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STPGに捧ぐ

盛岡、岩手のバンド界隈では知る人ぞ知る、同級生のSTPGことサトピーが4月30日に帰らぬ人となった。自分は29日に茨城のライブを終え、翌日は家族と一緒に出かけリフレッシュし、さあ月曜日から踏ん張るか!!!と朝起きたところで、生前からサトピーの幼馴染で仲が良かった盛岡で古着屋をやっているTAO usedclothingのTAO君から電話で聞かされ、何だろ?呆然とトイレに駆け込み10分くらい便座に座り込んでしまった。。。あー死んだんだサトピー。。自殺?勘弁してくれよ。(後から聞いたら高血圧による脳出血で痛みも無く一瞬で死んだそうだ)

確かに長生きしないだろ?と思うくらい酒好きでで酒癖が悪い奴だった。
でもギターの上手さと懐が深い音楽センスは群を抜いて凄かった。少なくても俺の周りでは。
天才ってどこかずば抜けて何処か抜けているっていうけどそんな奴だった。

本当は書くつもりは無かったのだか、本日休みで、先ほども出てきたTAO君とどうしてとサトピーの話をしたくて色々話をして、家に帰り衝動のように書き殴りたくなったのでサトピーとの1番の思い出を書いて見ようと思う。

サトピーとの1番の思い出

彼との出会いはそれこそhardcoreの現場だった。hardcoreの現場というか高校の頃、HARDCOREの現場に行き仲良くなった、BITE THE BULLETのケンゴさん(game clothing,HEJILMAJIRU)新しくギター入ったんだ。トドリ君と同い年だよ。と聞かされ紹介された記憶が。高校三年生で俺より先にhardcoreバンドをやっている、それも俺が尊敬しているBITE THE BULLETに加入して。どんな奴なんだろ?と嫉妬と、構えもありつつ、会った時の衝撃が今でも鮮明に覚えている。
スパイクヘアに鋲ジャンに片手にウィスキーか日本酒だったと思う。。高三で俺、酒飲まないと手が震えるんだよね!って、、、。完璧にアル中でぶっ飛んだ野郎だった。ぶっ飛んだ出たちながら人懐っこい印象がある。
今度家に遊びきてよ!って言われ、すぐ遊び行った。家でも衝撃だった。CDラックには膨大なCDに見てみるとHARDCORE.HARDCORE PUNK,スラッシュメタル、デスメタル、メロデス、ブラックメタル、ブルース、70"sロック、HIPHOPまで網羅してる音楽の知識の懐の深さに圧倒された。。なんだコイツは、、、?
そして、学校帰りの盛岡工業(俺らの世代は盛岡商業、盛岡工業がイケてるワルの巣窟だった)のサトピーの男女の友達が集まり、酒を飲むわ飲むわ。。。完璧なアウエー感に圧倒され、耐えきれず帰った。。笑 何だコイツらは?俺の同世代でぶっ飛んだ奴らいるんだなって。。イカれてるって笑笑

FACESでの衝撃的Live

そのサトピーが加入して初めてのBITE THE BULLETの衝撃的なLiveを今でも忘れない。FACESというクラブ(当時盛岡にはLiveハウスがなく、盛岡劇場の地下かクラブで持ち込み機材でライブをやっていた)でサトピーが加入して初めてのBITE THE BULLETのライブが行われようとしていた。サトピーの友達だけでも30人以上は来ていた記憶がある。パンクスからBーboy,B-girl,レゲエ好きな奴から様々な俺らの同世代の奴らが集まっていた。奴の人格が人を集める。不思議な奴だ。

少し話は脱線するが、その日はGOUKAのシノハラさんが一人でFACESに現れ、BITE THE BULLETにその後、夕食屋fuji(当時のpunksの主戦場は夕食屋fujiであった)行われるライブのチケットとフライヤを渡していた。すげーオーラがあった。。
そのGOUKAに後に加入するギターのハタナカ君が俺の連れのヨシトモ(のちにWESTOKYOで TRAITってバンドのボーカルをやる)に『顔気に食わないから殴らせろ!』と喧嘩を売られていた。俺もすかさず間に入り、ハタナカ君の連れと喧嘩になる寸前でBITE THE BULLETが始まるから後にしようぜ!で一旦中断する。

そのBITE THE BULLETのライブが兎に角、衝撃的だった。サトピーの色んなジャンルの友達も入り乱れ、他のお客様さんもそれに便乗しグチャグチャなpit。照明は割れるわ、ワイン瓶、クラスは割れるわ、怪我してもお構いなし。そこにはバイオレンスとピースの相対する矛盾なhardcoreの空間が繰り広げられていた。
最高なモノを見せてもらった。

もしかしたらそれを青春時代に味わったから今でもやってるんじゃないか?ってここ数日思ったり。。

その後はBITE THE BULLETは解散し、奴はJ.W.A.というバンドをex.BITE THE BULLETのメンバーと結成。今でもバンドはやっている。

今日TAO君と話していて初めて知ったんだけど、サトピーはyoutubeやっていて、亡くなる1週間前にスタジオテイクの新曲をupしていた。
帰りの車で聞いたけど、胸が熱くなった。。彼らしい懐の深い世界観。。

時間あればぜひ聞いて欲しい。

奴は死んだ覚えもなく、一瞬で亡くなってしまった。
俺らも明日生きる保証、確証はない。いつ死ぬかなんてわからない。だから今を本気で生きるしかないんだ。ほんとそれだけだと思う。
あの世でも俺らのことを見ていてくれ。しぶとくやってやるよ!生きてる限り。

40歳になってその実感が湧くようになった。若い時なんて全然思わなくて有り難みなんてなかった。だからサトピーの意志は俺らが引き継ぐ。

心半ばバンドをやりたくてもやれなかった死んでいった仲間の分まで。

だって俺は生きてるんだから。ありがとう。サトピー。そしてお疲れ様。


2023.04.30
r.i.p STPG

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