについて考えていて、なぜ全くの他人と一緒にやるバンドを選んだの?

ノドカ:1人でできることがそもそも少ないから、チームでやったほうが出来ることが増えるのが面白くて。周りにも、協力し合うことが好きな友達が多かったし。1人でピアノを弾いたり、ギターを弾いたりしても、1人分の音しか鳴らせなくてつまんないんですよね。皆それぞれ得意なことがあって、聴いてきた音楽とか過ごしてきた時間も違う、けど集まって想像もつかないことができるっていうのが希望だった。だからソロで何かやる選択肢は最初からなかったですね。

キャプテン:本当そうだよね……自分がバンドを組んだ時の気持ち思い出すなぁ……ここまで話を聞いていて、ノドカさんの内に向かう内向的な部分と外に開いて人と何かを作って行く部分が紙一重で、その中で自分の表現としてバンドを選んでライブをして、楽しくて仕方なくて、そのバンドの楽しさもメンバーとの信頼関係も勢いもこのアルバムにはシンプルにパッケージングされてるよね。今北海道のバンドがすごく活動的で元気なイメージがあって、自分たちの同世代の北海道のバンドのことどう思ってる?

ノドカ:人と同じことはしたくないって奴が多いです。それぞれが違う場所でやりたいようにやって、色んなことに気づいて成長して、たまに対バンして確かめ合うっていう、その繰り返しが本当に楽しい。聴いている音楽も違うから、好きな曲流し合うだけでめちゃくちゃ刺激になるし。the hatchとかNOT WONKとか、先人達が提示してくれたことを見て、感じて、じゃあうちらは何する?ってムードで皆やってると思ってて、居心地が良いです。

キャプテン:世代関係なく北海道のバンドというだけで、特に現行でやってるバンドは意識してしまうよね。今北海道は幅広い世代で層が分厚くて、自分たちの解釈でそれぞれの動きをやっているのがすごいよね。

ノドカ:本当に今楽しいです。良い環境ですよ。

【母との間に咲いた花】

ライブ中のfor sibyl

キャプテン:アルバムを出してまだ1ヶ月ぐらいだけど、何か嬉しい反応とかありましたか?

ノドカ:友達が聴いてくれて、感想をくれるのはやっぱり嬉しいです。それとタワレコでたまたま聞いて買ったわっていうtweetも嬉しかったですね。サウンドに惹かれて偶然出会ってくれて……全国流通ってこんなことがあるんだ!って。


キャプテン:そんな奇跡みたいなことが……初の全国流通ってすごく嬉しいよね。

ノドカ:あ!お母さんがアルバム聴いてくれて。「孤独を乗り越えて、居場所を見つけたアルバムなんだね。」って言ってくれたのもすごく嬉しかったです。自分がこれが一番好きだと思ってやったことを、初めて親がいいねって言ってくれたのが嬉しかった。うん。

キャプテン:それは嬉しいよな……

ノドカ:お母さんと仲悪い時期が長くて、「別に私のことなんて嫌いでいいよ」って突っぱねてたけど……結局、あなたのことが大切だよって言ってほしい気持ちがずっと根底にあったんで。応援してもらえてる、味方でいてくれてるって心から思えたことが嬉しかったです。

キャプテン:家族のことを抱えている人ってあまり言わないけど実は意外と多いような気がしていて。それでアルバムをチェックして聴いてくれてたことがすごい嬉しいよな。

ノドカ:そうですね。嬉しいっすね。

キャプテン:母ちゃんも曲と歌詞を見て色々感じたんだろうね。まぁ感じるでしょ……

ノドカ:“chrysanthemum”も「添えられた花じゃない」ってめっちゃいいわって言われました。

【Don’t laugh at omens】

キャプテン:パンチラインだね。少し話は戻ってしまうのだけど、言葉の形こそフックがあるけどすごく普遍的なことを歌っている気がしていて、人を好きになったりすることって人生の中で沢山あって、”Don’t laugh at omens”は自分が高校生の時とかに聞いていたら、わかりやすい言葉でいうと青春時代に感じる悶々とした気持ちとかがハマる感覚に陥ったんだよね。高校の通学の時に、イヤホンぶっ刺して、この曲を爆音で聞いて、身体に染み込んで背中を押されている絵が見えた。そういう意味でfor sibylを知った今の高校生とかがこの曲を聞いたら、これががパンクなんだ!バンドってかっこいい。みたいなそんな初期衝動的な影響を与えるんじゃないかなって思った。すごく自分に当てはめやすいという感じがして。

ノドカ:自分の気持ちを書きながら、聴いている人も自分のことを想像できる普遍的な響きを持つようにっていうのが一番やりたいことだったから、本当に嬉しいです。

キャプテン:その"Don't laugh at omens"がアルバムのタイトルになっているけど、どんな気持ちが込められてるの?

ノドカ:表面的には自分のことが嫌いだったり、うまくやれないなって思うことがめちゃくちゃあるんですけど……自分がパンクを選んだ閃きを、心の奥底では信頼していて。あんまり評価されてなかった時期も、自分の曲めっちゃ良いって思ってたし。”omens”の意味は予兆とか予感なんですけど、その中でも神のお告げっぽいニュアンスなんです。バンドを組んだことも、この作品をリリースすることも全部、閃きに導かれてここまで来たんだっていう感覚があって。大袈裟だろって馬鹿にされるのが嫌で、ずっと誰にも話してこなかったんですけど……「あなただけは笑わないでいてほしいんだよね」っていうのが、タイトルと表題曲に込めた気持ちでした。

キャプテン:おー。なるほど……いいねー。そういうことだったんだね。話聞いていて、色んな人に届いて欲しいのはもちろん、母ちゃんにも届いてよかったね。

ノドカ:うん。よかったです。

キャプテン:もっともっと色んなところまで飛んで行ってほしいね。行くか!

ノドカ:はい!

【for sibylの未来とこれから】

pigsty でライブ終わりのfor sibyl

キャプテン:先日、千歳ZOOWEEで対バンした時リハーサルで会場に入って来ただけで、今のfor sibyl全員が纏ってるバンドのオーラがすごく良かったんだよね。めっちゃパワーある感じで。バンドメンバーって家族や友達とまた違う特別な存在で。あの関係性って異常だと思うし。for sibylのメンバー間ってどんな感じなの?

ノドカ:プライベートでも常に遊んでるって感じではないんですけど、練習とかライブで毎週会って喋ってるからお互いのこと良く知ってるし、ずっと笑ってるし……こんなに楽しい思い出を共有してるってすごい関係だなと思います。いつも3人で「いや〜いい曲だわ〜」って言いながら練習してて、めちゃくちゃ幸せです。

キャプテン:今からツアーも一緒に行くしね。レコ発やツアーに向けて走って行くfor sibylですがそれに向けて意気込みを!

ノドカ:色んな場所にいるバンドに出会えるのがとにかく楽しみです!地理的な問題で、北海道で見れたり一緒にやれるバンドって限られちゃう。だから色んな場所のシーンとかライブハウスの歴史とか知れるのがすごく楽しみで……自分たちを知って欲しい気持ちももちろんあるんですけど、それより遥かに皆のこと知りたい!皆と友達になりたいって気持ちで臨んでます。色んな人とたくさん話して出会いたいですね。ずっとワクワクしてる。


キャプテン:ノドカさんは人のことが本当に好きなんだね。

ノドカ:大好きです。

キャプテン:絶対いい出会いがある!結構ツアーは回るの?

ノドカ:まだ発表されてない場所も入れてちょうど10箇所かな。

キャプテン:今のfor sibylのライブは本当にかっこいいから、各地の観れる人は嬉しいだろうなと思う。ライブを見ていて、アルバムに入っていない新曲もすでにあってどんどん進んで行ってて、これからのfor sibylの進んで行きたい未来への展望があれば。

ノドカ:たくさんの人に届いて欲しいって気持ちはもちろんあるんですけど……for sibylが大きくなる未来を想像した時に、次の世代の子達が後に続いてくれてたら最高だなって思います。バンドメンバーに1人女の子がいたら「紅一点」って言われたり、女の子だけでバンドを組むと「ガールズバンド」って言われてその括りの中で語られたりとか……今の世の中はまだまだそんなんばっかりなんで、うるせー!ってムカついた女の子達がめちゃくちゃバンドやって、for sibylの二番煎じが世の中には溢れてますが……って評論家に言われたいっていう……今のは半分ふざけてるけど!でも当たり前にうちらは怒るし抵抗するよって空気を作りたい、っていうのは常に思ってます。

キャプテン:いいね!「紅一点」とか「ガールズバンド」とかそういうわかりやすい言葉って中々消えなくて、世の中のそういう風潮は自分がまず意識して変えないとなと思う。そこからfor sibylの今の3人のバンドの勢いとこのアルバムが色んな広がり方をして欲しいなと思う。いっぱい真似されよう。いっぱい出会おう!

ノドカ:まだまだやっていきます!

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for sibyl『Don’t laugh at omens』
2024.5.22 RELEASE

CD品番:EBT-1002  / 価格:¥2,000(税込)
1. squash berries
2. hard off skater
3. bacon, my vampire
4. hugging crocodiles
5. disgusted!!!
6. water dragon
7. pliant
8. merfolk ※4月17日 先行配信
9. Rottweiler
10. looking for you on Rosa rugosa Hill
11. Don’t laugh at omens
12. chrysanthemum
13. old stone ※CDのみ収録

Vocal on 'Don't laugh at omens" : MOMO (SNAP PUNCH MOMENT)
Whistle on "chrysanthemum" : Kentaro "TOMMY" Tomizuka (ピーナッズ)
Recording & mixing engineer : Yuji Kamijyo at Submarine Studio & Xylomanta Studio Addicional engineer (Recorded MOMO's vocal) : MENKOKIROKU (cute as a button reiji)
Design : Kazuaki Misu (eyepop)
Photo : TATAMI

【取り扱い店舗】
HOLIDAY! RECORDS
LIKE A FOOL RECORDS
PUNKER THAN ME.
WATERSLIDE RECORDS
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タワーレコード アリオ札幌店
タワーレコード 札幌パルコ店
タワーレコード 苫小牧店
タワーレコード 梅田NU茶屋町店
タワーレコード あべのHOOP店
タワーレコード 名古屋パルコ店
タワーレコード 渋谷店
タワーレコード 福岡パルコ店
タワーレコードオンライン
HMV 札幌ステラプライス店
ディスクユニオン


【配信リンク】


【for sibyl 『merfolk』 Music video】


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𝑅𝐸𝐿𝐸𝐴𝑆𝐸 𝑇𝑂𝑈𝑅
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2024.06.15(土) for sibyl 1st album 「Don't laugh at omens」 release party  ニーハオ!!!! Fewww THE GUAYS for sibyl  新宿marble open/start 18:30/19:00 adv/door ¥2000/¥2500(+1D) U-24 ¥1500
2024.06.22(土) for sibyl 1st album「Don't laugh at omens」release party  MAPPY DON KARNAGE MEGA X(東京) for sibyl anthology three chord  DJ makai no hanamatsu drink 凹凹匣  白石pigsty open/start 18:00/18:30 adv/door ¥2000/¥2500 U-24 ¥1500(要身分証提示)
for sibyl 1st album 「Don't laugh at omens」 release party in KANAGAWA  2024.6.16(sun) 横浜・関内B.B.STREET 11:45-OPEN/12:00-START  for sibyl (Sapporo City.Hokkaido) SHUT YOUR MOUTH DEATHRO  当日のみ¥2000+1DRINK
 2024年8月3日(土)CLUB STOMP 【WRONG VACATION 10】  for sibyl SNAP PUNCH MOMENT BASEBALL PITCHER SWEET SUMMER ORANGE walkslowly FAAFAAZ KUNG-FU GIRL Trash of Acorn The Dahlia  TICKET:¥3,000+1d OPEN/START TBA(昼スタート)  チケット予約はこちら🎫 https://x.gd/2aUae  7/5までにご予約頂いた方にはfor sibylの缶クージーをプレゼント!

2024.08.04 京都
2024.09.15 名古屋
2024.10.05 仙台
and more…

【official X】


【official Instagram】

【discography】
2022.11.14 1stEP 『beetle vs tough gang』 release
2023.10.02 Single『teared song』 release
2024.04.17 Single『merfolk』release

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