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産休育休 不安との「付き合い方」を知って一歩前に進める自分に。

皆さんの同僚には、ワーキングパパ・ママはどのくらいいらっしゃいますか?

会社員の場合、結婚や出産、育児、介護など人生の様々なステージを会社と共に歩むことになるので、長い会社員生活のある一時期、キャリアをスローペースにしたり、お休みしたりすることもあると思います。もしかしたら入社してから退職するまでずっと同じペースで働き続ける方のほうが少ないのかもしれません。

私自身は2度の産休育休を取得しています。

1人目の妊娠期間中には切迫流産の為に出社出来なくなり、自宅のベッドの上からおよそ1ヶ月間テレワークをしました。また、復帰後は休日出勤や残業にも対応できなくなり、定例会議の時間やアポイントの時間を変更してもらうことが多く、「もしかして迷惑ばかりかけているのでは」「期待通りのパフォーマンスになっていないのでは」などと悩む事もありました。

会社員として働く私たちにとって「ライフステージの変化」と、それに伴う「不安」や「モヤっとした気持ち」は、多かれ少なかれ誰しも経験する事なのではないでしょうか。私は育休期間中に「コーチング」に出会い、自分の中の不安と向き合おうと試行錯誤してきました。もしかしたらこの体験がどなたかのご参考になるかもしれないと思い、「産休育休復帰×コーチング」という視点でお伝えしたいと思います。

①産休育休中の今、復帰への悩みは何ですか?

2回の育休の間、ワーキングママとの交流会によく参加しました。目的は同じような立場のお母さんたちと気軽に交流したいというものでしたが、イベントに参加する中で、産休や育休に伴う働き方の変化に戸惑いや不安を抱える声を、予想以上にたくさん耳にしました。

例えば、

新しい上司や同僚に馴染めるか。
以前の仕事とは別の内容を担当することにモヤモヤしている。
自分だけ定時退社をする事を同僚はどう感じているのか。
育休取得は同期と比べて昇進に不利になるにではないか。
以前任されていた仕事から外されてしまった。
仕事復帰で子供たちが精神的に不安定になるにではないか。
家事と仕事と育児の時間的なマネジメントが出来るのか。
家族(旦那さん)に家事育児の分担を提案できるのか。

など、挙げていくときりがありませんね。

「悩みの9割は人間関係」ということを目にしたことがあります。

産休育休に関する不安を大きく分けると「職場の人間関係」「夫や家族との人間関係」「仕事と家事や育児のやりくり」の3つかと思います。そう考えると「人間関係」がキーワードの一つなのかもしれません。

もし今の不安が「人間関係」に関わるものであれば、コミュニケーションを学ぶ「コーチング」の視点を活かすことができるのではないでしょうか?

上に上げたお母さんたちの不安の例は、比較的具体的なものが多いと感じています。でも、実際自分の育休復帰直前のことを考えると、「何となく前向きになれない」「あんなに働きたいと思っていたのに、何故かモチベーションが上がらない」そんな漠然とした不安が大半を占めていました。

②対人関係の「何となく不安」を明確にする

コーチングを学ぶようになって感じた変化の一つに、モチベーションを下げてしまう口癖を意識して使わなくなったというものがあります。

私の場合「何となく」が口癖の一つでした。「何事も曖昧にしておく事で、核心を突くことも無いけれど、反対に突かれることもない。」そんな自分自身を守る鎧のように「何となく」を使っていました。でも曖昧なまま頭の片隅におかれた不安はどんどん蓄積されて、いつのまにか「モチベーションが上がらない」と感じていたように思います。

ほかの例を挙げると、

「同僚の態度が「何となく」私に不満を持っているように感じて不安。」といった場合、

・同僚のどんな言動からそう感じたのか。
・その言動をした時の同僚の精神状態や健康状態はどうだったのか。
・何回か感じたのであれば共通していることは何か。

といったように、具体的にかみ砕いて考えることができます。

そうすることで

・同僚と話をしている時、目線が合わない事が気になっているな。
・締め切りが近いから最近残業続きだ、と言っていたな。
・もしかすると、何かに取り組んでいるタイミングでばかり声をかけていたかもしれないな。

という気づきから、「話かけるタイミングを変えて、今時間いいですか?と確認してから話をしてみよう!」といったように、次の行動が見つかることもあります。

私の場合は以前から苦手意識を持っていた同僚が復帰予定の部署にいました。復帰後、接し方やタイミングを工夫していますが、すべてが有効というわけではありませんでした。

それでも心の中で「一歩前進」と感じているのは、私のほうから心の距離を少し詰められたという小さな満足感があるからでしょうか。

何より嬉しいのは、一緒に働くメンバーのことをもっと知りたい、コミュニケーションを取りたいと感じるようになったことです。

③自分の中の「何となく不安」も明確化する

対人関係の悩みではなく、自分自身に対する不安に関しても同じ事がいえるのではないでしょうか。

例えば「復帰後の担務替えでそれまでとは別の担当になった事に不満」といったケースです。この悩みは1人目の育休復帰後に私が直面したものでした。

・新しい仕事内容に対する不安なのか。
・以前の仕事内容に対するこだわりがあるのか。
・変えられたと言うことに自体に不満があるのか。

など、自分自身の感情を具体的に細かくかみ砕いてみると、

・10年以上所属した前の部署だからこそ成長できたという思い込みから、「ほかの業務について通用するのか」という不安。
・新部署に苦手意識を持っているタイプの方がいるの不安。
・前部署での自分の仕事が認められなかったのでは、という疑心暗鬼の気持ち。

このような不安があるのだということに気づきました。

時間はかかりましたが、どの悩みも一つ一つかみ砕くことで、今は新しい目標になり、モチベーションにつながっています。

とはいえ、自分自身の不安と向き合うことは時には苦しいこともあるかもしれません。

そんな時には「今は、何となく不安のままにしておく」そんな選択肢があってもいいのではないでしょうか。不安を感じているんだ、ということを認めるということだけでも、大きな一歩なのだと思います。

④終わりに

1度目の育休復帰と、2回目の復帰で私の中で大きく変わったことがあります。

それは「不安はあって当たり前」と考えるようになったことです。

不安を感じている自分を見つけると、ついつい自分を責め、頑張れ!と鼓舞して不安を解消しようとばかりしがちではないでしょうか。私たちは、物事を普段の視点から少し離れて客観的に見る事で、自分の感情「不安」ともうまく付き合っていける道を見つけることができます。自分自身をマネジメント出来た経験が増えると、きっと自信がつくし、その経験は仕事にも子育てにも活かせるものだと感じています。

そう考えると、ワーキングパパ・ママにとっての育休取得は単に育児のためのお休みではなく、自分自身と向き合える、さらにコミュニケーション力を高める機会にもなるかもしれませんね。

私自身も子育てを楽しみながらも仕事も自分の夢も追いかけるために、トライアンドエラーを繰り返す日々を続けていきたいと思います。

この記事を書いた人

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鈴木りょう

TCS認定コーチ/MCS認定マザーズティーチャー/会社員。3歳と0歳の姉妹の母。家庭でも職場でも「笑顔」で過ごせる環境作りを目指して、「自分の夢も子どもの夢もどちらもかなう未来へ」をテーマに働くお父さんお母さんへ講座をお届けしています。自身も「コーチ」と「会社員」のパラレルキャリアを実践中。


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